円形脱毛症の治療薬|麻布十番のMBクリニック皮膚科

円形脱毛症で使われる内服薬例

円形脱毛症の治療薬に使われる内服薬としてここでは、保険適用で処方されるお薬をご紹介します。

抗アレルギー剤

抗アレルギー剤はもともと、花粉症やアトピーなどアレルギー疾患の治療に対して用いられるお薬です。海外からの治療実績の報告はありませんが、日本ではアトピー素因を持つ単発型及び多発型の円形脱毛症に対しての治療効果の根拠が認められており、他の治療と併用して行う治療として推奨されています。ですが、円形脱毛症のみでは保険適用としてお薬を処方してもらうことが難しいため、保険適用でこのお薬を処方してもらう場合にはアトピー性疾患であることを医師から診断してもらうことが必要となります。
抗アレルギー剤には、大きく分けて2種類のタイプがあり、第1世代抗ヒスタミン剤と第2世代抗ヒスタミン剤です。第2世代抗ヒスタミン薬が治療薬としてよく使われています。第2世代の抗ヒスタミン薬は第1世代の抗ヒスタミン薬と比較して眠気などの中枢神経抑制作用や、口渇や胸やけなどの抗コリン作用などの副作用が少ないお薬です。

ステロイド内服

ステロイドの内服薬は免疫機能や炎症を抑える効果のあるお薬です。ステロイド内服療法は基本的に発症後6カ月以内で,急速に進行している重症例の円形脱毛症となります。ステロイドは、服用をやめると脱毛が再発することが多いと言われており、再発例に関する有効性に関しては、まだ研究結果がないのが現状です。また、ステロイド内服による身体への影響を考慮し、ステロイド内服は3ヶ月以上の投薬ができないという特徴があります。そのため、急速に広範囲の毛が脱毛してしまったという方や、ステロイドの外用薬などほかの治療に効果がなかった場合に検討されることがほとんどです。ステロイド内服薬は成人のみで、未成年の服用はできません。

セファランチン

セファランチンはアレルギー反応を抑制する作用や、血流を促進する作用などがある治療薬です。セファランチンを用いた実験でも脱毛範囲が縮小したり、発毛の促進効果が認められたりしています。ですが、セファランチン単体で使用する場合は効果は弱いです。しかし、保険適用で使用ができるという点、診療実績が膨大で安全性も担保されているということから、他の治療と併用での治療が推奨されているお薬です。

円形脱毛症で使われる外用薬例

円形脱毛症で使用される外用薬、その中でも保険適用となる外用薬について解説していきます。

ステロイド外用

炎症や免疫機能を抑える効果があるお薬です。単発型の円形脱毛症と癒合をしていない多発型の円形脱毛症に対して行われる治療方法です。25%以上の毛髪再生が塗布した部分に見られており、日本でも推奨されている治療方法となります。また、脱毛している部分だけでなく今後脱毛を生じる可能性のある脱毛斑の周辺部分や痒み、違和感など脱毛の前駆症状がある部位にも塗布することができ、脱毛を未然に予防していくこともできるのではと考えられています。軟膏、クリーム、ローションとさまざまな基材があることも特徴です。副作用にニキビや毛包炎があります。外用薬は内服薬と違い、長期的な使用は可能です。しかし、長期使用により皮膚が萎縮したり、血管拡張をしたり、陥凹をする可能性があるため、効果が見られないという場合には使用し続けるのではなく新たな治療に移行することもあります。

フロジン液

フロジン液はカルプロニウム塩化物を使用しているお薬であり、円形脱毛症だけでなくすべてのタイプの脱毛症に使用されるお薬です。フロジン液単体で高い治療効果は期待されておらず十分な有益性も証明されていません。ですが、他の治療方法との併用でその治療単体よりも高い効果が期待されることから保険適用で使用できるお薬となるのです。しかし、全頭型など広範囲に脱毛をきたしている症例で、十分な発毛量を期待することが難しいため単発型や多発型の症例で行うことのできる治療方法となります。

投薬以外での治療方法

投薬以外で、脱毛症の治療はどのようなことができるのかをご紹介します。

紫外線照射治療

紫外線照射治療とは、ある特定の波長の紫外線を皮膚の病変部にあてて、治療をしていく方法で、PUVA 療法、エキシマライト、narrow-band UVB 療法などがあります。アトピー性皮膚炎の治療や尋常性乾癬の治療でも行われる治療方法です。2週間に1回~6回程度、数か月にわたって治療を行うのが一般的ですが、まだどのくらいの頻度で、どのくらいの照射が良いのかという明確な根拠が見つかっていないため、患者さんの経過を見ながら行われます。発毛効果に対して明確な根拠となる実験が行われていないものの、広い範囲の脱毛に対して、効果があったという報告もあるため、広範囲の脱毛の方に行われる傾向にあります。なお、この治療方法は保険適応となる治療です。

局所免疫療法

局所免疫療法とは、SADBE、DPCPといった特殊なお薬を脱毛部分に塗布してかぶれを引き起こすことで発毛を促す治療方法です。有効率は60%以上であり、難治例の円形脱毛症を含む現在最も有効な円形脱毛症の治療法となるため、他の治療でも効果が見られないという方、そして全頭型や多発型など重症例の方にはまず初めに行っていただく治療法です。年齢を問わずにできる治療方法なので、未成年などほかの薬が使えない重症例の円形脱毛症に対しても治療を行うことができます。まず初めは高めの濃度で薬剤を塗布して、炎症を引き起こし、その後は低濃度の薬剤を1~2回のペースで塗布をしていきます。さらに発毛が起こってからも約1ヶ月に1回程度はお薬を塗布する必要があるため頻回に医療機関に通うことが必要です。かぶれを引き起こすため、かゆみや赤みなどの症状が見られることが特徴です。この治療は保険適用外の治療法です。

冷却療法

冷却療法とは雪状炭酸または液体窒素を圧抵することで、脱毛部分に低温やけどを引き起こし、発毛をさせるという方法です。脱毛範囲が縮小するという弱い根拠が出されているものの、最近では液体窒素をスプレーで脱毛部に噴霧すると、約 6 割の患者さんで効果が認められたと報告もあります。発毛効果や有用性についての根拠が不十分ではありますが、簡便に行うことができて副作用も少ないという点から、他の治療と併用して行うこともあります。しかし、この治療は保険適用外となります。

円形脱毛症の疑いがあれば皮膚科へ相談

円形脱毛症の治療には保険適用のものから保険適用外のものまで幅広くあります。どの治療をすればよいのかは医療機関を受診して自分の脱毛の状態を充分に把握しなければ選択できません。市販されている薬剤もありますが、それでさえ、自分の脱毛に効果があるとは限りません。そのため、円形脱毛症の疑いがあればまずは医療機関を受診して医師の診察を受けることをおすすめします。

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。