ニキビ跡がシミになる?原因と消す方法を徹底解説【皮膚科医監修】

悩ましいニキビ跡の色素沈着に悩んでいませんか?「やっとニキビが治ったと思ったら、今度はシミのように色素が残ってしまった」という経験をした方は少なくないでしょう。
本記事では、ニキビ跡がシミになるメカニズムから効果的な改善方法、そして予防法まで徹底解説します。
ニキビ跡とシミの違いとは?

ニキビ跡とシミは一見似ていますが、それぞれ異なる原因やメカニズムによって現れます。
多くの人が混同しがちなこの2つの症状について解説します。
色素沈着とクレーターの違い
ニキビ跡には大きく分けて2つのタイプがあります。
ひとつは肌表面が凹んでしまうクレータータイプで、これは皮膚の真皮層にまで炎症が及んだ際にコラーゲンが破壊されることで生じます。
もうひとつは赤みや茶色っぽい色が残る色素沈着タイプで、これはメラニンが過剰に生成され肌に沈着してしまった状態です。
クレータータイプは皮膚の構造自体が変化しているため、表面的なスキンケアだけでは改善が難しく、医療機関での治療が必要となることが多いです。
一方、色素沈着タイプは適切なケアによって時間をかけて改善できることが多く、早めの対策が効果的です。
シミの種類と見分け方
シミには複数の種類が存在します。
代表的なものとしては、加齢による”老人性色素斑”、ホルモンバランスが影響する”肝斑”、遺伝的要素が強い”そばかす”などがあります。
ニキビ跡に起因するシミは、主に”炎症後色素沈着(PIH)”と呼ばれ、皮膚が炎症を起こした後に現れる色素沈着です。
老人性色素斑は主に40代以降に増え始め、顔や手の甲など紫外線に露出しやすい部分に現れます。
肝斑はホルモンバランスの変化に関連して主に女性の頬骨の上やこめかみなどに左右対称に現れます。
そばかすは遺伝的要素が強く、小さな点状の色素沈着が鼻や頬に集中して見られます。
見た目の特徴で判断する方法
ニキビ由来のシミは、不規則な形をしており、色も赤茶色から薄茶色まで幅広いのが特徴です。
発生する位置もニキビのあった場所に一致することが多いです。
対して老人性色素斑は、丸く均一な色調で、主に紫外線を多く浴びる部位に現れます。
炎症後色素沈着は時間の経過とともに自然に薄くなる特徴がありますが、その期間は個人差があり、数週間から数ヶ月、場合によっては1年以上かかることもあります。
特に肌の色が濃い人ほど色素沈着が残りやすい傾向があります。
ニキビ跡がシミになる原因とは?

ニキビが治った後にシミとして残る背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っています。
ここでは、ニキビ跡が色素沈着に至るメカニズムと、それを悪化させる要因について解説します。
炎症後色素沈着とは
ニキビが悪化すると皮膚が炎症を起こし、その過程でメラノサイト(色素細胞)が刺激され、メラニンが過剰に生成されます。
このメラニンが肌表面に沈着することで、茶色や赤茶色の色素沈着が起こります。
これを”炎症後色素沈着(PIH)”と呼び、特に肌が褐色系の人は色素が定着しやすい傾向があります。
炎症が起きると、体は修復プロセスの一環として炎症性サイトカインを放出します。
これらがメラノサイトを刺激し、通常よりも多くのメラニンを生成させるのです。
過剰に生成されたメラニンは肌のターンオーバーによって徐々に排出されますが、ターンオーバーが乱れている場合には、肌に留まり続けます。
紫外線が色素沈着を悪化させる理由
紫外線は肌にとって大きな刺激です。
日光を浴びることでメラニンの生成が活発になり、肌が黒くなる日焼けと同様に、シミや色素沈着を濃くしてしまいます。
ニキビ跡が紫外線に晒されると、すでに生成されたメラニンがさらに増幅され、シミとして定着しやすくなります。
紫外線にはUVA波とUVB波があり、UVA波は雲や窓ガラスを通過して室内にも届きます。
そのため、「外出しないから大丈夫」という考えは危険です。
一年中紫外線対策を行うようにしましょう。
摩擦や刺激によるメラニン生成
ニキビを気にして触ったり、つぶしたりすることで肌に摩擦や刺激が加わると、炎症が悪化しやすくなります。
この刺激がメラノサイトを活性化させ、メラニン生成を促進する原因になります。
物理的な摩擦は肌のバリア機能を損なわせ、炎症を悪化させます。
特にニキビができている部分は敏感になっているため、軽い接触でも炎症が悪化する可能性があります。
ニキビを潰す行為は非常に危険で、より深刻な色素沈着やクレーターの原因になることもあります。
自宅でできるニキビ跡シミのケア方法

ニキビ跡のシミを改善するには、毎日のスキンケア習慣が鍵となります。
ここでは、自宅で実践できる効果的なケア法をご紹介します。
ビタミンC誘導体での美白ケア
ビタミンCはメラニンの生成を抑え、すでにある色素を還元する働きがあります。
中でもビタミンC誘導体は、安定性が高く肌への浸透力にも優れています。
美白化粧水や美容液として日々のケアに取り入れることで、継続的なシミの改善効果が期待できます。
代表的なビタミンC誘導体としては、APPS(アプレシエ)、VCIP(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル)、VC-PMG(リン酸アスコルビルMg)などがあります。
ビタミンC誘導体を含む製品は朝晩のスキンケアに取り入れるのが理想的です。
特に夜のスキンケアで使用すると、睡眠中の肌再生をサポートしてくれます。
トラネキサム酸やナイアシンアミドの効果
トラネキサム酸は、メラニンの生成を抑制することで知られており、肝斑や色素沈着の改善に使用されます。
ナイアシンアミドも同様に美白作用があり、肌のバリア機能を高めつつシミの改善に役立ちます。
トラネキサム酸は元々は医薬品として開発された成分で、メラニンの生成過程を複数の段階で抑制します。
特に日本人に多い肝斑の治療にも用いられる成分です。
ナイアシンアミド(ビタミンB3)は、メラニンの細胞への転送を抑制する効果があり、また肌のバリア機能を強化し水分保持力を高める働きもあります。
さらに抗炎症作用もあるため、ニキビそのものの改善にも役立ちます。
日焼け止めは必須!正しいUV対策
紫外線対策はニキビ跡のシミを悪化させないために不可欠です。
SPF30以上の広範囲UVカット効果を持つ日焼け止めを、朝のスキンケアの最後に塗るのが基本です。
外出の有無に関わらず、毎日の使用が理想的です。
日焼け止めを選ぶ際は、SPF値だけでなくPA値も確認しましょう。
SPFはUVB波から、PAはUVA波から肌を守る指標です。
ニキビ跡のシミ対策としては「SPF30以上・PA+++以上」の製品がおすすめです。
ニキビ跡がある肌は特に敏感になっていることが多いため、刺激の少ない日焼け止めを選ぶことも大切です。
「ノンケミカル」や「敏感肌用」と表示された製品は、肌への刺激が少ない傾向があります。
皮膚科で受けられる治療法と効果

市販のケアでは改善が難しい場合、皮膚科での専門的な治療が有効です。
ここでは、効果が期待できる代表的な治療法を紹介します。
ピコレーザー・IPL・フォトフェイシャル
ピコレーザーは、非常に短い照射時間でメラニン色素を破壊できるため、肌へのダメージを抑えながら高い美白効果が得られます。
IPLやフォトフェイシャルは光治療に分類され、肌全体のトーンアップや赤みの軽減にも効果的です。
ピコレーザーはピコ秒単位の非常に短い時間でレーザーを照射するため、従来のナノ秒レーザーに比べて熱による周囲の組織へのダメージが少なく、より安全に治療を行うことができます。
IPLは、さまざまな波長の光を照射することで、複数の肌トラブルに同時にアプローチできる治療法です。
色素沈着だけでなく、ハリやツヤの改善、毛穴の引き締めなどの効果も期待できます。
ケミカルピーリングとイオン導入
ケミカルピーリングは、酸を使って古い角質層を除去し、肌の再生を促します。
ターンオーバーを整えることで、色素沈着の排出もサポートされます。
イオン導入は、ビタミンCやトラネキサム酸などの有効成分を微弱電流で肌に浸透させ、より高い美白効果が期待できます。
ケミカルピーリングに使用される主な酸には、AHA(アルファヒドロキシ酸)、BHA(ベータヒドロキシ酸)、TCA(トリクロロ酢酸)などがあります。
濃度や種類によって浸透する深さや効果が異なるため、自分の肌状態に適したものを選ぶことが大切です。
イオン導入は、肌に微弱な電流を流すことで、通常では浸透しにくい有効成分を肌の奥まで届ける治療法です。
痛みもほとんどなく、ダウンタイムもないため、初めての美容医療としても取り入れやすい治療法です。
ハイドロキノンや内服薬の活用
ハイドロキノンは、シミの原因であるメラニンの生成を抑える非常に強力な美白剤です。
皮膚科での処方が一般的であり、使用期間や濃度には注意が必要ですが、高い効果が期待できます。
また、トラネキサム酸の内服薬やビタミン剤の服用を併用することで、内外からのアプローチが可能になります。
ハイドロキノンは2〜4%の濃度で処方されることが多く、高濃度になるほど効果が高まる反面、副作用のリスクも高まります。
主な副作用としては、赤み、かゆみ、乾燥などの刺激反応があります。
医師の指導のもとで適切な期間と方法で使用することが重要です。
ニキビ跡のシミを防ぐためにできること

シミを作らせないことが最も大切です。
日々のスキンケアだけでなく、生活習慣の見直しも含めた総合的な対策が、色素沈着の予防につながります。
ニキビができたら早期ケアを
ニキビは初期段階で適切にケアすることが、炎症や色素沈着を防ぐ鍵となります。
抗炎症成分配合の薬や、毛穴詰まりを防ぐ化粧品を使うことで、悪化を防ぎましょう。
ニキビの初期症状である「コメド」の段階で適切なケアを始めることが理想的です。
この段階では毛穴の詰まりを解消するサリチル酸(BHA)や、グリコール酸(AHA)などの角質ケア成分が効果的です。
炎症が始まったニキビには、抗炎症作用のある成分を含む薬や化粧品が効果的です。
代表的なものとしては、ビタミンE誘導体(トコフェロール)、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム(甘草由来成分)などが挙げられます。
保湿とバリア機能の強化
肌の乾燥はバリア機能を低下させ、外部刺激に弱くなります。
高保湿の化粧水や乳液で水分を補い、セラミドなどの保湿成分を取り入れることが効果的です。
多くの人が勘違いしがちですが、ニキビケアにおいて保湿は非常に重要です。
肌が乾燥すると、それを補おうとして皮脂が過剰に分泌されることがあります。
適切な保湿ケアを行うことで、肌の水分と油分のバランスが整い、結果的にニキビができにくい環境を作ることができます。
特に注目したい保湿成分としては、セラミド、ヒアルロン酸、グリセリン、スクワランなどがあります。
保湿ケアのポイントは「軽い質感のものを重ねづけする」という方法です。
重たいクリーム一つで保湿するよりも、化粧水、美容液、乳液と段階的に使用する方が効果的です。
睡眠・食事・ストレスの影響
不規則な生活はホルモンバランスの乱れを引き起こし、皮脂分泌の増加やターンオーバーの乱れを招きます。
ビタミンやミネラルを含むバランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理は、肌環境を整えるうえで不可欠な要素です。
睡眠は肌の再生と修復が最も活発に行われる時間帯です。
特に夜10時から深夜2時までの間は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、成長ホルモンの分泌が最も盛んになります。
7〜8時間の十分な睡眠を心がけましょう。
食事も肌の健康に大きく影響します。
特に以下の栄養素は肌の再生や色素沈着の改善に役立ちます。
- ビタミンC
コラーゲンの生成を助け、メラニン生成を抑制 - ビタミンE
強い抗酸化作用があり、細胞の酸化を防ぐ - ビタミンA
皮膚の再生を促進し、ターンオーバーを正常化 - 亜鉛
細胞の修復と再生に関わる重要なミネラル - オメガ3脂肪酸
抗炎症作用があり、肌のバリア機能を強化
ストレスは肌の健康に大きな影響を及ぼします。
精神的なストレスを感じると、体内でコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌され、皮脂の過剰分泌を促したり、炎症反応を強めたりします。
適度な運動、瞑想やヨガ、趣味の時間を持つなどの行動がストレス管理に効果的です。
まとめ

ニキビ跡がシミになる主な原因は炎症後色素沈着です。
予防には炎症を悪化させない早期ケアが重要で、改善には美白成分の活用と紫外線対策が効果的です。
自宅でのスキンケアで改善しない場合は、レーザーやピーリングなどの医療的治療も選択肢となります。
バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理など生活習慣の見直しも大切です。
継続的なケアをすることで徐々に肌は改善していきます。
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効果的な治療方法があります
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皮膚に微弱な電流を流して美容成分を肌の奥に浸透させる - ピコレーザー
レーザーを照射し、メラニン色素を破壊 - ダーマペン
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監修医師
立花 義浩
- 資格
- 精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
- 経歴
- 北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。
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