毎日の正しい洗顔でニキビ予防|MBC麻布十番(皮膚科)
ニキビを防ぐ洗顔方法
ニキビを防ぐためには正しい方法で洗顔をすることが重要です。まずはニキビを予防するための正しい洗顔方法をご紹介します。
ハンドソープで手を清潔にする
洗顔をする前にはまず、ハンドソープで手をよく洗って手を清潔にしておきましょう。手に何も汚れがついていないとしても、手には目に見えない雑菌がたくさんついています。ですので、まずはハンドソープで手を洗い、清潔にしましょう。たまに、洗顔料でそのまま手を洗ってしまうという方もいらっしゃるようですが、同じ皮膚でも顔と手は皮膚の厚さが異なることもあり成分が微妙に異なることもありますので、手洗いはハンドソープ、洗顔は洗顔料を使用するようにしてください。
洗顔料をつける前にぬるま湯で汚れを軽く落とす
洗顔料をつける前にまずは、ぬるま湯で顔を洗い、汚れを軽く落としていきましょう。ぬるま湯だけで先に洗顔をすることで、肌についているホコリや汚れを落としていきます。
また、洗顔料の多くは、もっとも肌に優しく汚れが落とせるのは、水で薄めて泡立てて使った時であるようにつくられています。ぬるま湯などで顔を先に洗わずに直接洗顔料を肌につけてしまうと、洗浄成分が非常に濃厚な状態となりますので、顔の皮膚が薄い部分的に対して刺激となったり、洗顔料をのばして泡立てるときに肌をこすることになったりしてしまいます。この洗い方によっては肌への負担になることもあるため、まずはぬるま湯でしっかりと顔を濡らしてください。
洗顔料をよく泡立てる
次に洗顔料をよく泡立てていきます。とある企業の研究によると、洗顔料の泡を、粗い泡からきめ細かい泡質に変えることで、洗浄性を高めることができるということが分かっています。そのため、クリーミーで濃密なきめの細かい泡を作っていくことが必要です。また、洗浄成分は泡と泡の間に保持されることが分かっており、きめの細かい泡であればあるほど、洗浄成分を保持し、低刺激でしっかり落とすということを実現させてくれます。
泡の細やかさは気相率が84%程度であるとちょうどよいとされています。この84%は泡立てネットを活用して空気を含みながら十分に泡立てていくとこの割合に近づきます。ですので、洗顔料を泡立てる際には泡立てネットを活用してみてください。泡立てネットを持っていない、自分で泡立てネットを用いて細かい泡を作る自信がないという方は高密度な泡が作れるポンプ式の洗顔料を活用されるのも良いでしょう。
Tゾーン・Uゾーンの順番に洗う
たっぷりと泡立てたら、いよいよ顔に泡をのせて洗っていきます。顔を洗う際にはおでこと鼻の部分である、いわゆるTゾーンから先に洗い、その次に頬から顎にかけてのUゾーンを洗うことがおすすめです。
Tゾーンは皮脂腺が発達している部位であるため、皮脂の分泌量が多く、頭皮の次に多い部分であるとしています。そのため、まずは、皮脂の分泌量が多いTゾーンの皮脂をしっかりと洗うようにしていきましょう。Uゾーンは皮脂の分泌量が少なく乾燥しやすい部分でもあります。それに加えて、加齢によって新陳代謝が衰えることで、肌の弾力やはりが失われていきますが、この影響を真っ先に受ける部分になります。男性においてはひげをそるため角質層を痛めやすく乾燥をさせやすい部分になるのです。そのため、作りたての洗浄力の高い泡で皮脂の分泌量が多いTゾーンを洗い、そのあとに乾燥しやすいUゾーンを洗うという順番が肌にとって負担をかけない順番になるのです。
髪の生え際や顎などすすぎ残しを無いようにすすぐ
しっかりと洗顔することができたらいよいよすすぎです。すすぎの際にもぬるま湯を使い、髪の生え際や顎などの部分のすすぎ残しに注意してすすいでいきましょう。
髪の生え際や顎の泡をすすぎ残してしまうことで、ニキビを作る原因になってしまいます。すすぎについては、1分程度行うとよいという考え方もあります。ですが、時間にこだわらずにしっかりとすすげたと思うまで繰り返しすすぎを行ってみてください。もう十分すすげたかなと思ったら最後にもう一度、生え際、こめかみ、小鼻の脇、耳の前、耳の下から顎にかけてのすすぎ残しやすい部分をすすいでから終わりにするように習慣づけても良いでしょう。
清潔なタオルでやさしく水分を拭き取る
十分なすすぎが終わったら清潔なタオルで拭きましょう。タオルが汚れていたり、雑菌が繁殖していたりすればせっかくきれいに顔を洗ったのにまた顔を汚してしまうことになります。洗顔後は清潔な柔らかいタオルで拭くようにしましょう。
また、タオルでの拭き方にもポイントがあります。タオルでごしごしと顔を拭いてしまうとその摩擦が皮膚を傷め、肌荒れなどを起こす原因となってしまいます。タオルで拭くときはこすらないように水気をふき取る程度にタオルを顔の上から抑えるように当てて拭くようにしましょう。
ニキビを悪化させる良くない洗顔習慣
次にニキビを悪化させてしまう良くない洗顔の習慣についてご紹介します。もしも、この洗顔を習慣的に行っていた場合は、治していくことがおすすめです。
刺激の強い熱いお湯・冷たい水による洗顔
冷え性で手が冷たくなるからと熱いお湯で洗顔をしていたり、逆に夏は暑くてさっぱりしたいからと冷たい水で洗顔をされたりする方もいらっしゃるかもしれませんが、これは両方ともよくない洗顔習慣です。冷たい水の場合は油性の汚れが落ちにくいため例えばクレンジング剤や洗顔料が肌に残ったままになる可能性があり、ニキビを作り出す原因になってしまうことがあります。逆に熱いお湯では必要な皮脂も洗い流してしまうので皮膚の乾燥を招いたり、皮膚を傷める原因となったりしてしまいます。
洗顔の温度は32度程度、洗顔料やクレンジングなど油性のものを使用している場合には36度程度がベストとしています。32度では酸化した皮脂は洗い流せるのですが、油性の成分を洗い流すことができません。ですが、37度を超えると必要な皮脂やセラミドやNMFといった保湿成分が落ちてしまうので、32~36度程度が洗顔をする上での適温になるのです。
直接シャワーを当てることよるニキビへの刺激
入浴をしながら洗顔をされる方は、直接顔にシャワーを当ててしまうこともあるかもしれません。ですがこれもよくない洗顔習慣です。シャワーの温度は、本来ほとんどの方が浴びていて気持ちの良い温度に設定しているので、先ほどご紹介した洗顔にとってのベストな温度より少し高めに設定されています。また、顔の皮膚は全身でも薄い部分となるため、シャワーの水圧によって肌を傷めて皮脂の分泌量を増やす原因にもなりうるのです。シャワーのお湯を手に取って洗顔をされるとよいでしょう。最近では、洗顔にも利用できるミストタイプや水圧の弱いシャワーヘッドも販売されていますが、これも利用の説明証をよく読み、洗顔に使用できるかどうかを確認してみてください。
洗顔料の使いすぎ
しっかりとした洗浄効果を期待して洗顔料をたっぷりと使うというのもよくない洗顔習慣になります。洗顔料は適正な量を適切な方法で使用したことによって効果が出るように作られています。ですので、たっぷり使用すればよいというわけではありません。また、洗顔料を使いすぎることで肌に刺激となってしまいます。洗顔料は、説明に記載されている正しい量を使用してください。
ニキビを防ぐバスタイム洗顔のタイミング
夜の洗顔は入浴の時に行っているという方に向けて、ニキビを防ぐことができるバスタイムの洗顔のタイミングについて解説していきます。
お風呂から上がる直前にクレンジングと洗顔を行う
洗顔はバスタイムの中でも1番最後に行いましょう。洗顔後は、皮脂膜や天然の保湿因子であるNMFが洗い流されてしまっているので皮膚のバリア機能が弱まっており、乾燥しやすい状態になっています。そのため洗顔後はなるべく早く保湿を行うようにすることが望ましいです。ですので、お風呂からあがるタイミングでクレンジングと洗顔は行いましょう。
ポイント1毛穴をひらくためにお湯につかる
忙しくてシャワーで済ましてしまうという方も多いかと思いますが、ニキビの予防のためには、入浴をしてから洗顔をされることおすすめします。入浴をして毛穴を開くことで毛穴に詰まった皮脂を落とすこともできるからです。ですが、入浴時に毛穴が開いているからと自分の指で皮脂を押し出そうとするようなことは避けてください。
また、毛穴が開いているからこそ洗顔料はしっかりと洗い流し、最後には保湿をして毛穴を引き締めるケアも忘れないようにしましょう。
ポイント2お風呂から上がるまでの時間による乾燥を防ぐ
先ほどもご紹介したように、洗顔後は、皮脂膜や天然の保湿因子であるNMFが洗い流されてしまっているので皮膚のバリア機能が弱まっており、乾燥しやすい状態になっています。
そのため、洗顔はお風呂から上がる前に行い、上がったらすぐに保湿をして乾燥を防いでいきましょう。
ニキビを防ぐための保湿ケアの方法
しっかりと洗顔ができたならば、正しく保湿をしていくことも重要です。ニキビを防ぐための正しい保湿ケアの方法について解説していきます。
化粧水・乳液・クリームの順につける
洗顔が終わったら、化粧水、乳液、クリームの順でつけていきましょう。洗顔後の肌は皮脂などを洗い流してしまっており、皮膚のバリア機能が失われ乾燥した状態となっています。そのため、まずは化粧水を使用して肌に潤いを補給しましょう。肌をしっかりと潤わせたら、乳液やクリームを使用して肌に入れ込んだ水分が外に逃げ出してしまわないようにふたをします。乳液やクリームを先につけてしまうと化粧水が肌に浸透せず肌の乾燥状態が続いてしまうため、先に化粧水をつけてください。
角層への水分をおぎなう化粧水
化粧水は肌を整える効果が期待され、美容成分を肌に届ける効果があります。また、角質層を水分で満たすことで肌が整い、乳液や美容液の成分が浸透しやすくなります。化粧水をつけるときにはコットンを使われる方や手を使われる方がいらっしゃるかもしれませんが、どちらでつけても効果に変わりはありません。ですが、手の方が軟らかいことや細かいところにまで化粧水をつけられるため、手で化粧水をつけられることをおすすめしています。
角層の水分を維持する乳液
乳液には肌の水分蒸発を防ぐ効果があります。そのため、化粧水をつけた後に乳液をつけることで、角層の水分を維持することができます。乳液はクリームよりも水分量が多いので、顔全体に広がりやすく、成分が浸透しやすいという特徴があります。
水分の蒸発を防ぐクリーム
クリームはうるおい成分のひとつで、バリア機能を保つエモリエント成分を高くもっています。乳液とクリーム、どちらか一つを使っていればよいのではと思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、バリア機能を保持するという観点から乳液を使用していたとしても、お肌に合うクリームも併用して使って乾燥を防ぐことがおすすめです。
監修医師
立花 義浩
- 資格
- 精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
- 経歴
- 北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。
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