シミの対策|MBC麻布十番(皮膚科)
日常でできるシミ対策
日常生活の中でシミの対策をまずはしていきたいと考える方へ日常生活でできるシミ対策についてご紹介します。
スキンケアでのシミ対策
日常生活でのスキンケアを見直すことで、シミ対策をすることができます。スキンケアでのシミ対策のポイントは主に2つあります。
1つ目は皮膚のターンオーバーを促進してできているシミを排除することです。シミの元となっているメラニンは、ターンオーバーを繰り返すことで徐々に肌の上の層に押し上げられて垢となって排出されていきます。そのため、スキンケアの中でターンオーバーを促進していくことができれば徐々にシミを薄くしていくことができます。ターンオーバーを促すスキンケアとして効果的な方法の1つに、洗顔です。たっぷりの泡で、泡を転がすようにやさしく洗い、流水でしっかりと洗い流しましょう。この時にごしごしと顔をこすりながら洗ってしまうと、肌に負担をかけてしまうためあくまで刺激を与えずに優しく洗うということがポイントです。
2つ目は紫外線対策をして新しいシミを作らないということです。シミの元となるメラニンは肌に紫外線が当たることで生成されていきます。また、すでにできているシミも、何の対策もしないまま紫外線を浴びてしまうと、シミはどんどん濃くなっていってしまいます。
そのため、外出するときや、家の中でも窓の近くで作業をされるという時には日焼け止めを塗りましょう。日傘、広いつばが全周にある帽子も併用されるとさらに効果的です。日焼け止めにはSPF、PAによって防御効果に違いがあります。日常生活を送る上で使用されるならばSPF5、PA+程度、ドライブや軽い屋外への外出ならばSPF10、PA++が良いとされていますのでご自身の活動によって使い分けてみてください。顔ですと真珠の玉2個分位を全体にのばして使用し、3時間に1回くらい塗り替えると確実な効果が期待できます。日焼け止めを使用した後は、クレンジング剤を使用してしっかりと落とすことで、肌トラブルを招いたりターンオーバーを停滞させたりする原因となることを防いでくれます。
食生活でのシミ対策
食生活の中でもシミの対策をしていくことができます。シミの予防や改善に高い効果が期待される栄養はビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、L-システインとなります。ビタミンCはシミの原因となるメラニンの生成を抑えるとともに、酸化して濃くなってしまったシミを薄くしていく効果が期待できます。ビタミンAはシミの元となるメラニンの生成を促進する活性酸素の作用をおさえてくれる働きがあります。ビタミンEには、抗酸化作用があるだけでなくビタミンCの働きを活性化させてくれる効果が期待できます。L-システインには活性酵素を抑えるとともに体内からメラニンを早期に代謝できるように働きかけてくれます。これらが含まれている食材を積極的に摂ってほしいものですが、これだけではなく、バランスよく栄養を取ることを心がけてください。
質の良い睡眠を取ってシミ対策
睡眠もシミの対策に効果的です。睡眠中は成長ホルモンが分泌されて肌の代謝などを行ってくれます。ですので、肌のターンオーバーは寝ている間に行われているのです。成長ホルモンが分泌される午後10時から午前2時までは質の高い睡眠をとることで肌のターンオーバーが促進されるのです。成長ホルモンと聞くと成長期にしか分泌されないのではと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、成長ホルモンは、大人になってからも分泌が続いています。もちろん、加齢によって分泌量は子どもの頃よりも低下していくものの、女性の場合は閉経を迎えるまでは成長ホルモンが分泌されています。また、ただ眠るのではなく、成長ホルモンは、脳がしっかりと眠っているノンレム睡眠中に多く見られるため、ノンレム睡眠の状態で眠ることが重要です。シミや肌の代謝が気になるという女性は、ぐっすりと眠れるように睡眠環境を整えて、なるべく早くしっかりと眠るようにしましょう。
医薬品でのシミ対策
日常生活でのシミ対策はもちろんやって頂ければ効果が少しずつ出てきますが、すぐに目に見えての効果を得ることができません。そのため、日常生活でのシミ対策に加えて医薬品を活用されることをおすすめします。どのような医薬品が、シミ対策として効果的なのでしょうか。
L-システイン
L-システインとはアミノ酸の一種で高い抗酸化作用が期待されています。メラノサイトの中でメラニンが作り出される前の段階で、チロシナーゼという酵素が分泌されるのですがこの酵素の働きを抑制してくれるのがL-システインです。他にも皮膚の新陳代謝を促してくれるので、肌のターンオーバーを促進したり、紫外線によって肌が酸化することを防いだりすることが期待され、シミのない肌を保つあるいはシミのない肌を作り出すためにはなくてはならない成分となります。L-システインは内服薬で販売あるいは処方されることが多い医薬品です。
トラネキサム酸
トラネキサム酸とは、必須アミノ酸を元に人工合成されたアミノ酸の一種です。メラニン発生の原因のひとつとして考えられているメラノサイト活性化因子のプラスミンを抑制することでメラニンの発生を抑制し、シミを薄くしていきます。アレルギーや湿疹、炎症などの治療で用いられることの多いお薬なのですが、この治療でトラネキサム酸を服用されていた患者さんから、シミが薄くなったというお声をいただき、開発が進んで製品化されたともいわれています。トラネキサム酸は、シミの中でも特に治療方法が少ない肝斑に対して効果的な医薬品ですので、肝斑に悩まされているという方にはお試しいただきたい医薬品です。
トラネキサム酸は内服薬での投薬が主流となっています。
ビタミンC
ビタミンCはメラノサイトがメラニンを作り出す過程で様々な因子に対して働きかけ、メラニンの生成を抑制します。メラニン生成の初期の段階でメラノサイトがメラニンを作り出す元となる酵素の発生を抑制したり、メラニンの生成する過程で発生する酵素の抑制をしたりします。また、すでに蓄積されているメラニンを還元する効果もあるため、シミを薄くする効果が期待できます。ビタミンCは内服薬および外用薬で使用することが可能です。ですが、化粧品の場合はビタミンCの成分が大きいため、肌に吸収がさせづらいことや、酸化する可能性があることから、ビタミンC誘導体を使用することもあります。
ここでご紹介した医薬品は医療機関での処方だけでなくドラッグストアなどで市販にて販売されていることもあります。ですが、医療機関で処方されるものとドラッグストアなどで市販にて販売されているものは、成分の配合量が異なるため、同じ成分が配合されているものを使用していても効果を実感できるタイミングが市販の方が少し遅いという可能性もあります。確実な効果を期待されるという方は医療機関で医薬品を処方してもらうことがおすすめです。
医療機関でのシミ対策
先ほどご紹介した医薬品も、医療機関で処方をされたとしても、効果が出てくるまでは時間を要します。速やかに確実な効果を期待しているという方は医療機関でシミの治療を受けられることがおすすめです。医療機関でできるシミ対策についてご紹介します。
レーザー治療
レーザー治療とは、レーザーの光によってメラニン色素を破壊してシミを薄くしていく治療方法です。一昔前まではレーザー治療が適応外となるシミの種類もありましたが、治療に使うレーザーも進歩しており、ほとんどの種類のシミに対して治療をすることができるようになりました。レーザーが照射された部分は一時的に治療前よりもシミが濃くなってしまう期間がありますが、徐々に薄くなってやがて目立たなくなっていきます。また、正常な組織に殆ど影響なく治療することができるということも特徴です。
医療機関によって使用しているレーザーが異なり、使用しているレーザーの種類によってはシミに対して治療ができないものもあります。ですので、どんなレーザーを使用しているのかは医療機関へお問い合わせください。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングとは、皮膚に化学薬品を塗って皮膚をはがすことで、肌の代謝を促進する治療方法です。特に、日光に当たることでできるシミに対して効果が期待できます。使用する薬品は医師がその方の肌質やシミのレベルによって判断をします。エステサロンなどでも行われている施術ですが、肌の状態に合わせて薬品を選択しないと健康な皮膚に対して影響を及ぼすことがあります。また、エステサロンでは高い濃度のお薬を使用できないので施術そのものの効果が薄い可能性もありますので、高い効果を期待される方は医療機関で施術を受けられることをおすすめします。
イオン導入
イオン導入とは、肌に塗っただけではしっかりと浸透させることが難しい美容成分をイオンの微弱電流を流しながら皮膚の奥にまで浸透させる治療法で、特に、物質が大きくなかなか肌の角質層を通過しにくいとされるビタミンCはイオン導入で肌に浸透させることがおすすめです。まず、ビタミンCはそのままの状態ですと、角質層から吸収されないため、ビタミンC誘導体という状態に変化させて化粧品として使いやすくしています。そのままの状態ですとマイナスイオンを帯びているため、プラスイオンを帯びている肌の表面からバリア機能を通過して肌の奥に浸透させることは難しいです。そこで、イオン導入器を使用し、プラスイオンとマイナスイオンの反発を改善させることで、ビタミンC誘導体をより肌の奥に浸透させることが可能となるのです。
注射・点滴
注射、点滴とは先ほどご紹介した医薬品などを点滴や注射薬で投薬することを言います。血管内にお薬の成分を注入することによって内服と比較しても速やかに高い効果が期待できます。また、シミに効果のある成分をブレンドしシミに特化した医薬品を使用しているところもあります。
どの医薬品を使用するかは医療機関によっても異なりますので、ご興味のある方は皮膚科へお問い合わせください。
監修医師
立花 義浩
- 資格
- 精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
- 経歴
- 北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。
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