診療科目

お体に関する診療科目一覧

アトピーに悩んでる

かゆみのある湿疹が、特定の場所に繰り返し生じて慢性化します。(乳児では2か月以上、その他では6ヶ月以上)アトピー性皮膚炎には個人差がありますが、顔や耳、首周り、わきの下、肘や膝の内側、ももの付け根などにかゆみのある湿疹が生じ、症状を繰り返します。アトピー性皮膚炎の原因は非常に複雑です。皮膚が乾燥しやすい素因、遺伝的にアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)をもつ人がなりやすく、湿疹を生じさせる原因として、ダニなどのアレルギー的な因子だけではなく、汗や乾燥、掻くことによる刺激などがあります。

保険による診療

  • 皮膚の炎症を抑える薬:ステロイド外用療法、タクロリムス水和物軟膏療法
  • 皮膚のバリア機能を維持する薬:保湿剤(ワセリン、ヘパリン類似物質製剤、尿素製剤等)
  • 皮膚の痒みを改善する薬:抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤内服
  • 紫外線療法 エキシマライト 308nmの波長をもつ紫外線が効果的

手荒れがひどい状態

手あれは、とくに主婦、美容師、飲食店員、銀行員などにみられる病気です。
水仕事をしたり、紙幣をよく扱ったりするために、繰り返し指先に刺激が加わって起こるものと考えられています。
主にきき手の親指、人差し指、中指の指先から発症し、皮膚科が乾燥して剥がれ落ち、さらに硬くなってひび割れたり、指紋がなくなるなどの症状がみられます。
そして、ひどくなると両手のひら全体にまで広がってしまいます。
一般にアトピー素因を持つ人に多くみられ、冬にひどくなりますが、夏にはよくなることが多いようです。

保険による診療

  1. 外用ステロイド剤
  2. 亀裂が痛い 亜鉛化軟膏処置、各種テープ剤を貼り付ける
  3. 痒みが強い場合 抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤
  4. ハンドクリーム(ウレパール、ケラチナミン、ヒルドイドソフトなどを塗布)

手や足のいぼが気になる

老化により生じるいぼであり、老人性色素班から発症することもあります。20代から出現し、80歳以上の高齢者ではほぼ全員に認められます。
顔面や頭部、体幹などに平らな盛り上がりのあるできものとして出現し、直径は0.5cm~2cm程度までで、色は褐色から黒褐色まで様々です。
悪性化することはありませんが、時々痒みの原因となることがあります。

脂漏性角化症の治療は、保険診療が適応となり、いぼ等冷凍凝固法の治療が第1選択となります。

帯状疱疹

身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気です。
この症状に由来して「帯状疱疹」という病名がつけられました。
帯状疱疹は、身体の中に潜んでいたヘルペスウイルスの一種、水痘・帯状疱疹ウイルスによっておこります。
水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
加齢やストレス、過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。
通常、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、その後もぴりぴりするような痛みが持続することがあります。
これを帯状疱疹後神経痛といいます。
これは急性期の炎症によって強い損傷が生じたことによっておこります。
高齢者、皮膚症状が重症、夜も眠れないほどの強い痛みがある方は、帯状疱疹後神経痛が残る可能性が高いため、注意が必要です。

保険による診療

  1. 抗ヘルペスウイルス薬
  2. 痛みが強い 消炎鎮痛剤など
  3. 帯状疱疹後疼痛には鎮痛薬、抗うつ薬など

とびひ(伝染性膿痂疹)

「とびひ」の正式な病名は「伝染性膿疹痂」といいます。
細菌が皮膚に感染することで発症し、人にうつる病気です。
掻きむしった手を介して、水ぶくれ(水疱)があっという間に全身へ広がる様子が、家事の火の粉が飛び火することに似ているため、「とびひ」とよばれています。
虫刺されや汗もを掻いたり、小さなケガでできた皮膚の傷に細菌が入り込み、感染することで発症します。
とびひには水ぶくれができるもの(水疱性膿痂疹)とかさぶたができるもの(痂皮性膿痂疹)の2種類があり、それぞれの特徴は次のとおりです。
アトピー性皮膚炎の患者さんは皮膚のバリア機能が低下しており、とびひにかかりやすいので注意が必要です。

■水疱性膿痂疹{水ぶくれができるもの}

皮膚にできた水ぶくれが、だんだん膿をもつようになり、やがて破れると皮膚がめくれてただれてしまいます。
かゆみがあり、そこを掻いた手で身体の他の部分を触ると、症状があちこちに広がってしまいます。
とびひの多くはこのタイプで、黄色ブドウ球菌が原因です。

■痂皮性膿痂疹{かさぶたができるもの}

皮膚の一部に膿をもった膿疱ができ、厚いかさぶたになります。
炎症が強く、リンパ節が腫れたり、発熱やのどの痛みを伴うこともあります。
主に化膿レンサ球菌が原因となりますが、黄色ブドウ球菌も同時に感染していることが多いです。

保険による診療

  1. 抗菌薬(飲み薬、塗り薬)
  2. 痒みが強いとき 抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬
  3. 炎症を抑え、患部を保護する 亜鉛化軟膏など

じんましん

じんましんは、突然、赤み(赤斑)をもった小さな皮膚のふくらみ(膨疹)ができる病気です。
このふくらみは、いつの間にか消えるのですが、別の場所に現れてはまた消えることを繰り返します。
また、ムズムズするかゆみをもつことが多いので、症状が長引く患者さんにとってはつらい病気です。
じんましんの症状は、主にヒスタミンとよばれる物質によりおこります。
なんらかの刺激で肥満細胞という細胞からヒスタミンが放出されると、血管に作用して皮膚のふくらみや赤みを神経に作用してかゆみをおこします。
じんましんは、症状の続く期間によって急性と慢性に分けられます。

■急性じんましん{症状が1カ月以内に治まるもの}

急性じんましんの原因として ①感染症(ウイルス、細菌感染など)
歯科領域の要因 歯槽膿漏、虫歯、歯肉炎など慢性の歯科感染症
マイコプラズマの関与
ウイルスの関与 伝染性紅斑の原因となるウイルスなど
②食べ物の関与
魚介類のほか、種々の添加物も原因として疑うべき
③薬剤性
薬剤で生じることもあり、服用歴を確認

■慢性じんましん{症状が1カ月以上続くもの}

夕方~夜間に症状が出て、悪化することが多い。
治療には数週間~数ヵ月月以上かかることが多い。
皮膚科疾患だけでなく内臓疾患も考慮します。
じんましんは4~5人に1人が一生のうち一度は経験するといわれています。
そのうち7割以上の患者さんは、自発的に症状があらわれる「特発性じんましん」です。
なぜ特発性じんましんになるのかはまだよく分かっていません。

保険による診療

  1. 抗ヒスタミン薬内服など

尋常性乾癬

日本人300人に1人が罹患し、全世界で一億人程度と言われています。
皮膚が赤くなって盛り上がり、表面が乾燥したような状態になり、その一部分がぼろぼろと剥がれ落ちます。
尋常性乾癬は年々増加傾向にあります。症状は体の中でもよくこすれる部位である肘や膝頭、頭などの皮膚で、境界が比較的明瞭に赤く隆起し、表面が乾燥したような状態になって剥がれ落ち、時に痒みをともないます。原因は解明されていませんが、決して伝染するものではなく、遺伝的な素因とストレスなどの環境要因によるものと言われています。青壮年期に発症することが多い疾患です。
多くは20年~30年と経過が長く、上手につきあっていく必要があります。

保険による診療

外用療法 ビタミンD3軟膏単独
ステロイドとビタミンD3の混合軟膏
内服 痒みがある場合は抗ヒスタミン薬内服を併用
レチノイド(ビタミンA誘導体)
シクロスポリン(免疫抑制剤)
アプレミラスト(商品名:オテズラ)
注射 生物学的製剤
紫外線療法 エキシマライト 尋常性乾癬に対しての切り札的な治療

尋常性白斑

皮膚の色が部分的に抜けて白くなります。
尋常性白斑は境界の比較的明瞭な白い斑点が全身の各所に生じます。円形に近いものから不規則な地図状を示すものまであり、体毛のある部分に発生すると、その部分の体毛も白くなります。大きく分けて、全身に症状があらわれるものか(非分節型)、神経に沿ってあらわれるもの(分節型)、部分的にあらわれるもの(限局型)の3つのタイプがあります。
原因は何らかの引き金により免疫細胞が自分自身の色素細胞(メラノサイト)を攻撃し、色素細胞の機能が障害されてしまうために色が抜けてしまうのではないかと考えられています。甲状腺機能異常、Addison病、悪性貧血などの自己免疫疾患、糖尿病などを合併することがあるため、血液検査が必要なときがあります。

保険による診療

  • ステロイド外用療法
  • 免疫抑制剤(タクロリムス等)外用療法
  • 活性型ビタミンD3製剤外用療法など
  • 紫外線療法 エキシマライト 308nmの波長をもつ紫外線が効果的

掌蹠膿疱症

手のひらや足の裏に赤くカサカサとした皮疹があり、その中に小さな無菌性膿疱を生じます。白く膿がたまった膿疱と呼ばれる小さな皮疹が、手のひらや足の裏に数多く現れる病気です。かゆみを伴うこともあり、周期的に良くなったり悪くなったりを繰り返します。伝染することはありません。原因は解明されていませんが、細菌感染や喫煙、歯科金属に対するアレルギーが引き金となることがあるようです。
鎖骨や頚椎の関節炎を伴うことがあります。

保険による診療

  • ステロイド外用(数ヶ月間~数年間の長期使用)
  • 角化が顕著な場合 活性型ビタミンD3(数ヶ月間~数年間の長期使用)
  • 亀裂などを伴い、疼痛のある場合 ドレニゾンテープなどのステロイドテープ
  • ビタミンH製剤(ビオチン)の内服
  • 抗菌薬内服
  • エキシマライト