背中ニキビを早く治す方法は?背中のニキビの原因と治し方や治療法について
背中ニキビでお悩みの場合、自宅でのセルフケアで改善することもできますが、時間がかかってしまうケースも少なくありません。
今回は、背中ニキビにお悩みの方のために、背中ニキビの原因から治療方法、背中ニキビの予防策についてお話ししますので、ぜひ参考にしてください。
背中ニキビの原因とは?
繰り返す背中ニキビにお悩みの方も少なくありません。
背中ニキビは、何が原因でできてしまうのでしょうか?
ここでは、背中ニキビの主な原因4つについて詳しくお話しします。
皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり
実は、背中も顔と同様にニキビができやすい場所のひとつです。
それは、背中に多く集まっている皮脂腺が原因です。
皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されると、排出が追いつかずに、皮脂が毛穴に詰まってしまいます。
毛穴が詰まってしまっている状態が“白ニキビ”、皮脂が酸化して黒ずんでいる状態が黒ニキビです。
毛穴に詰まった皮脂を栄養源として、アクネ菌が増殖してしまうと、炎症段階の“赤ニキビ”となり、赤みや痛みを伴います。
さらに状態が悪化すると、赤ニキビが化膿して膿が溜まった“黄ニキビ”の状態となります。
黄ニキビになると、痒みや痛みを伴うので、注意が必要です。
衣類や下着による摩擦と蒸れ
背中は、衣類や下着に覆われており、手足に比べて汗をかきやすい場所です。
そのため、衣類の摩擦による刺激や蒸れによって、背中ニキビができてしまうことがあります。
肌が摩擦による刺激を頻繁に受けていると、肌のバリア機能が低下してしまうのです。
バリア機能が低下しているところに、さらに摩擦による刺激を与えることで、毛穴周りの角質が厚くなり、皮脂の排出ができずにニキビとなってしまいます。
また、蒸れによって、雑菌が繁殖しやすくなるのも、ニキビを引き起こす原因のひとつです。
衣類や下着による摩擦と蒸れによる背中ニキビを防ぐためには、肌に優しい通気性や吸水性に優れた素材の衣類や下着を選ぶと良いでしょう。
不適切なスキンケアや洗い残しによるもの
背中は、汗腺が多く、腕や脚に比べて汗をかきやすい場所です。
汗によって体温調節を行っており、汗をかくことは適切な体温を維持するための重要な生理的反応だといえます。
しかし、背中は顔や手などと比べて、気軽に洗浄したり、清潔に保つことは難しいですよね。
清潔にしたいという思いから、背中をゴシゴシと強く擦ってしまう人も多くいらっしゃいますが、その肌への摩擦が刺激となり、ニキビの原因となってしまう恐れもあるので、注意が必要です。
また体の洗い残しやボディソープ・石鹸・シャンプーなどのすすぎ残しも毛穴を塞ぎ、ニキビの原因となります。
背中を洗う時には、ボディソープや石鹸をしっかりと泡立てて、洗い残しがないように優しく洗いましょう。
最後には、すすぎ残しがないようにしっかりと洗い流してください。
マラセチア毛包炎といったそのほかの要因
背中ニキビは、「毛包炎(もうほうえん)」という皮膚の病気の可能性があります。
毛包炎とは、“毛包”という毛穴の奥の毛根を包んでいる部分に起こる炎症です。
見た目はニキビと似ており、赤みを帯びた発疹や周囲が赤く膿をもった発疹が見られます。
毛包炎の治療には、主に抗菌薬(外用・内服)が用いられます。
毛包炎は、黄色ブドウ球菌によって引き起こされることがほとんどです。
ただし、背中で発生する毛包炎の多くは、「マラセチア毛包炎」というマラセチア菌というカビが原因で発生します。
カビの一種であるマラセチア菌は、高温多湿の環境を好み、温度や湿度の高い夏季に皮膚病を引き起こしやすいのが特徴です。
皮脂をエサにするマラセチアが毛包内で増殖することによって症状が引き起こされます。
また、顔面・上半身・上肢伸側に好発する「好酸球性膿疱性毛包炎」は、原因は明らかではありませんが、白血球の一種である好酸球と関わりがあると言われています。
このような、マラセチア毛包炎やそれ以外の皮膚炎が背中ニキビとして認識されることもあることを覚えておきましょう。
背中ニキビを早く治す方法
「背中ニキビを早く治したい!」という場合、どうすれば良いのでしょうか?
ここでは、背中ニキビを早く治す方法を2つ紹介します。
皮膚科や美容クリニックで治療をする
背中ニキビを早く治す方法①は、「皮膚科や美容クリニックで治療をする」です。
背中ニキビは、マラセチア毛包炎などの皮膚炎と区別がつきにくいことがあります。
だからこそ、背中ニキビを確認したら早めに皮膚科や美容クリニックに相談するのが良いでしょう。
皮膚科や美容クリニックであれば、市販品よりも高い効果が期待できる外用薬や内服薬を処方してもらうことが可能です。
また、ニキビ改善に効果が高いレーザー治療やピーリングなどの施術を受けることもできますよ。
さらに、ニキビが悪化する前に受診することができれば、治療期間が短縮でき、ニキビ跡を残さないことも可能です。
適切なスキンケアを心がける
背中ニキビを早く治す方法②は、適切なスキンケアを心がけることです。
背中ニキビを改善するためには、まずは背中の清潔を保ち、適切なケアをすることが重要です。
正しい体の洗い方や保湿ケアなど簡単なことで背中ニキビを改善・予防することができますよ。
また、バランスの良い食生活や質の良い睡眠などによっても、背中ニキビを改善することも可能なので、ライフスタイルを見直してみるのも良いでしょう。
ここからは、自宅でできる背中ニキビのセルフケアを紹介します。
自宅でできるセルフケア
ここでは、正しい体の洗い方のポイントと保湿ケアについてお話しします。
- 先に髪を洗ってから体を洗う
- 背中をゴシゴシ強く擦ってしまうのはNG
- ボディソープや石鹸をしっかりと泡立てて、優しく丁寧に洗う
- すすぎ残しがないようにしっかりと洗い流す
顔よりもおろそかにしがちな背中の保湿ケア。
化粧水には、背中ニキビにも有効とされる美容成分が配合されているので、背中のスキンケアとしても活用しましょう。
背中の保湿ケアには、ニキビの元であるコメドが生じにくいことを確認されたノンコメドジェニックテスト済の商品や香料・防腐剤・アルコールなどの添加物が使用されていないものを使用するのをおすすめします。
より専門的な治療で背中ニキビを治す
自宅でのケアで背中ニキビが治らない場合には、より専門的な治療が必要となります。
クリニックを訪れて、ドクターの診断のもと適切な治療を受けることをおすすめします。
ここでは、背中ニキビの改善が期待できる主な治療方法を紹介します。
外用薬や内服薬を両方利用する
ニキビの治療は、軽度であれば外用薬が用いられるのが一般的です。
外用薬の種類は、アクネ菌の繁殖を抑えたり、毛穴の詰まりを解消するなどの効果が期待できます。
しかし、背中ニキビの場合、外用薬を塗布するのが難しいケースも少なくありません。
その場合は、症状にもよりますが、内側から背中ニキビを改善する内服薬を併用する治療が効果的です。
皮膚科や美容クリニックを受診すれば、あなたの状態や症状に合わせて、抗生物質・漢方薬・ビタミン系の内服薬を処方してもらうことができます。
内服薬を服用する時には、治療途中で服用をやめてしまったり、ニキビ改善後も服用を続けるのはNGです。
レーザー治療や水流クレンジング
背中のニキビ治療には、レーザー治療や水流クレンジングがおすすめです。
ニキビ治療のレーザーは、炭酸ガスレーザーやフラクショナルレーザーなどが使用されます。
レーザー治療は、熱エネルギーで毛穴に詰まった膿や皮脂を排出することが可能です。
レーザーの光には殺菌効果もあるため、毛穴から膿や皮脂が排出されることで炎症を鎮め、根本からニキビを改善することができます。
水流クレンジングは、「ハイドラフェイシャル」とも呼ばれる水流の力を利用して肌表面や毛穴の奥の余分な皮脂・角質を除去しながら、同時に美容成分を補給することができる治療です。
ニキビの原因の毛穴の詰まりの除去ができ、肌のターンオーバーを促すことができるので、背中ニキビの改善が期待できます。
ピーリングやダーマペン
背中ニキビの主な原因は、皮脂の過剰分泌で毛穴が詰まってしまうこと。
ピーリングは、肌に酸性の薬剤を塗布することで、肌表面の古い角質や表皮を除去し、肌のターンオーバーを促すことができます。
また、ダーマペンは、極細針で肌表面に小さな穴を開けることで、肌本来の自然治癒力を引き出すことができる施術です。
ピーリングと同様に、肌のターンオーバーを正常化させることが可能なので、過剰分泌を抑え、スムーズに皮脂を排出することが可能となります。
ハイドラブースター治療
ハイドラブースター治療は、水流クレンジングと同様に水の力を利用して、肌表面や毛穴の奥の余分な皮脂・角質を除去しながら、同時に美容成分を補給することができるピーリング治療です。
水流クレンジング(ハイドラフェイシャル)とは、マシンの製造会社やチップの性質・形状、使用する薬剤などの違いがあります。
- ハイドラブースター:韓国 CLASSYS社
- ハイドラフェイシャル:アメリカ Edge Systems社
ハイドラブースターは、通常のピーリング治療と比較して、肌の負担が少ないのが特徴です。
背中ニキビの予防策も覚えておこう
ここまで、背中ニキビの治療法について紹介しました。
しかし、ニキビができてから治すよりも、そもそも背中ニキビができないように予防するのがおすすめです。
ここでは、背中ニキビの予防策を3つ紹介します。
食生活を見直して改善する
背中ニキビを予防するためには、食生活の見直しと改善が重要なポイントです。
何かを重点的に食するのではなく、バランスの良い食生活を心掛けましょう。
甘いものや脂っこいものは、糖分と脂質となり、皮脂の分泌を促してしまうので控えてください。
脂質の代謝を促すビタミンB2や抗炎症作用のあるビタミンC、抗酸化作用があるビタミンA・ビタミンEなどを積極的に摂取するのがおすすめですよ。
水分もこまめに摂取することを心がけよう
食生活の見直しと同時に行いたいのが水分の摂取です。
体から水分が不足してしまうと、血液濃度が上がり血流が悪くなるので、栄養が肌に行き届かず、ニキビの原因となります。
だからこそ、食生活だけでなく、しっかりと水分を摂取することも大切なのです。
水分を摂取するときのポイントは、一気に水分を摂取するのではなく、こまめに少しずつ摂取すること。
水を取り過ぎると頻尿になり、体内のビタミン・ミネラルを過度に排出してしまうため、肌が荒れてしまいます。
ストレス管理と十分な睡眠の確保
背中ニキビの予防のためには、ストレス管理と十分な睡眠の確保を行いましょう。
ストレスや睡眠不足は、免疫力を低下させる恐れがあります。
免疫力が低下してしまうことで、皮膚の再生力を低下させ、肌のターンオーバーを乱してしまいます。
その結果、ニキビができてしまったり、ニキビの炎症が悪化してしまうこともあるのです。
ストレスを完全になくすことはできませんが、気分転換をして適度にストレスを発散させ、睡眠時間をしっかりと確保しましょう。
また、睡眠時間だけでなく、睡眠の質にもこだわるのがおすすめです。
肌のゴールデンタイムである午後10時~午前2時までの時間に睡眠をとるのが理想です。
運動をすることで健康的な生活習慣を送る
大人になるに連れて運動する機会も時間も少なくなっていきますよね。
しかし、適度に運動をしないと、代謝が落ちて血行が悪くなり、肌のターンオーバーを乱してしまうため、ニキビを引き起こしてしまいます。
適度な運動は、新陳代謝の向上や血行の促進、ストレス軽減の効果が期待できます。
新陳代謝がアップすることで、肌のターンオーバーを整えることもできますよ。
適度な運動では、軽度の有酸素運動がおすすめですが、はじめのうちは無理のない範囲でウォーキングやストレッチを行うのが良いでしょう。
背中ニキビを早く治す方法まとめ
背中ニキビは、主に皮脂の過剰分泌による毛穴の詰まりが原因で発生します。
背中ニキビを見つけたら、自宅のケアで改善することも可能ですが、背中を自分で見ることは難しいので、ケアがおざなりになってしまうこともあります。
自宅ケアでニキビがなかなか改善しない場合や早くニキビを治したい方は、皮膚科や美容クリニックを受診しましょう。
皮膚科や美容クリニックであれば、医師があなたの状態や症状を見極め、適切な治療を提案してくれます。
今回は、ニキビをつくらないためのニキビの予防策も紹介したので、ぜひ参考にしてください。
ニキビは皮膚科で一緒に治そう
どこに行ってもニキビが治らない
ニキビが治ってもまた再発してしまう
治療を始めてから悪化しているような気がする
今のニキビ治療をこのまま続けても大丈夫?
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監修医師
立花 義浩
- 資格
- 精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
- 経歴
- 北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。
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