ニキビがかゆくなる原因とその対処法|麻布十番のMBクリニック皮膚科

ニキビがかゆくなる理由

ニキビがかゆくなることがあるという方に、まずなぜニキビがかゆくなってしまうのか、その原因について詳しく解説していきます。

ニキビの炎症によってかゆみを感じる神経を刺激するから

ニキビだけでなく人の身体においては強い炎症が起こると、肥満細胞という細胞が活性化されます。この肥満細胞とは皮膚をはじめとする外界と接触する組織に存在するもので、皮膚においては血管周囲や神経の周囲などに分布しており生体の防御の機能を担います。つまり、ニキビによる炎症が起こると、その炎症から皮膚を守るために肥満細胞が活性化され、ヒスタミンという物質が放出されます。このヒスタミンが、かゆみを感じる知覚神経に作用することによってかゆみを引き起こします。

ニキビの周りの皮膚の乾燥

ニキビそのものがかゆいのではなく、ニキビの周りの皮膚が乾燥していることによって、ニキビ周りの皮膚にかゆみが出ているのですが、ニキビそのものがかゆいと思ってしまうこともあります。
人の肌の一番外側にある角層には水分を保持する機能に加えて、天然の保湿因子が生成されて肌を保湿しています。ですが、乾燥などによって天然の保湿因子が減少すると、肌のバリア機能が弱まり、ほこりや花粉、紫外線といった刺激によって肌に痒みを感じやすくなります。特にUゾーンといわれるフェイスラインは乾燥によるニキビもできやすいため、この部分にニキビができると、肌の乾燥によるかゆみとニキビによるかゆみが混同されることもあるでしょう。

ニキビ治療薬の副作用

ニキビの治療を開始した後からニキビの部分に痒みが出てきているという場合にはお薬の副作用が関係していることが考えられます。ニキビの治療には、白ニキビなどニキビの初期段階であっても、赤ニキビや黄ニキビのように重度なニキビであっても、アバタレンや過酸化ベンゾイルという毛穴のつまりを改善するピーリング効果がある治療薬が処方される場合があります。このアバタレンや過酸化ベンゾイルの副作用には、乾燥、皮膚のカサカサ、赤み、ヒリヒリ感、かゆみなどの副作用があります。アダパレンによるかゆみの副作用は全体の約13.2%、かゆみの原因につながる乾燥は全体の約56.1%に見られます。このお薬は角質の生成を抑制することで毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビの生成や悪化を防ぐのですが、この角質には肌の水分を保持する機能があるため、角質が作られなくなることで肌が乾燥したり、外部からの刺激に弱くなってかゆみを引き起こしたりするのです。この副作用は、長くても1カ月前後でおさまってきます。保湿をしっかりとすることで改善することができます。市販の保湿剤でも構いませんが、皮膚科では、保湿力の高い保湿剤をお出しすることもできますので、ニキビ治療薬による副作用で痒みが辛いという方は、皮膚科へお気軽にご相談ください。

ニキビの進行とかゆみの強さ

次にニキビの進行とかゆみの強さはどのように関係しているのかについてご紹介します。

赤・黄ニキビは強いかゆみ

赤ニキビや黄ニキビといった炎症が強いニキビの場合にはかゆみも強く感じます。これは、炎症が強くなればなるほど体の中で肥満細胞が活性化されて、ヒスタミンの生成量も増えていくためです。そのため、赤ニキビや黄ニキビの方ほどかゆみを強く感じてしまうという方が多い傾向にあります。

白ニキビは弱いかゆみ

白ニキビとは皮脂が毛穴に詰まっている状態でまだ炎症は起こっていません。そのためこのタイミングでは、まだ痒みが出ることは少なく、出ていたとしても弱い痒みである傾向にあります。ですが、顎や頬といった大人ニキビができやすい部分にニキビができた場合は別です。この部分はもともと肌が乾燥しやすい部分となります。肌が乾燥すると、先ほど炎症が起こっていた状態と同じように皮膚のバリア機能の低下によって、外部の刺激から肥満細胞が活性化され、ヒスタミンが放出されます。ですので、肌全体がこの作用によってかゆくなるのですが、ちょうどその部分に白ニキビができていると白ニキビの部分がかゆくなっていると感じることがあるかもしれません。

皮膚の状態が直接的な原因ならばニキビの状態は関係ない

先ほどもご紹介したようにもしも、かゆみの原因が皮膚の乾燥であれば、ニキビの状態は、かゆみの原因に関係しません。そのため、白いニキビなのにかゆみが強いという場合には、乾燥によるかゆみの可能性が高いかもしれません。

ニキビがかゆくてもひっかくのはNG

ニキビがかゆくなったからといってかきむしる、ひっかくという行為は絶対にしてはいけません。その理由は主に2つあります。

かゆみが悪化する

かゆいからといってかきむしってしまうと、実はかゆみを悪化させることにつながります。かゆいからといってかくと、皮膚のバリア機能が破壊されます。そうすると破壊された皮膚の表面からサイトカインが放出され、このサイトカインがかゆみの原因になったり、またサイトカインが肥満細胞を活性化させたり知覚神経を刺激し、ヒスタミンや神経ペプチドが放出されるため、かゆみを引き起こしてしまうのです。また、かゆい部分がどんどん広がっていってしまう可能性もあり、もともと何もなかった部分までかゆくなってきてしまうので注意しましょう。

ニキビを潰してしまう

ニキビがかゆいからといってかいてしまうとニキビを潰してしまう可能性があります。ニキビを潰すと、皮脂が毛穴の中に残ったままとなっていればその皮脂がさらに炎症を起こしてニキビが悪化します。もしも潰したときに皮脂などを完全に排除できたとしても毛穴の中で破裂をしてしまうとニキビ跡を残してしまう可能性も出てくるのです。
潰すつもりはなくてもニキビに手が引っ掛かって潰してしまうということもあり得るため、ニキビの部分がかゆくてもかかないようにしましょう。

ニキビのかゆみの対処法

ニキビの部分がどうしてもかゆいという方に、かかずにどうやってニキビの痒みを対処していくかをご紹介します。

まずはニキビを冷やしましょう

我慢できないほどの強いかゆみがニキビの部分に出てきたらまずはニキビの部分を冷やしてみましょう。冷たいという感覚は神経の興奮を鎮めてくれるため、かゆみを抑える効果が期待できます。冷たいおしぼりやアイスノン等を使用してニキビを冷やし、かゆみを鎮めていきましょう。この時ニキビだけでなくニキビの周囲まで冷やしておきましょう。また、ニキビが悪化することを防ぐために、冷やすときには清潔なタオルを使用することがおすすめです。

洗顔で肌を清潔に保つ

ニキビの周囲が乾燥していることや、ニキビが不潔となっていることによって皮膚のバリア機能が低下したり、炎症が悪化したりしてかゆみが引き起こされている可能性があります。ですので、洗顔をして肌を清潔に保つということもかゆみ対策に効果があります。ですが、ごしごしと肌をこすってしまうと、ニキビを潰してしまったり、その刺激によってかゆみが増加したりする可能性があります。たっぷりと泡立てた洗顔料を使ってやさしく洗い、洗い終わった後はタオルで抑え拭きするなどしてなるべく肌に負担をかけないように洗顔をしていきましょう。
先ほど、ニキビがかゆい時には冷やすと効果的ということをご紹介しましたので、冷水で洗顔をすれば一石二鳥と考える方もいらっしゃるかもしれません。ですが、冷たい水では油脂などを充分に洗い流すことができず、洗い残った油脂がニキビを作ったり悪化させたりする原因となるかもしれないので、洗顔をするときには32~36度のぬるま湯で行いましょう。

保湿をきちんと行う

洗顔後は、保湿もしっかりと行いましょう。乾燥はかゆみを引き起こす原因となってしまいます。そもそもニキビの部分はあまりかゆくなかったのに乾燥したことによってニキビのかゆみを助長させたり、周りの皮膚のかゆみを引き起こしたりする可能性があります。ですので、保湿はしっかりと行いましょう。ニキビのケアをしていきたいけれど肌が乾燥しやすい肌質の方や刺激に敏感で保湿選びに悩んでいるという方には、ニキビのもとを作りにくいノンコメドジェニックもしくはハイポコメドジェニックと記載されている保湿剤をおすすめします。先ほどもご紹介したように、特にニキビの治療を始めたらかゆみが強くなったという方においては、市販の保湿剤を使用するのも良いですがその際には保湿力の高いものを使用されることをおすすめします。

かゆみがひどい場合、皮膚科に相談

かゆみがひどいという方、ここでご紹介したかゆみを改善する方法を行っても改善しなかったという場合には我慢せずに皮膚科に相談してください。皮膚の専門家である皮膚科医が現在の皮膚の状況をチェックして、ひとりひとりにぴったりの方法で対処をしてくれます。一般の方では、かゆみの原因がニキビなのか、肌質なのかが判断できない場合もあります。また、ニキビによってかゆみが出ているかと思ったらそのできものが汗疹や湿疹などでニキビではなかったということもありえるのです。
ニキビのかゆみが気になるという方もまずは皮膚科へ相談されることをおすすめします。

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。