食事を改善してニキビ対策|MBC麻布十番(皮膚科)

ニキビを予防するために取りたい栄養素と食べ物

ニキビを予防するために取っていきたい栄養素や食べ物を詳しく解説していきます。

タンパク質

タンパク質は肌、血液、筋肉、骨などの体を構成する細胞をつくる基となる栄養素です。そのため、肌の細胞を作ってくれたり、代謝を促してくれたりします。たんぱく質が多く含まれる食べ物は肉類・魚類・大豆類・たまご・乳製品となります。肉は特にささみやひれ肉など脂が少ないお肉の方がたんぱく質を多く摂れるため、たんぱく質をお肉からとる際には意識してみてください。

ビタミンC

ビタミンCにはメラニン生成を抑えて、ニキビ跡の色素沈着を改善する効果があります。また、コラーゲンを生成することでハリのある肌を作ってくれたり、抗酸化作用によって肌を、紫外線を浴びたりすることで起こる酸化ストレスからも守ってくれたりするため、ニキビやニキビ跡に対しても高い効果が期待できます。
ビタミンCが含まれる食材は、かき、キウイ、いちご、レモン、アセロラなどの果物やかんきつ類、ブロッコリー、ピーマン、カブ・大根の葉、いも、じゃがいも、豆苗、ゴーヤなどの野菜に含まれます。また、豚肉にもビタミンCが含まれています。ビタミンCは水に溶ける性質のある水溶性ビタミンなので、1回に過剰に摂取してもすべて尿などで排泄されてしまいます。少しずつこまめに取るとよいでしょう。

ビタミンA

ビタミンAは、皮膚や粘膜を健康に保ち、皮脂腺の機能を改善して、肌に潤いを与えます。また、ターンオーバーを整える作用があるため、特に大人ニキビに悩む方へは積極的に摂って頂きたい栄養素です。
ビタミンAを多く含む栄養素は緑黄色野菜やチーズ・卵・レバーとなります。ビタミンAは脂溶性ビタミンといい、脂肪に蓄積するビタミンのため摂りすぎてしまうとビタミンA過剰症を引き起こす可能性があるため食べすぎには注意が必要です。

ビタミンB2・ビタミンB6

ビタミンB2とビタミンB6のいわゆるビタミンB群は、ニキビの予防に欠かすことのできない栄養素です。ビタミンB2、B6は肌の新陳代謝を促したり皮脂量をコントロールしたりといった役割があります。ですので、不足すると肌に古い角質が溜まりやすくなったり、皮脂が過剰に分泌されたりしてニキビの原因となるのです。ビタミンB2が多く含まれている食品は卵、納豆・レバー・焼き海苔で、ビタミンB6を多く含む食品はマグロやカツオ、サケといったお魚・肉・バナナ・にんにくなどです。
ビタミンB類は水溶性ビタミンといい、尿などに溶けて体外に流されてしまうビタミンのため、食事の中でこまめに摂取していくことがおすすめです。

ビタミンE

ビタミンEには、血行を促進して肌の新陳代謝を活発にする効果が期待されています。また、ニキビを予防するだけでなくできてしまったニキビに対しても回復を促す効果が期待されています。
ビタミンEを多く含む食品は植物油やアーモンド・ピーナッツなどの種実類、ウナギやサンマなど脂の多い魚になります。ビタミンEも脂溶性ビタミンといい油に溶けやすいビタミンのため、摂りすぎると過剰症を引き起こしますので摂りすぎには十分に注意しましょう。

食物繊維

便秘によって腸内に有害な物質が溜まり、腸内環境が悪化すると肌のターンオーバーも乱れやすくなり、ニキビができやすくなります。この便秘を改善する効果のある栄養素が食物繊維です。食物繊維は穀物・イモ類・豆類・野菜・果物・海藻類、きのこ類などに多く含まれます。食物繊維を積極的に摂って便秘を予防し、身体の中からニキビができることを予防していきましょう。

ニキビの原因になると考えられる食生活

次にニキビの原因となることが考えられる食生活について解説していきます。
 

これを食べたらニキビができるという食品はない

食事については、これを食べたらニキビができるという食べ物や逆にこれを食べたらニキビが治るという食事はありません。よくチョコレートを食べるとニキビができる、ピーナッツを食べるとニキビができるというようなことを聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、これについても明確な根拠はありません。ですので、この食品を食べたからニキビができた、これを食べたからニキビが治ったと考えるのではなく、可能性のあるものとしてとらえていただければと思います。ですが、いくらニキビができる食品はないからといって偏った食事を長時間続けていればニキビができる原因となりますので注意しましょう。

脂っこいものを好んで食べる

ニキビの原因は皮脂が過剰に分泌することで、毛穴を詰まらせてしまうことですが、皮脂の過剰分泌の原因となるのが脂っこい食事です。脂質を過剰に摂取すると皮脂の分泌が活発となってしまい、過剰な皮脂分泌へとつながります。
脂っこいものも全く食べてはいけないということではありませんし、脂っこいものを食べたら必ず皮脂の分泌量が増えるというわけではありません。食べすぎて体で使われずに余ってしまった皮脂が皮膚の毛穴から分泌されてしまうので食べすぎには注意が必要です。
特に動物性の脂肪が皮脂の分泌を過剰にしてしまいますので、脂っこいお肉などには注意が必要です。

甘いものを好んで食べる

甘いものに含まれている糖質は、皮脂腺を刺激する働きがあるため、皮脂の過剰分泌につながり、ニキビを作ったり悪化させたりする原因となります。先ほど、チョコレートそのものがニキビを作る原因にならないとお伝えしていますが、これは、チョコレートそのものがニキビの原因になるというよりもチョコレートには脂肪や糖質がたくさん含まれていることから食べすぎると皮脂の分泌が過剰になる可能性があると考察されているのです。ですので、チョコレートのみならず、ケーキなどの脂肪分や砂糖をふんだんに使って作る洋菓子系は皮脂を過剰に分泌し、ニキビの原因となるリスクがあるということになります。
甘いものに該当するかどうかは微妙なところではありますが、とある研究によると、100%カカオパウダーの負荷によってニキビができたという報告があり、これについてはさらに研究が進められているものとなります。

お酒をよく飲む

お酒はその種類を問わずに糖質をたくさん含んでいる飲み物です。甘いお酒には甘みを足すために砂糖が使われていますが、甘くないお酒であってもビールや日本酒など元をたどれば麦や米といった糖質が多く含まれる食材を使用しています。そのため、適量を超えた飲酒が皮脂の分泌を過剰にしてしまうと考えられています。また、お酒を飲むときのおつまみには脂っこいものが多いため、糖質だけでなく脂質の過剰摂取につながりやすく、皮脂の過剰分泌となってしまうのです。

コーヒーもニキビの原因に

嗜好品としてコーヒーをよく飲むという方もいらっしゃるかもしれませんが、コーヒーなどの嗜好品そのものが刺激物となったり、飲みすぎると体の中でストレスになったりして、ニキビを作る原因となることが考えられています。コーヒーにはビタミンCを消耗させる作用があると考えられています。 
そのため、コーヒーをたくさん飲む習慣がある方は、ニキビができやすく治りにくい肌になることが考えられるのです。

食事のタイミングが不規則である

食事のタイミングが不規則になると、皮脂の過剰分泌につながりやすくなります。どういうことかといいますと、これは食事を摂る時間もさながら不規則な食事のリズムがポイントとなります。例えば、朝ご飯を食べずに仕事や学校に行ってしまえば当然ながらお腹が空くため昼を多量に摂取してしまいます。昼ご飯の時間が5分程度しかなく、かきこむようにご飯を食べてしまえば当然ながら夕飯までお腹が持たないので、ジュースやお菓子など間食の量が増えてしまいます。
このように規則正しいタイミングでバランスの良い食事を摂らないと間食や、食事量が増えてしまい、結果として先ほどご紹介してきたように脂質や糖質を多く摂ってしまうのです。時間がないとどうしても野菜よりも手軽にお腹が満たせるようにコンビニのお惣菜やテイクアウトできるファストフードに頼ってしまいますが、これらの食品は脂質や糖質が多く含まれているものが多いです。皮脂の過剰な分泌やニキビを防ぐためには食事を規則正しく、そしてタイミングよく摂取することが良いでしょう。

ニキビができたら悪化する前に皮膚科に相談

ここではニキビを予防できる食品や原因となる食品を書きました。これらの食品を摂取すれば必ずニキビができない、良くなるということではありません。特に、ニキビができて進行しているという場合や悪化してしまったニキビに対してはこれらの食品の力では改善する可能性は低く、医療機関で治療を受けることをおすすめしています。
特に、悪化する前に皮膚科を受診することができれば、短期間で、皮膚科に通う回数も少なくニキビを改善できる可能性があります。赤ニキビや黄ニキビにまで移行してしまうと、ニキビ跡を残してしまう可能性が高くなっていくのです。
そのため、ニキビができた、ニキビが気になるという方は悪化する前に一度皮膚科に相談されてはいかがでしょうか。

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。