酒さとは?
酒さとは、顔などに赤み・火照りが長時間かつ繰り返し出現する慢性炎症性疾患のことです。とくにほほや額、鼻の周りやあご、首を中心に出現し、しばしばかゆみを伴うことがあるほか、悪化したまま放置していると、鼻周辺が腫れあがって鼻瘤(団子鼻)を形成することがあります。
30代以降の人が発症しやすい傾向にあります。
酒さは4つの期間によって臨床像が区別されています。
酒さ前駆期
血管期
炎症期
進行期
酒さ前駆期
ほほと鼻の皮膚が紅潮します。紫外線や寒暖差、飲酒などの外的刺激や精神的ストレスなどを受けて赤みは数時間~数日間持続して見られます。
血管期
皮膚が赤く腫れあがったようになり、毛細血管拡張により皮膚の下の細い血管がよく見えます。
炎症期
ニキビのような小さなポツポツができ、膿疱を形成することが数週間ほど続きます。
進行期
鼻が赤く腫れ、周辺の皮膚が分厚くなります。症状が長引いているのをそのまま放置していると鼻瘤(団子鼻)を形成することがあります。
このほか、目の周りが腫れたり結膜炎、角膜炎を生じる眼型の酒さもあります。
酒さは、「ただの顔の赤み」と考えられやすいですが、他の症状と合併していたり、複合的な要因によって発症していたりすることがほとんどなので、全身性疾患としての背景を見据えたうえ診断・治療を考えることが大切です。