肝斑とシミの見分け方は?それぞれの違いやそばかすとの見分け方も解説!
肝斑とシミはどうやって見分けたらいいの?とお悩みではありませんか?
医療機関でシミの治療をする場合、どのようなタイプのシミかは医師が診断します。
ただ、自身である程度知識をつけておくことはとても大切。
なぜかというと、誤った診断によって効果を得られない治療を受けてしまうケースもあるからです。
そこで今回は、肝斑とシミそれぞれの特徴や見分け方、治療方法についても詳しく解説します。
本記事を参考に最適な治療を受けて、透明感のある美しい肌を手に入れてくださいね。
肝斑とシミについて
ひとえにシミといってもその種類は無数に存在しており、発症する原因や発症部位、その形状はさまざま。
その中でもとくに多くの人を悩ませるのが、肝斑そして老人性色素斑と呼ばれるシミです。
この2つのシミに有効な治療方法は同じではなく、シミの性質に応じた異なる施術をおこなう必要があります。
まずは、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
肝斑の特徴
肝斑は50代くらいまでの女性の半数以上に発症する原因不明の色素斑です。
頬骨の高い位置からこめかみにかけて見られることが多く、人によっては口元や額に現れることもあります。
- 左右対称に現れる
- 地肌との境が不明瞭
- 閉経後の女性には発症しない
- 外的要因で悪化しやすい
見た目の特徴としては、左右対称にモヤモヤと薄雲のように広範囲に現れるというところ。
また地肌との境目が不明瞭であるという点も肝斑の大きな特徴です。
不明瞭というのは、どこからがシミでどこからが元々の肌色なのか分かりにくいということですね。
肝斑の原因は現在のところ分かっていませんが、可能性として摩擦やホルモンバランスが関係しているのではないかと言われています。
これは摩擦の多い箇所に出現すること、そして妊娠や出産、ピルの服用などをきっかけに現れ、閉経後の発症は見られないことがその理由です。
また、悪化の要因が複数あることでも知られており、紫外線や摩擦、ストレスや飲酒などによって色濃く目立ってくる場合もあります。
シミの特徴
いっぽう一般的なシミとして多くの人を悩ませるのが、日光性色素斑または老人性色素斑と呼ばれるもの。
老人性色素斑は、加齢や紫外線を原因とするシミで、男女問わず中年以降のほとんどの人に見られます。
これは場所を問わず左右不均等にどこにでも発症するシミです。
- 日光をよく浴びる箇所に現れる
- 輪郭がはっきりしている
- 数ミリから数センチの円形または楕円
- 加齢と共に濃くなる
特長としては紫外線による肌ダメージを原因とするため、日光を浴びやすい箇所に現れること。
また、色は薄い茶色から茶褐色、黒っぽいものまでさまざまですが輪郭がはっきりしていることです。
老人性色素斑の多くは円形や楕円のかたちであらわれますが、広範囲に広がることはほぼなく、大きくても2~3センチ程度。
老人性色素斑は、紫外線や生活習慣、加齢とともに濃くなる傾向にあることでも知られています。
肝斑とシミの違い
ここからは、肝斑とシミの違いをあらためて見ていきましょう。
肝斑 | シミ(老人性色素斑) | |
---|---|---|
発症原因 | 不明 (摩擦やホルモンバランスの可能性あり) | 加齢・紫外線 |
発症年齢 | 30代~50代 閉経後は発症しない | 30代後半~ |
経過 | 閉経により薄くなる 悪化要因が多い | 加齢とともに濃くなる 悪化要因は加齢と紫外線 |
まず肝斑の場合は原因が不明であることに対し、老人性色素斑は原因の特定ができており加齢や紫外線による肌ダメージによって発症します。
つまり、原因を特定できていない肝斑を防ぐのは困難ですが、老人性色素斑の場合は紫外線対策の徹底により発症や悪化をある程度防ぐことができるということですね。
つづいて発症する時期については、どちらも30代以降に現れやすいタイプのシミです。
違いとしては肝斑は閉経後の発症はなく、それ以前に発症した場合でも閉経を機に少しづつ薄くなる傾向にあること。
いっぽう老人性色素斑の場合は、加齢とともに悪化しやすく閉経で症状が軽くなることはまずありません。
また、前述のように肝斑は悪化要因が多く紫外線や肌への刺激、生活習慣などで悪化しやすい非常にデリケートなシミとして知られています。
たとえば、スクラブ入りの洗顔やタオルで顔をこするなどの刺激や乾燥により悪化することもあります。
いっぽうの老人性色素斑の場合もターンオーバーの乱れを起こすような行為は悪化の要因となり得ますが、肝斑ほど敏感ではありません。
肝斑とシミの見分け方
つづいて肝斑とシミの見た目の違いを見ていきましょう。
見分けるポイントは以下の5つです。
- 発症部位
- 大きさ
- 境界
- 形・色
- 左右対称かどうか
肝斑 | シミ(老人性色素斑) | |
---|---|---|
発症部位 | 左右対称 おもに顔:頬・口元・額など | 左右非対称 紫外線に当たりやすい場所 |
形状 | もやもやと広範囲に現れる 輪郭がぼやけている | 円形・楕円 ポツポツと単体で現れる 輪郭がはっきりしている |
色 | 肌色~茶褐色 | 茶褐色~黒 |
ポイント1:発症部位
まず肝斑は99パーセント女性の顔に発症しますが、老人性色素斑は男女問わず日光に浴びやすい顔以外の部位にも発症します。
ポイント2:大きさ
肝斑の場合モヤモヤと数センチ単位の広範囲で現れるのに対し、老人性色素斑のほとんどは数ミリから大きいものでも2~3センチ程度。
また、老人性色素斑はいたるところにポツポツと現れますが、肝斑の多くは頬骨あたりにベターっとした様子で現れます。
ポイント3:境界
肝斑は地肌とシミの境目がぼんやりしており、はっきりしないことが大きな特徴です。
もしも境界が明瞭であれば老人性色素斑、ぼんやりしているなら肝斑の可能性を考えてよいでしょう。
ポイント4:形や色
老人性色素斑は茶褐色から黒っぽいものまでさまざまですが、そのほとんどは円形もしくは楕円を形作っています。
いっぽうの肝斑はというと、その多くは地肌と見分けがつかないほど薄かったり茶褐色だったりと、黒に近い色のものはほとんど見られません。
また、肝斑は不規則なかたちで現れますが、蝶の羽を広げたような3角形を形作るケースが多く見られます。
ポイント5:左右対称
最後に左右対称かどうか。
左右対称にモヤモヤと広がるシミであれば肝斑、不規則に点在するなら老人性色素斑の可能性が高いといえるでしょう。
以上の5つが肝斑と老人性色素斑の見極めポイントです。
とくに、境界が不明瞭でありモヤモヤと左右対称に現れる点は肝斑の大きな特徴なので、それぞれを見分けるヒントにしてみてください。
ここで、「どちらの特徴も当てはまらないんだけど…」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
冒頭でお話ししたようにシミの種類は無数にあり、お悩みのシミが肝斑でも老人性色素斑でもないという場合もあり得ます。
つづいては肝斑や老人性色素斑に次いでお悩みの方が多いシミの一種、そばかすについて触れていきます。
そばかすとは?
そばかすは他のシミとは異なり、特定のメラニン色素を多く含む体質の人に発症します。
メラニン色素には「ユーメラニン」「フェオメラニン」という2種類があり、このうちフェオメラニンを多く保有していればそばかすを発症しやすくなります。
そばかすの特徴
そばかすは3~5歳までの幼少期に発症することの多いシミの一種です。
幼少期に発症したケースでは、ホルモンバランスの変化の激しい思春期でピークとなり、その後薄くなることもあります。
ただ、大人になってからの発症では自然に薄くなることはないようです。
- 日光を浴びやすい部位に現れる
- 1~3ミリ程度の斑点が多発する
- 左右対称に現れる
- 紫外線やホルモンバランスによって悪化する
そばかすも一般的なシミと同じように、顔だけでなく肩や腕、デコルテなど日光を浴びやすい部位に現れます。
特徴としては、比較的明るい色の小さな斑点が散らばるように多発するところ。
顔に発症する場合は、顔の中心から外側に向けて左右対称に広がります。
そばかすは肝斑と同じようにホルモンバランスや紫外線の影響を受け悪化しやすいので、紫外線対策を心がけることが大切です。
肝斑とシミとそばかすの違いと見分け方
では、肝斑とシミ、そしてそばかすは、どのように見分ければよいのでしょうか。
それぞれの特徴は下記をご覧ください。
肝斑 | シミ(老人性色素斑) | そばかす | |
---|---|---|---|
発症年齢 | 30代~50代 | 30代後半~ | 3~5歳 |
形状 | モヤモヤと広がる 地肌とシミの境目が不明瞭 | 茶色から黒色までさまざま 地肌とシミの境が明瞭 数ミリ~数センチ | 比較的明るい茶褐色 1~3ミリ程度 顔の中心から頬に散らばる |
発症部位 | 左右対称 頬・口元・額など | 左右非対称 頬・肩・手の甲など | 左右対称 鼻を中心に頬やまぶたなど |
まず発症年齢ですが、肝斑と老人性色素斑はそのほとんどが大人になってからの発症なので、もしも子供の頃から悩んでいるシミであればそばかすの可能性が高いと考えられます。
また遺伝的要因が強いので、そばかすのある親族が存在するかどうかもチェックしてみるとよいでしょう。
続いて形状として老人性色素斑とそばかすはどちらもポツポツと単体で現れますが、肝斑は比較的広範囲にモヤモヤと現れるので、ここは区別しやすいかもしれません。
では、老人性色素斑とそばかすの区別はというと、左右対称に出現しているかどうかというところ。
左右非対称に点在するシミなら老人性色素斑と考えられます。
しかし、顔に発症したそばかすは肝斑と同じように左右対称にできるうえに、何らかの刺激によって濃くなったり薄くなったりと特徴が似ており見分けづらいことも多いようです。
肝斑とそばかすを見分けるポイントとしては、まぶたにもできているかどうかというところ。
肝斑は目の周りを避けて発症するため、まぶたに見られる場合は肝斑ではなくそばかすの可能性が高いといえるでしょう。
肝斑やシミの効果的な治療方法
つづいてシミの治療方法について見ていきましょう。
シミの多くは紫外線対策や摩擦を避けること、生活習慣を整えることによりある程度予防することができます。
しかし発症してしまったシミをセルフケアで改善するのはむずかしく、医療機関での治療が一般的です。
肝斑や一般的なシミ(老人性色素斑)の治療方法は下記をご覧ください。
シミの種類 | 治療方法 |
---|---|
肝斑 | やさしい出力を繰り返し照射して薄くしていく (レーザートーニングまたはポテンツァ) + トラネキサム酸やビタミンCの服用 |
老人性色素斑 | 強いレーザーを照射し取り除く (Qスイッチレーザー・ピコレーザー) |
肝斑の治療はおもに、内服薬と並行してレーザートーニング(レーザー照射)やポテンツァ(高周波照射)を照射しておこないます。
いっぽう老人性色素斑を治療する場合は内服薬を使うことは少なく、強い出力のレーザーをシミにピンポイント照射し一気に取り除きます。
肝斑治療で使用される内服薬は、メラニンの生成に関わるメラノサイトに働きかけシミを抑制するため、老人性色素斑にも効果的です。
ではなぜ老人性色素斑の治療では内服薬を使用しないかというと、強い出力でのレーザー治療を1~2回おこなうことで治療が完了する場合が多いからです。
いっぽうの肝斑は、前述のとおりさまざまな刺激に反応して悪化するタイプのシミ。
強いレーザーや光治療なども悪化の要因になるため、内服薬を併用しながら微弱なレーザー照射で継続的な治療をおこないます。
治療回数については個人差もありますが、5回の施術を終えた頃には肝斑の改善を実感できるでしょう。
また、低出力レーザーによる治療は施術時の痛みが少なく、ダウンタイムがほぼないという点で忙しい方にも取り組みやすい治療法です。
対する高出力レーザーは、ある程度の痛みを伴うことに加え1週間程度のダウンタイムを確保する必要があります。
美容医療におけるダウンタイムとは?
美容施術を受けることでダメージを負った肌が回復するまでの時間を指します。
腫れや赤み、内出血などが治まり、施術前と変わらない日常を過ごせるまでの時間のことです。
ちなみに前項で触れたそばかすはどちらの方法でも治療可能ですが、広範囲に照射する低出力レーザーの使用が一般的です。
これらのシミ治療は病気ではなく美容を目的とするため、健康保険は適用されず全額実費となることは理解しておきましょう。
なお、シミではなく下記に挙げるアザなどの場合、保健適用での治療が可能です。
- 太田母斑
- 扁平母斑
- 異所性蒙古斑
- 外傷性色素沈着
一般的なシミだと思い込んでいたら、保険で治療できる種類の皮膚疾患だったというケースもあります。
どちらにしても治療するには正確な診断が何より大切です。
気になるシミの治療は、十分な実績と経験を持つ医師のもとで治療を受けましょう。
まとめ
今回は肝斑とその他のシミの違いについて詳しく解説しました。
見た目の特徴をおさらいすると下記のとおりです。
- 肝斑
左右対称に現れるモヤモヤと薄雲のように広がる境目が不明瞭なシミ - 老人性色素斑
紫外線の当たりやすい場所にできる境目がくっきりとしたシミ - そばかす
顔を中心として左右対称に現れる小さな点状のシミ
繰り返しになりますが、シミの治療は正確な診断がとても大切です。
お伝えしてきたように診断を誤ればキレイになるどころか、悪化してしまうこともあるからです。
まずはホームページや口コミなどを複数の医療機関を入念にチェックし、信頼できるクリニックを探してくださいね。
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老人性色素斑 | 肝斑 |
---|---|
日焼け跡に色素が沈着してしまったもの | ホルモンバランスの乱れが原因 |
▼ | ▼ |
【効果的な治療法】 ・レーザー治療 ・外用内服治療 | 【効果的な治療法】 ・ピコトーニング |
そばかす | 炎症後色素沈着 |
雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれる小さなシミの集まり | ニキビや虫刺されに伴う炎症 |
▼ | ▼ |
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- 経歴
- 北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。
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