ニキビ跡(色素沈着)の効果的なケア方法|麻布十番のMBクリニック皮膚科

ニキビ跡ができてしまった場合のセルフケア方法

ニキビ跡ができてしまった場合に、皮膚科の力に頼らずご自宅でセルフケアをおこなう方法は主に2つあります。

ビタミンC誘導体が配合された化粧品を使う

ビタミンC誘導体とは、ピュアなビタミンCを化学修飾し、化粧品として使いやすいように改良したものです。肌に使用することで、徐々に分解されてビタミンCとなり、肌に作用していくというメカニズムとなっています。
ビタミンCはメラニン色素の合成を抑制し、できてしまったメラニン色素を薄くする作用があるため、ニキビ跡を目立たなくする効果が期待できます。また、肌の新陳代謝を整え、ターンオーバーを促進してくれることから、ニキビ跡を早期に薄くする効果が期待できます。

ニキビ跡に対して、有効な成分がビタミンCです。ビタミンCは熱や光、酸化に弱いことが特徴であるため、化粧品に加工すると安定した作用で長期間使用し続けることが難しくなります。ですが、ビタミンC誘導体は安定性、高浸透性、高機能性を目的に作られていることもあり、安定した成分を肌に送ることができるということがビタミンC誘導体の特徴。ビタミンC誘導体にビタミンCを加工するともとのビタミンCの2~8倍という大きさになってしまうため、ピュアなビタミンCと比較すると濃度が低くなってしまいますので、セルフケアのためにビタミンC誘導体が配合されているビタミンCを選ばれる際には配合の割合をチェックしてみてください。

ピーリングによりターンオーバーを促進する

ピーリングとは、皮膚表面及び毛穴部分の古い角質やくすみを取り除き、新しい角質を再生させる方法です。古い角質やくすみを取り除くことで、ターンオーバーを促進し、メラニンを体外に早期に排出する役割があります。他にも、毛穴の汚れや黒ずみをとるという効果もあります。
セルフケアで行うピーリングでは、使用する薬剤は、医療機関で行われるケミカルピーリングで使用するものと同様になりますがその成分の割合が異なることが特徴です。
ケミカルピーリングよりも使用できる薬剤の濃度が低いため、ケミカルピーリングと比較すると、効果が得られにくいという特徴もあります。

ニキビ跡ができてしまった場合の皮膚科でできる治療方法

次にニキビ跡ができてしまった場合に皮膚科でできる治療方法についてご紹介します。

イオン導入

イオン導入とは、微弱電流の力を使い有効な成分を肌の奥まで届ける方法です。塗布しただけではなかなか吸収されにくい成分を浸透させることができるため、塗布するよりもより効果が期待できます。全ての成分が利用できるというわけではなく、イオン化できるものや成分が小さいものでのみ行うことができるため、イオン導入ができるのはビタミン剤、ビタミンC誘導体、プラセンタなどとなり、コラーゲンやヒアルロン酸などはイオン導入することができません。
より肌に浸透させられるように、後述するケミカルピーリングを受けてから行うことが推奨されています。

ケミカルピーリング

先ほどご紹介した、ピーリングを医療機関で行うものです。ケミカルピーリングは「皮膚に化学薬品を塗り、皮膚を剥がすことによって起こりうる現象や効果を利用して行う治療のこと」をいいます。
ケミカルピーリングで使用する主な薬剤は、グリコール酸、サリチル酸(マクロゴール基剤、エタノール基剤)、トリクロロ酢酸(TCA)の3つで、この薬剤はセルフケアのピーリングで行える薬剤と同じものです。そのほかとして、乳酸、ベーカーゴードン液、フェノールなどの薬剤が使用されます。
どの薬剤をどのくらいの割合で使用するかは、ニキビ跡の特徴やどのくらい皮膚をピーリングをするかによって異なってきます。肌に合わないピーリングは肌の状態を悪化させる可能性もあるため、医師が肌の状態を見極めつつ使用する薬剤を選択しています。日本人の肌の場合は、グリコール酸が最もマイルドで比較的安全に使用できるので、多くの施設で使われています。グリコール酸については「pH3.0以上、濃度10%以下」であればエステティックサロンでも用いて良いのではないかという厚生労働省の研究班の報告がありますが、このの濃度では効果があまり期待できないという報告もあるため、確実な効果を期待するのであれば医療機関で受けることがおすすめです。ニキビ跡の治療については、高濃度グリコール酸やトリクロロ酢酸を用いたケミカルピーリングで効果があった旨の報告がなされています。

プラセンタ注射

プラセンタ注射とは、ヒト胎盤エキスを注入する治療方法で、厚生労働省でも認められている治療法です。
ヒトの胎盤からプラセンタ注射に必要となるエキスを抽出して使用していきます。プラセンタ注射は、細胞の分裂を活発化させる効果があり、アンチエイジング効果が期待できます。また、細胞の分裂を活発化させたり、メラニン色素を生成する酵素の働きを抑制したりコラーゲンの生成を促したりするため、シミやニキビ、ニキビ跡に対しての効果も期待できるとしています。プラセンタ注射にはメルスモンとラエンネックの2種類。このどちらを使用されても効果は同程度であるという見解があります。筋肉注射にて、プラセンタを注入していきます。他の薬剤を配合して点滴注射で投与しているところもあります。

ハイドロキノンやトレチノインなどの外用薬

ハイドロキノンとは、ヒドロキノンという成分を含有したお薬で、イチゴ類、麦芽、コーヒー、紅茶など天然にも存在する成分でもあります。
ハイドロキノンには紫外線が色素細胞にあたった際にメラニンを作るために出てくる酵素を抑制する働きがあります。ハイドロキノンそのものは皮膚への吸収があまり良くないのですが、トレチノインなど他の薬剤と一緒に使用することで肌への吸収が良くなります。トレチノインは、表皮の深い層にあるメラニン色素を外に押し出す働きがあります。
つまり、トレチノインでターンオーバーを早めつつ、ハイドロキノンでメラニン色素の生成を抑制することでニキビ跡を改善させる効果が期待できるのです。
ニキビ跡が改善されるまでに約2ヶ月はかかるといわれており、根気よく継続して治療をすることが必要です。

ニキビ跡の種類とは

ニキビ跡と一言で言ってもさまざまな種類があります。次に、ニキビ跡の種類について詳しく解説していきます。

毛包周囲瘢痕

毛包周囲瘢痕とは、毛包及び毛包周囲にできたニキビによって生じるにきび跡です。全身の中でも脂腺が大きい毛包に対して生じることが特徴ですので、前胸部や下顎~頸部、肩甲部といった物理的な刺激が加わりやすく、生活していく中で皮膚が進展しやすい部分にできたニキビの跡として残りやすいことが特徴です。また、ニキビによる炎症で毛穴が収縮せずに拡張してしまったままになっていることも特徴です。

浅斑状瘢痕

浅斑状瘢痕とは、浅く広く凹んだタイプのニキビ跡です。いわゆるクレーターと呼ばれるニキビ跡の1つ。皮膚の組織の深くにまで炎症が及んでいないこともあり、ニキビ跡の中でも比較的治しやすいことが特徴です。女性は皮膚が薄いため特にできやすいとしています。

深真皮瘢痕

ニキビが真皮層という皮膚の深い部分にまで炎症を及ぼした結果としてできるニキビです。ニキビの治癒が遅く、炎症が長く続いたことによって起こると考えられているニキビ跡です。また、炎症に加えて皮膚の伸縮など皮膚が物理的な刺激を受けていた場合にも起こる可能性があります。皮膚の厚い男性にできやすいことも特徴です。

脂肪組織の萎縮

皮下組織の萎縮によって起こるニキビ跡のことを言います。ニキビによる炎症が脂肪組織にまで及んだ結果として起こるニキビ跡です。真皮という皮膚の表面の下が凹んでいることによって表面の皮膚も凹んでしまい、ニキビ跡が形成されます。今までニキビ跡があったけれど目立っていなかったのに、年齢を重ねるにつれてニキビ跡が目立つようになってきたという場合には加齢による脂肪組織の萎縮によってニキビ跡が悪化している可能性もあります。

アイスピックタイプ

小さいにきび跡ですが、深さがは非常に深く、直径2mm以下のニキビ跡の場合歯アイスピックタイプであることが考えられます。氷にアイスピックを刺したような形に似ていることからのこの名前が付けられました。とある研究によると赤ニキビなどの炎症を起こしたニキビの経過を観察した結果、約12個に1個がアイスピック型のニキビ跡になったという報告があります。

ローリングタイプ

円形、楕円形の凹みのニキビ跡で、広い範囲でなだらかに凹んでいることが特徴です。直径は4~5mm以上と広く、繊維化組織が表皮と筋膜と癒着して引っ張られている状態なのでこのような形を形成します。さらに悪化すると脂肪組織の萎縮へと移行することがあります。

ボックスタイプ

円形や楕円形のニキビ跡で角が直角であることから箱(ボックス)のようであるため、ボックスタイプと名付けられています。水疱瘡の跡がこのボックスタイプのニキビ跡に似ています。断面が長方形で貨物列車に似ていることから、ボックスカータイプともいわれることがあります。

ニキビを予防・改善するために

ニキビ跡を作らないためにはニキビを予防し、できてしまったニキビを早期に改善することが必要です。ニキビの予防と改善方法についてご紹介します。

紫外線を避ける

紫外線を浴びて、余分な角質が肥厚してしまうと、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの原因になってしまいます。また、紫外線による皮膚への刺激は皮脂を酸化させてニキビを悪化させやすくなってしまいます。さらに、できているニキビに紫外線が当たるとシミになったりニキビ跡を形成しやすくさせたりします。
紫外線を避けるために、日焼け止めをこまめに塗布する、日傘や帽子を活用していきましょう。とはいえ、ニキビの上から日焼け止めを塗るのは不安という方もいらっしゃるかもしれません。現在、日焼け止めにはさまざまなタイプが販売されており、ニキビ肌用の日焼け止めも販売されていますのでご活用ください。また、日焼け止めは2~3時間ごとに塗りなおすことをおすすめします。

ビタミンを正しく摂取する

ニキビやニキビ跡の治療のためにビタミンCが良いということは先ほどご紹介していますが、口からとる場合には、ビタミンCだけを摂り続ければよいということでもありません。
ニキビの予防、改善のために日頃の食生活で意識して摂取していきたいビタミンはビタミンB2、ビタミンB6です。ビタミンB2はニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を抑え、皮脂の分泌量をコントロールしてくれます。ビタミンB6は皮膚の炎症を予防してくれる働きがあります。また、ビタミンCも抗酸化作用があり、ビタミンBとともに肌の再生のサポートをしてくれますので、バランスよく摂取していきましょう。
ビタミン類は食事の中でも接種していくことができますが、特に加工食品を摂取する機会が多い方は、加工食品にはビタミンの含有量が少ないため、サプリメントを活用されることをおすすめします。また、ビタミンB群、C群は水溶性ビタミンといい、摂取しても体内で貯蓄されずに尿で排泄されてしまいます。一度にたくさん摂取するのではなく、毎日少しずつ摂取していくことを心がけましょう。

正しい洗顔と保湿を行う

ニキビの予防と改善のためには、皮膚を清潔にし、保湿をすることが必要です。洗顔の回数は1日2回程度が推奨されています。ニキビの治療あるいは予防のための洗顔回数は1回では洗顔が足りずにニキビができてしまい、4回では多すぎて肌から皮膚がぽろぽろと剥がれ落ちてきてしまったという報告は皮膚科学会が出しているニキビの診療ガイドラインでも明記されています。正しい洗顔は顔をぬるま湯か水で濡らした後、洗顔フォームやせっけんでたっぷりの泡を立てて摩擦を書けないようにやさしく洗います。しっかりとすすいだら清潔なタオルでこすらずにおさえ拭きをしていきましょう。
洗顔後は保湿をしていきましょう。乾燥はニキビの原因となる皮脂を過剰に分泌させ、ニキビをできやすくしたり悪化させたりする原因になります。保湿成分が高いスキンケア商品を選んでしっかりと保湿をすることをおすすめします。

症状によっては皮膚科を受診する

ニキビは炎症を起こすとセルフケアでの改善は難しく、また、治療をしないことで炎症が悪化し、ニキビ跡を形成する原因となります。特に赤いぶつぶつとしたニキビや膿をもったニキビとなってしまった場合にはなるべく早く皮膚科を受診して治療を受けられることをおすすめします。

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。