脂漏性皮膚炎とスキンケア|麻布十番のMBクリニック皮膚科

脂漏性皮膚炎の正しいスキンケア

脂漏性皮膚炎を改善するためには正しいスキンケアを行うことが望ましいと言えます。脂漏性皮膚炎の正しいスキンケア方法について解説していきます。

汚れをやさしく取り除く洗顔・洗髪

脂漏性皮膚炎の改善だけでなく、予防や悪化を防ぐためにも大切なのが洗うという行為です。脂漏性皮膚炎を予防するためにも洗顔や洗髪は正しい方法で行いましょう。洗顔であれば1日2回程度、洗髪であれば1日1回程度行いましょう。これ以上の回数行ってしまうと逆に必要な皮脂まで取り除いてしまうことになりますので、洗いすぎには注意が必要です。
洗顔料は、洗浄面や肌の柔軟効果、消炎効果や殺菌効果、保湿効果を兼ね備えていると考えられているアミノ酸系の弱酸性タイプを使用されることをおすすめします。ごしごしとこすって汚れを落とそうとせずに、たっぷりと泡をたててやさしく、肌の上で泡を転がすようなイメージで洗顔をします。洗顔の際のお湯の温度は脂漏性皮膚炎の場合、皮脂が溶けだすとされている38℃程度のぬるま湯で洗顔するのがおすすめです。
洗髪の場合、頭皮に爪をたてないようにして、髪を撫でるように優しく洗っていきましょう。また、シャンプー剤やリンス剤が頭皮に残ってしまうとその刺激で炎症を引き起こす可能性もあるので、しっかりとシャンプー剤などを洗い流してください。
シャンプーをする前には汗やほこりといった汚れをぬるま湯で洗い流します。皮脂が多く分泌されると考えられる前頭部や頭頂部を重点的にマッサージをするように洗いましょう。脂漏性皮膚炎が頭皮にあるという方は、抗真菌成分の入ったシャンプーを使用することによって症状が改善される方もいらっしゃいます。しかし、すべての方に効果があるというわけではありません。

たっぷりと保湿をする

しっかりと洗い終わったら清潔なタオルでこすらないように押さえ拭きをして、保湿を行います。皮脂が過剰に分泌されているということはその下の肌は水分が不足しており、その水分不足から肌を守るために皮脂の分泌量が多くなっていることも考えらえます。ですので、特にしっかりと保湿をしていくことが必要です。
保湿性、柔軟効果、消炎効果、収斂効果などの機能を持った化粧水があればそういったものを使ってみても良いでしょう。

処方された外用薬の用法を守って使う

肌を清潔にし、保湿をして肌を整えたら次は処方された外用薬を使用していきましょう。外用薬を使用する際には、たっぷりと使用したからといって高い効果が得られるわけではありません。そのため、用法、用量を守って正しく使用していきましょう。お薬は容器から直接塗布するのではなく一度手に取ってから塗布をしてください。また、手で直接塗るので、手は良く洗って清潔な状態にしてからお薬を使うことをおすすめします。

脂漏性皮膚炎のNGなスキンケア

脂漏性皮膚炎の正しいスキンケアについて解説しましたが次は、NGなスキンケアについて解説していきます。

油分が多い製品によるスキンケアは注意

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌量が多いことが原因と考えられています。それだけでなく、皮脂など油分が増えるとその油分を餌にしてマラセチア菌が増殖してしまいます。このマラセチア菌も脂漏性皮膚炎の原因と考えられているものです。そのため、油分の多いスキンケア商品の使用は脂漏性皮膚炎を悪化させる可能性があるので使用を控えましょう。
ですが、保湿化粧水のみでスキンケアを終わらせてしまうと、皮膚の水分が蒸発し乾燥を招き、皮脂の分泌量が増えてしまう可能性もあります。ですので、オイルよりも水分量が多いクリームを使用するとよいでしょう。

ピーリングなど刺激が多いスキンケアは注意

ピーリングとは皮膚に化学薬品を塗布して皮膚を剥がすことによって起こりうる現象や効果を利用するのですが、このケアは皮膚に対してはかなりの刺激となりますので、脂漏性皮膚炎で肌に炎症をきたしている時の使用は控えたほうがいいでしょう。
また、ピーリングなどによって鱗屑やかさぶたをはがしてしまうと、まだその下の皮膚は十分に再生がされていないため、皮膚にダメージを加えてしまう可能性もあります。
ケミカルピーリングなどピーリングの処置を受けなくても洗顔料や化粧水などにピーリング効果のある成分が含まれていることがあります。ピーリング効果を謳う化粧品の使用は控えておきましょう。

脂漏性皮膚炎の主な原因

それではなぜ、脂漏性皮膚炎となってしまうのかその原因について解説していきます。

マラセチア菌の増殖

脂漏性皮膚炎の原因として最も考えられているのが、皮膚の常在細菌であるマラセチア菌の関与です。マラセチア菌は一定の数が皮膚に存在している分には特に何か問題を起こすということはありません。ですが、マラセチア菌は皮脂を栄養として増殖していく菌ですので、皮脂の分泌量が増えるとその皮脂を餌にして増殖していきます。マラセチア菌はリパーゼという遊離脂肪酸を生じさせて皮脂を分解するのですが、このリパーゼが炎症反応を引き起こすことによって脂漏性皮膚炎が発症すると考えられています。マラセチア菌が増殖していけばマラセチア菌がリパーゼを生じさせる量も増えるため、脂漏性皮膚炎となると考えられているのです。

生活習慣の乱れ

先ほどもご紹介したように脂漏性皮膚炎はマラセチアが発生させるリパーゼによって発症すると考えられていますが、このマラセチア菌が増殖する原因となるのが皮脂の増加です。皮脂の増加には生活習慣の乱れが関係すると考えられています。皮脂の増加と最も関係するとしているのが食生活の乱れです。脂質の多い食事を過剰に摂ることで、代謝しきれなかった脂質が皮脂として毛穴から分泌されてしまいます。また、脂質の多いものばかり食べてビタミン類、特に脂質の代謝に作用するビタミンB群の摂取が少なくなると皮脂の分泌量が増えてしまいます。他にも、睡眠不足やストレスも関係していると考えられています。

治りが感じられない肌トラブルは皮膚科に相談

セルフケアで肌のケアをしていたのに肌のトラブルが改善しない、悪化している気がするという方は、まずは皮膚科に相談しましょう。脂漏性皮膚炎もただの湿疹などほかの皮膚の病気と症状が似ているので間違われやすいものです。自己判断で不要な治療をしていると症状が悪化する可能性もあります。
丁寧な洗顔や生活習慣を整えていっても肌の調子が悪い、症状が悪化している気がするという方は皮膚の専門家である皮膚科医へご相談ください。

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。