脂漏性皮膚炎とは|麻布十番のMBクリニック皮膚科

脂漏性皮膚炎の概要

まずは脂漏性皮膚炎がどういった病気なのか、その過程についてご紹介します。

フケや赤い発疹ができる

脂漏性皮膚炎とは、皮脂が過剰に分泌されて、皮膚に存在する常在菌であるマラセチアMalassezia属の真菌が皮脂を分解することにより、皮膚が炎症を起こす病気のことを言います。主に生後3か月の乳児と10代の人、30~70歳の方に起こりやすく、特に男性に起こる傾向に多いことが特徴です。症状として、脂ぎったうろこ状のかさつきが見られ、それがポロポロとフケとなって落ちていきます。また、症状の出ている部分には赤い発疹が見られます。この2つの症状が脂漏性皮膚炎の特徴的な症状といえるでしょう。

頭皮・鼻・頬・耳の後ろにできる

脂漏性皮膚炎が起こりやすいのは頭皮や鼻、頬、耳の中や後ろなど皮脂の分泌が活発な部位出現することが多くなります。皮脂の分泌が活発な部分にできやすいため、顔以外にも胸部やわき、背中の中央部分にできることもあります。
耳の中や後ろ、背部や頭部は目で見て確認がしにくいため、フケや皮膚の脱落が多くなってきたことを受けて初めて脂漏性皮膚炎に気づくということもあるようです。

かゆみを伴わないこともある

皮膚炎と聞くと、かゆみが症状として出現すると思われる方も多いかもしれません。ですが、脂漏性皮膚炎の場合かゆみを伴わないこともあります。頭皮の脂漏性皮膚炎の場合は痒みを伴うことが多いのですが、他の部位にできた場合にはかゆみを伴わないもしくは、かゆみが出てきたとしても軽度で済むことも多いです。

症状は一過性ではなく良くなったり悪くなったりしながら持続する場合がある

脂漏性皮膚炎の症状は一過性のものではありません。乳児期にできた脂漏性皮膚炎の場合は約半年ほどで自然に軽快します。ですが、成人になってから発症した脂漏性皮膚炎の場合は、慢性になることが特徴で、いつ完治するかわからないくらい長く続いてしまうこともあるようです。また、一旦完治したとしてもまた再発することも多く、治療が長期化してしまうことも特徴となります。

脂漏性皮膚炎の原因

脂漏性皮膚炎はなぜ起こってしまうのでしょうか。その原因について解説していきます。

カビ菌の一種が関与している可能性

脂漏性皮膚炎が起こる可能性として最も考えられている原因はカビの一種であるマラセチア菌の関与です。マラセチア菌は皮膚の常在細菌といい、病気の有無関係なく常に皮膚に存在している菌です。マラセチア菌は皮脂を栄養として増殖していく菌ですので、皮脂の分泌量が増えるとその皮脂を餌にして増殖し、その際に皮脂を分解してリパーゼという遊離脂肪酸を生じさせます。このリパーゼが皮膚を刺激するため炎症を起こして脂漏性皮膚炎を発症すると考えられています。

皮質代謝の異常も可能性のひとつ

マラセチア菌の増殖と同様に脂漏性皮膚炎の原因として考えられているのが皮脂代謝の異常です。マラセチア菌の増殖も関係しているのですが、これに加えて皮脂の分泌量が増加したことによって皮膚のターンオーバーが乱れ、フケの量が増えてしまうことも考えられているのです。増えた皮脂を餌にさらにマラセチア菌が増殖していき、脂漏性皮膚炎が悪化するという負のサイクルを繰り返してしまう原因となると言えるでしょう。

結局のところ明確な原因は不明

これまで紹介した原因はあくまで脂漏性皮膚炎の原因となっている可能性として考えられているものであり、脂漏性皮膚炎の明確な原因が分かっていません。脂漏性皮膚炎の原因には内因性と外因性の2つがあると考えられています。内因性のものとしては、遺伝的な素因、内分泌的な影響、皮脂腺の分泌異常、ストレスなどが考えられています。外因性のものは気候や栄養、スキンケア、薬剤の影響などが考えられます。栄養についてはビタミンB群の摂取不足や脂っぽい食事の過剰摂取が関係しているのです。また、エイズの患者さんの約85%に脂漏性皮膚炎が発症するといわれており、免疫機能の低下も関係していると考えられています。これらの原因によって皮脂の分泌が増えることで、先ほどもご紹介したマラセチア菌が増殖し、脂漏性皮膚炎となってしまうことが考えられているのです。

脂漏性皮膚炎の治療方法

脂漏性皮膚炎の治療はどのように治療を行っていくのかその方法について解説していきます。

基本的には外用薬を活用

脂漏性皮膚炎の治療の基本は外用薬です。主に炎症を抑える効果のあるステロイド外用剤と脂漏性皮膚炎の原因となるマラセチア菌の増殖を抑える効果のある抗真菌剤の2種類の薬が使われます。炎症が強いという場合にはステロイド外用剤を弱いものから使い始めていき、その状態に合わせてどんどん強さを変えていきます。とある研究の報告によると、ステロイド外用剤の場合、炎症をしっかりと抑えてくれる一方で1ヶ月以内の再発率が高いことが特徴です。一方、抗真菌薬の外用剤はマラセチア菌が陽性であれば約80%の方に有効で、1ヶ月以内の再発率が低いということも特徴です。ステロイドは長期間使用することによる副作用が生じる可能性が考えられているため、長期使用をなるべく抑えてきたいところですが、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すため、その時の症状に応じたステロイド剤の外用を長期的に使用する場合もあります。もちろん症状が改善してきた時点で、ステロイド剤の使用を終了し、抗真菌薬のみで治療を継続していきます。しかし、現実的には、かゆみや赤み、フケがでたり消えたりを繰り返すため弱いステロイド外用剤を使いながら治療を続けていくことが多いです。頭皮は髪の毛がありお薬がしっかりと浸透しにくいということも考慮し、ローションタイプのお薬が使用されます。

かゆみが強い場合は抗ヒスタミン剤も活用

外用剤を使用してもかゆみが治まらないという場合には抗アレルギー剤の一種である抗ヒスタミン剤というお薬を使用します。このお薬にはかゆみを抑える効果があるため、先ほどご紹介したお薬を塗りつつ、抗ヒスタミン剤を内服していきます。ですが、抗ヒスタミン剤はあくまでかゆみを抑えるのみであり、脂漏性皮膚炎の根本的な治療にはなりません。そのため、かゆみを軽減させる補助的な目的で使用され、かゆみが消失したタイミングで服用を終了します。

気になるフケの症状が続く場合は皮膚科へ相談

最近フケの量が増えてきた、顔を見たら赤くなっていてそこからフケが出てきているという場合には、脂漏性皮膚炎の可能性が考えられます。脂漏性皮膚炎の治療は長期化することが考えられているため、早い段階からコツコツと治療をしていくことが望ましいでしょう。また、アトピー性皮膚炎や乾癬など脂漏性皮膚炎と症状が似ている皮膚疾患も多く存在しており、自己判断で脂漏性皮膚炎のケアをしていてもこれらの病気であった場合には脂漏性皮膚炎が改善しないということもあり得ます。まずは医療機関を受診して自分の症状が脂漏性皮膚炎によって起こっているものかどうかを判断してもらいましょう。そのうえで、適切な治療を受けて、脂漏性皮膚炎を早めに改善していきましょう。

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。