ニキビ対策におすすめの治療薬|皮膚科で使用される塗り薬と飲み薬を解説

なかなか治らないニキビに悩んでいる方にとって、効果的な薬がどれなのかは気になる問題ですよね。ニキビの治療薬に使われる成分は様々で、市販薬と皮膚科の処方薬にも違いがあります。

この記事では皮膚科で使用される塗り薬と飲み薬を中心に、ニキビ対策におすすめの治療薬について詳しく解説します。自分に合ったニキビの治療薬を見つけ、ニキビを早く治してクリアな肌を目指しましょう。

ニキビの種類と症状

鏡を見つめる女性

ニキビはその症状によって種類がわけられ、適切な治療法もそれぞれに異なります。

まずは基本的なニキビの症状や重症度について知っておきましょう。

基本的なニキビの症状と経過

 

ニキビの種類 症状
白ニキビ 初期段階のニキビ。 毛穴が詰まって白っぽく盛り上がった状態。 痛みや炎症はない。
黒ニキビ 白ニキビ同様毛穴に詰まった皮脂が、酸化して黒くなった状態。 痛みや炎症はない。
赤ニキビ 白ニキビや黒ニキビが悪化した状態。 赤く腫れている。 痛みや炎症がある。
黄ニキビ 赤ニキビが悪化し膿が溜まっている状態。 膿があるため黄色っぽく見える。 痛みや炎症がある。

ニキビはこのように、白ニキビから始まり悪化すると黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビというように炎症を増していきます。

白ニキビや黒ニキビであればセルフケアで治っていくことも多いのですが、赤ニキビや黄ニキビでは炎症が強く治りづらいことも。また、自己判断での治療や無理につぶすことで、ニキビ跡になってしまう可能性もあります。

特に赤ニキビ以降の炎症があるニキビでは、医師に相談して適切な治療薬で炎症を抑え悪化を防ぐことが大切です。

ニキビの重症度

重症度 ニキビの数
軽症 片顔に5個以下
中等症 片顔に6個以上20個以下
重症 片顔に21個以上50個以下
最重症 赤ニキビが悪化し膿が溜まっている状態。 膿があるため黄色っぽく見える。 痛みや炎症がある。

皮膚科でニキビの重症度を測る際には、赤ニキビや黄ニキビといった炎症の起きているニキビが何個あるかによって考慮されます。

上記のように5個以下であれば軽症ですが、軽症であっても抗菌薬などの適切な治療薬が必要です。

一度炎症を起こすと治るまでに時間もかかるので、基本的には炎症が起きない白ニキビや黒ニキビの段階で治療していくことが望ましいでしょう。

自分に合ったニキビに効く治療薬の選び方

塗り薬

ニキビの治療薬は、自分の状態に合ったものを適切に選ぶことが重要と言えます。これはニキビの治療薬にも様々な種類があり、有効成分や効果が異なるためです。

基本的にニキビの治療薬で行うのは、皮膚の炎症や細菌の感染を抑えることです。加えて、健康な肌の状態を保つためにビタミン剤などが出されることもあります。

代表的な有効成分は以下のようなものです。

ニキビの治療薬の代表成分

成分名 効果
サリチル酸 角質をやわらかくする
イブプロフェンピコノール 炎症・赤みを抑える
グリチルレチン酸 炎症・赤みを抑える
ホモスルファミン アクネ菌の増殖を抑える
ベンゼトニウム塩化物 アクネ菌の殺菌
イブプロピルメチルフェノール アクネ菌の殺菌
ビタミンB2・B6 健康な皮膚や粘膜を維持する
ニコチン酸アミド 健康な皮膚や粘膜を維持する

これらが含まれるニキビの治療薬は、洗顔後の清潔な肌に使用するのが正しい使い方です。

有効成分は1種類のみでなく、抗炎症成分、殺菌成分、角質軟化成分を併せて配合した製品もあります。

症状が重い場合や市販薬で改善が見られない場合は、皮膚科の処方薬を検討しましょう。

ニキビの塗り薬

塗り薬

ニキビの治療薬として最も手軽で一般的なのが、塗り薬でしょう。ニキビの塗り薬には、以下のような種類があります。

代表的なニキビの塗り薬

薬の名前 効果 適しているニキビ
ディフェリンゲル (アダパレン) 毛穴の詰まり改善 皮膚のターンオーバーを促進 マイクロコメドの発生を抑える 白~赤ニキビ 軽度から中等症
ベピオゲル・ベピオローション (過酸化ベンゾイル) 古い角層を取り除く アクネ菌の抗菌 毛穴の詰まりを改善 白~黄のニキビ全般
デュアック配合ゲル 抗菌 赤~黄ニキビ 重症
エピデュオゲル 毛穴の詰まりを改善 抗菌 抗炎症 ニキビ跡の凹み予防 赤~黄ニキビ 重症
ゼビアックス アクネ菌などの殺菌 炎症を抑える 白~赤ニキビ 軽度から重症
ダラシンT 炎症を抑える 赤~黄ニキビ 重症

これらの塗り薬は、ニキビの症状や肌質に応じて使い分けます。

例えば炎症が強い赤ニキビや黄ニキビの場合は抗生物質外用薬を使用しますが、その場合も毛穴の詰まりを改善する薬と併用するなど組み合わせて処方されることも多いです。

ニキビの飲み薬

飲み薬

ニキビの治療薬には塗り薬だけでなく、内側から働きかける飲み薬(内服薬)もあります。

白ニキビのような軽度のニキビにはあまり処方されませんが、赤ニキビ、黄ニキビのような炎症をもったニキビでは抗菌薬などの飲み薬も必要になるのです。

飲み薬の中には抗菌を目的とするもの、漢方薬、ビタミンを補うためのものなど分類が分かれます。それぞれニキビの状態に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。

代表的なニキビの抗菌薬

薬の名前 効果 適している症状
ミノマイシン 細菌の殺菌 炎症を抑える 赤~黄ニキビ 重症
ビブラマイシン 細菌の殺菌 赤~黄ニキビ 重症
ルリッド 抗菌薬 赤~黄ニキビ 重症
ファロム 抗菌薬 赤~黄ニキビ 重症

代表的なニキビの漢方薬

薬の名前 効果 適している症状
十味敗毒湯 (じゅうみはいどくどう) 化膿を抑える かゆみを抑える 熱を冷ます 赤ニキビ 中等症から重症
荊芥連翹湯 (けいがいれんぎょうとう) 熱を冷ます 活性酸素を抑える 赤ニキビ 中等症から重症
清上防風湯 (せいじょうぼうふうとう) 熱を冷ます 膿の排出 赤~黄ニキビ 重症
桂枝茯苓丸料加薏苡仁 (けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん) 血行の改善 女性のホルモンの調整 月経周期に伴うニキビ

代表的なニキビのビタミン剤

薬の名前 効果 適している症状
シナール ターンオーバー調整 メラニン生成の抑制 ニキビ跡の予防
ハイチオール メラニン生成の抑制 酸化ストレスを防ぐ ニキビ跡の予防
ノイロビタン ターンオーバー調整 健やかな肌を保つ ニキビの予防
ユベラ ターンオーバー調整 健やかな肌を保つ 酸化ダメージから守る ニキビ跡の改善

内服薬にはできている赤ニキビや黄ニキビの炎症を抑えるものだけでなく、漢方薬のように体質改善してニキビをできにくくしていくものや、ビタミン剤のようにニキビ跡の予防に関連するものまで様々です。

炎症のひどいニキビにはまず抗菌・抗炎症の効果がある薬が必要ですが、同時にこれからできるニキビを予防し、ニキビ跡を防ぐためにも飲み薬を有効に活用しましょう。

まとめ

スキンケアする女性

ニキビの治療薬は、症状の重症度や種類によって適切なものを選択することが重要です。

軽度のニキビであれば市販薬でのセルフケアも可能ですが、市販薬で症状が改善しない場合や重症の場合は皮膚科を受診し、適切な処方薬を使用することをおすすめします。

また、皮膚科・美容皮膚科によっては漢方薬やビタミン剤の処方をしてくれることも。ビタミン剤にはニキビ跡を防ぐためのものもあるので、悩みに合わせて相談してみましょう。

ニキビの治療薬の使用と並行して、ニキビ対策には正しいスキンケアや生活習慣の改善も大切です。食事の栄養バランスや睡眠など、規則正しい生活習慣とストレスを溜めないことを心がけましょう。

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。

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