色素性母斑(ホクロ)

色素性母斑(ホクロ)とは?

色素性母斑はホクロのことで、一般的には大小さまざまで平坦なものから盛り上がったもの、黒いものから茶色(褐色)のものまであり、生まれつきからあるものやあとで出現することもあります。生まれつき皮膚のかなりの部分に色素性母斑がひろがっている場合には、巨大色素性母斑と呼ばれることもあります。

色素性母斑(ホクロ)の原因

正確な原因はわかっていませんが、遺伝や体質が関与しているとされています。

色素性母斑(ホクロ)の症状

症状としては、盛り上がったもの、平らなもの、毛が生えているものなど、さまざまな形があり、ほとんどが1~3mm程度の大きさです。
稀にゆっくりと大きくなることがあります。

色素性母斑(ホクロ)の治療法

治療方針を決める際は良性か悪性を鑑別することです。肉眼のみでは良性と悪性の鑑別は難しいため、拡大鏡を使い診断します。良性の場合は手術やレーザーで治療を行います。
しかし、悪性化の心配がある場合はくり抜いた組織を病理検査します。
くり抜いたあとは縫合せず、傷が自然に治るまで約2週間軟膏治療を行い、治った直後は赤みのある傷跡になりますが、徐々に色が薄れ数か月経てば目立ちにくくなります。

手術

皮膚を紡錘形に切除し、色素性母斑を取り除き、手術後1週間で抜糸を行います。
手術時間は5~20分程度で保険適用の治療法です。手術後に再発することはほとんどありません。

ホクロの3倍ほどの大きさのキズ痕になります(形成外科の手技を用いて最大限丁寧に縫合します)

ホクロと皮膚がん(悪性黒色腫)の違い

ホクロのように見えても、稀に皮膚がん(悪性黒色腫)の場合があります。以下のような変化がある場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

受診目安(ABCDEルール)

  • A(Asymmetry:非対称性)
    形が左右対称でなく、いびつになっている
  • B(Border:境界)
    境界がギザギザしてはっきりしない
  • C(Color:色調)
    黒、茶、グレーなど色ムラがある
  • D(Diameter:直径)
    6mm以上の大きさがある
  • E(Evolving:進行)
    急に大きくなる、盛り上がる、出血する

これらの特徴がある場合は、悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性があります。
自己判断せず、必ず医師へご相談ください。

レーザー治療と手術の違い・選択基準

レーザー治療

  • 小さいホクロ、浅いホクロに適応
  • 傷跡が小さく、縫合の必要がない
  • 美容目的の場合は自費診療

手術切除

  • 大きいホクロや盛り上がりが強い場合
  • 悪性の可能性が否定できない場合
  • 保険適用になることが多い(病理検査目的含む)

どちらの治療法が適しているかは、ホクロの大きさや部位、深さによって異なります。
診察時に医師よりご説明いたします。

治療後の経過・ダウンタイム

レーザー治療後

  • かさぶたができ、1~2週間程度で剥がれる
  • 赤みは数週間残ることがあるが、徐々に目立たなくなる
  • メイクは翌日から可能(患部を避ける場合あり)

手術後

  • 抜糸まで約1週間(部位により異なる)
  • 傷跡は術後数ヶ月かけて徐々に薄くなる
  • 術後は一時的に赤みや硬さを感じることがあるが、半年~1年で目立ちにくくなる

再発リスク

レーザー治療は深部まで除去できない場合があり、再発する可能性があります。
一方、手術切除は根まで取り除くため、再発はほとんどありません。

ホクロ除去のタイミング(何歳から可能?)

ホクロ除去に年齢制限はなく、学生や成人前でも可能です。
ただし、成長により傷跡が広がる可能性があるため、部位や大きさによっては医師と相談し適切なタイミングで治療することをおすすめします。

よくある質問Q&A

ホクロは放置しても大丈夫ですか?

A. ほとんどのホクロは良性で放置しても問題ありませんが、変化がある場合は悪性の可能性があるため受診が必要です。

ホクロを取ると運勢が変わるって本当ですか?

A. 医学的根拠はありませんが、美容面や気持ちが前向きになるという意味で除去を希望される方は多くいらっしゃいます。

保険適用と自費の違いは?

A. 悪性の可能性がある場合は保険適用、美容目的の場合は自費診療となります。

ホクロ除去は痛いですか?

A. 局所麻酔を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。
麻酔注射時にチクッとした痛みはありますが短時間で終わります。