ニキビの正しい治し方|口周りや頬など種類別の原因と予防法も解説

ニキビの治し方については色々な選択肢があり、市販の治療薬もあれば皮膚科での診療を受けることもでき「正しいニキビの治し方はどれなんだろう」と迷う方も多いでしょう。

ニキビの種類や原因は多岐にわたるので、基本的には皮膚科の診療をきちんと受けつつ生活習慣やスキンケアに気をつけていくことが大切です。

この記事では、ニキビの正しい治し方について詳しく解説し、口周りや頬にできるニキビの原因と予防法や、セルフケアでのニキビ対策などにもふれていきます。

ニキビの正しい治し方を知って、ニキビのないツルツルの肌を目指しましょう。

ニキビの種類と原因

スキンケアする女性

ニキビは、進行度によって「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」の4つに分けられます。

どのような状態かによっても原因や治療法が異なります。それぞれの違いをチェックしていきましょう。

炎症のないニキビ

ニキビの種類 状態 治し方
白ニキビ 初期段階のニキビ。
毛穴が詰まって白っぽく盛り上がった状態。
痛みや炎症はない。
無理につぶさず清潔に保つ。
丁寧な洗顔と正しい生活習慣で自然に治ることも多い。
黒ニキビ 白ニキビ同様毛穴に詰まった皮脂が、酸化して黒くなった状態。
痛みや炎症はない。
白ニキビ同様に清潔に保つ。
油分の多いスキンケアを避ける。
無理にはつぶさない。

炎症を起こしたニキビ

ニキビの種類 状態 治し方
赤ニキビ 白ニキビや黒ニキビが悪化した状態。
赤く腫れている。
痛みや炎症がある。
皮膚科などで相談する。
薬で炎症を抑える。
メイクなどの刺激を極力控える。
無理にはつぶさない。
黄ニキビ 赤ニキビが悪化し膿が溜まっている状態。
膿があるため黄色っぽく見える。
痛みや炎症がある。
皮膚科などで相談する。
炎症を薬で抑える。
メイクなどの刺激を極力控える。
無理にはつぶさない。

このようにニキビは状態によって白から黄色まで段階を経て悪化します。

白ニキビや黒ニキビの状態であれば、適切な洗顔やスキンケアと正しい生活習慣を続けていれば自然に治ることもあります。

ただ赤ニキビや黄ニキビでは炎症が起きてしまっているので、むやみに触れるとニキビ跡が残ってしまうことも

自己判断でつぶしたりはせず、なるべく皮膚科や美容皮膚科で診てもらうことがおすすめです。適切な薬で炎症を抑えることも必要になります。

大人ニキビと思春期ニキビの違い

ニキビは、年齢によっても「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」に分類することができます。

中高生くらいの思春期にできる思春期ニキビと、20代以降の大人にできる大人ニキビはメカニズムが全く異なります。

思春期ニキビか大人ニキビかで原因も対策もそれぞれ変わるので、性質を理解しておくことが大切です。

種類 原因 対策
思春期ニキビ 成長期の過剰な皮脂 皮脂を抑える
大人ニキビ ストレス
生活の乱れ
ホルモンバランス
飲酒や喫煙
ストレスケア
生活習慣の見直し

まず10代の頃に増える思春期ニキビは、成長期のホルモンバランスによる過剰な皮脂分泌が主な原因です。皮脂分泌が多いため毛穴に皮脂が詰まりニキビにつながります。

年齢を重ねるとホルモンバランスも変化するため収まっていくものですが、思春期ニキビがひどいうちは過剰な皮脂をケアすることが大切です。

こまめな洗顔で肌を清潔に保ち、脂肪の多い食事や甘いものなどは避け、余計な皮脂分泌に拍車をかけないことも意識しましょう。油分の多い化粧品は避けて、思春期ニキビ向けのさっぱりしたスキンケアを使うこともおすすめです。

対して20代以降の大人ニキビは、ストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れが主な原因です。

生活バランスの崩れが皮脂分泌やターンオーバーを乱してしまい、余計な角質や皮脂が溜まりやすくなってしまいます。毛穴の皮脂づまりが起きることで、思春期ニキビ同様にアクネ菌が繁殖しニキビにつながるのです。

口周りや頬に繰り返しできるニキビも、大人ニキビでよくあるパターンです。
思春期ニキビでは特に皮脂の多いTゾーンにニキビができがちなのに対し、大人ニキビではホルモンバランスの乱れなどにより、本来皮脂の多くない口元などにニキビができてしまいます。

大人ニキビではただ皮脂を洗顔で落とすことではなく、生活習慣や栄養バランスの見直し、ストレスケアなども重要になります。

一刻も早く治したい!ニキビ対策のポイント

指で頬を抑える女性

ここではニキビができてしまった時の対策についてのポイントを説明します。

「ニキビができた時にまずどうすればいいのか?」について、一般的に以下のようなポイントが浮かぶ方が多いでしょう。

ニキビ対策で気になるポイント

 

これらのニキビ対策について、以下で詳しく解説します。

セルフケアでニキビは治せる?

軽度のニキビであれば、適切なセルフケアで改善することもあります。
しかし間違ったセルフケアはニキビ跡の原因になる
こともあり注意が必要です。

ポツッとできた小さな白ニキビ程度であれば、適切な洗顔や生活習慣を続けていれば自然に治っていくこともあります。

ただセルフケアでできることはあくまでこのような「自然治癒のサポート」であり、ひどい炎症が起きているようなニキビは早めに皮膚科や美容皮膚科を受診するのがおすすめです。

特に、自力でニキビをつぶすことや膿を出そうとすることは、肌にダメージを与えニキビ跡が残る原因となってしまうので避けましょう。

市販薬でのニキビ治療の注意点

白ニキビや黒ニキビのような初期段階であれば、市販の薬でも効果が期待できます。
しかし赤ニキビや黄ニキビには、医師の診療のうえで処方薬を使用するほうが安心です。

現在は薬局でもニキビの市販薬が手軽に手に入ります。市販薬でのニキビ治療も初期段階のニキビには有効と言えますが、炎症が進み膿が溜まっている赤ニキビや黄ニキビは適切なケアをしないと悪化する恐れも。

市販薬を使っても改善が見られない場合は自己判断で使用を続けるのは避け、すみやかに医師に相談したほうがよいでしょう。

素人目には市販薬の成分でどれが適しているか見極めるのは難しいですし、合わない薬を使うことでニキビが悪化するとニキビ跡などの原因にもなってしまいます。

ニキビ治療は皮膚科に行くべきか?

初期のニキビはセルフケアでも治ることがありますが、繰り返すニキビや市販薬で改善されない場合などは皮膚科での相談がおすすめです。
特に、ニキビを自分で無理につぶすのは絶対にNG。ひどいニキビは皮膚科で相談しましょう。

重症のニキビやセルフケアや市販薬で改善しないニキビは、皮膚科での治療を受けることがおすすめです。

たかがニキビと感じるかもしれませんが、原因がわからないまま繰り返すニキビを放置していると、ニキビ跡が残っていくことにもつながります。

医師の診断に基づいた適切な治療を受けることで、ニキビの悪化やニキビ跡を防ぐことができます。

セルフケアでのニキビの治し方

洗顔する女性

初期のニキビはセルフケアで治ることがありますが、その際には適切な以下の点を意識したケアが大切です。

ニキビをセルフケアで治すためのポイントを見ていきましょう。

正しい洗顔とスキンケア

ニキビは1日2回はきちんと洗顔し、清潔に保つことが大切です。
ごしごし洗うのではなく、よく泡立てた洗顔料で皮脂や汚れを落とします。

ニキビは皮脂や汚れによる毛穴詰まりによって起きるので、洗顔はとても大切です。とはいえ洗いすぎによる乾燥はさらなる皮脂分泌を招くことにもつながるので、朝・夜の2回にとどめ過剰な洗顔は避けましょう。

また、洗顔後は水分と油分のバランスを保つため適切なスキンケアも必要です。皮脂分泌が気になるからといって保湿を全くしないことや、逆に油分が多すぎるスキンケアを行うことのないよう注意しましょう。

自分でつぶさない

どの状態のニキビでも、自分でつぶすことはおすすめしません。肌にダメージを与え色素沈着によるニキビ跡につながってしまいます。炎症や膿が気になるニキビは自己判断で刺激を与えずに皮膚科を受診しましょう。

ニキビができると盛り上がりが気になってしまい、自分でつぶしてしまうという方は少なくないでしょう。

しかしニキビはむやみに触れることで雑菌の繁殖を招くうえに、無理につぶすとニキビ跡の原因にもなります。

ニキビを自分でつぶすことや刺激を与えることは避け、なかなか治らないニキビについては皮膚科で診療を受けましょう

生活習慣を整える

ニキビのセルフケアには正しい生活習慣も大切です。
バランスの良い食生活や睡眠、ストレスケアなどニキビが増える要因をつくらない生活を心がけましょう。

ニキビのセルフケアには洗顔やスキンケアはもちろんですが、ニキビを増やさない・悪化させないために生活習慣の見直しも重要です。

スキンケアをきちんとして薬を使用していても、生活が不規則であればホルモンバランスやターンオーバーが乱れ、新しいニキビの原因を作ってしまいます。

ビタミン・ミネラルなどバランスの取れた食事と十分な睡眠、ストレスを溜めないこと、枕カバーなど生活環境を清潔に保つことを意識しましょう。

市販薬でのニキビの治し方

顔に塗り薬を塗る女性

市販薬でニキビを治すには、ニキビの状態に合った適切な成分選びが重要です。
ニキビの種類や症状によって合う成分は異なるので、可能であれば薬剤師に相談もしながら適切なものを選びましょう。

市販薬といってもニキビの薬に使われる成分は様々で、代表的なものだけでも以下のような種類があります。

成分名 効果
サリチル酸 角質をやわらかくする
イブプロフェンピコノール 炎症・赤みを抑える
グリチルレチン酸 炎症・赤みを抑える
ホモスルファミン アクネ菌の増殖を抑える
ベンゼトニウム塩化物 アクネ菌の殺菌
イブプロピルメチルフェノール アクネ菌の殺菌
ビタミンB2・B6 健康な皮膚や粘膜を維持する
ニコチン酸アミド 健康な皮膚や粘膜を維持する

このように市販のニキビ治療薬に使われる成分は様々なため、最適な成分を見極めるのが難しいというデメリットもあります。

説明書に従って一定期間使用しても改善が見られないようであれば、色々な薬を買うより医師に相談するほうが結果的にコストを抑えられる可能性もあるでしょう。

使っていて悪化するなどトラブルがおきた際も、すみやかに医師の診察を受けるのが安心です。

皮膚科(保険診療)でのニキビの治し方

塗り薬

皮膚科では基本的に保険適用内で、塗り薬や飲み薬の処方を行います。
医師がきちんと状態を見極めて薬を選んでくれるので安心でき、皮膚科によっては色々な治療が可能です。

皮膚科では保険適用の範囲内で、できているニキビを治すための治療を行います。保険適用のニキビ治療では抗生物質などの飲み薬のほか、塗り薬を処方するなど投薬での治療がメインです。

「市販薬でなかなか治らない」「ニキビが繰り返している」といった方は一度皮膚科で診てもらうと安心でしょう。自分ではわからない原因が隠れているかもしれません。

また、人によってはニキビ跡をなくしたい」「毛穴の目立たないキレイな肌になりたいなどさらなる理想をもつ方もいるでしょう。ニキビ跡改善などは保険適用外のレーザーやピーリングが有効ですが、皮膚科によってはそのような美容施術まで提供していることもあります。

得意分野はクリニックにより異なるので、まずは自分にどんな治療が合っているか皮膚科で相談してみましょう。

美容皮膚科(自由診療)でのニキビの治し方

頬を押される女性

早くキレイにニキビを治したい人には、美容皮膚科での診療もおすすめです。
美容皮膚科の自由診療では、ニキビ跡の改善などが期待できるメニューも利用できます。

ニキビの治療には一般の皮膚科でも対応してくれますが、「キレイに治す」を優先するのなら美容皮膚科での自由診療も用いたアプローチが有効です。

費用がかさむというデメリットはありますが、以下のような様々な選択肢があります。

美容皮膚科で受けられるニキビ治療

施術名 効果
レーザー治療 炎症や膿を取り除く
ニキビ跡の改善
ピーリング 不要な角質や毛穴詰まりを取り除く
ターンオーバーの促進
イオン導入 炎症・赤みを抑える
アクネ菌の増殖を抑える
毛穴を引き締める
保険適用外の薬 皮脂抑制や抗炎症など種類により様々

 

皮膚科で行われるニキビ治療は保険適用が主ですが、美容皮膚科ではさらに保険適用外のメニューも豊富に用意しています。

審美目的の施術も多いため、ただニキビを治すのではなくニキビ跡を改善することも可能です。レーザーやピーリングなどの定期的なケアで、ニキビのできにくいキレイな肌を目指すことができます。

また、日本では保険適用されないニキビの内服薬などを扱っている美容皮膚科もあります。

過剰な皮脂分泌を抑える薬などもあり、市販薬にはない高い効果が期待できるでしょう。

ニキビの治し方に関するよくある質問

考え込む女性

ここではニキビの治し方に関する、よくある疑問に答えます。

自己判断で間違ったケアをしてしまうと、悪化やニキビ跡につながりかねないニキビ治療

正しいニキビの治し方を知って、早く安全にニキビ改善を目指しましょう。

ニキビを治す一番の方法は何ですか?

最適な治療方法はニキビの状態や肌質により異なりますが、まず第一に共通するのは適切な洗顔です。

ニキビを治すには市販薬から美容皮膚科でのアプローチまで様々で、ニキビの状態によっても合う方法は異なります。

ただどんなニキビであっても一番に自分で意識しないといけないのが、適切な洗顔をして汚れや皮脂を落とし雑菌を増殖させないことです。

「適度に行う」というのもポイントで、ニキビを恐れるあまり1日に何度も洗顔するのも逆効果。1日2回の洗顔を守り、必要な皮脂まで奪ってしまうことは避けましょう。

ニキビは最短で何日で治りますか?

個人差がありますが一般的に軽い白ニキビであれば1週間~10日程度で治ることが多いとされています。

ニキビの状態やケア方法、生活週間などによりニキビが治るまでの期間は異なるものです。重症なものでは治るのに数週間かかることや、その間に新しいニキビができて繰り返してしまうこともありえます。

ニキビを早く治して繰り返さないためには、洗顔やスキンケアを丁寧に行うことはもちろん、栄養バランスや睡眠などの生活習慣を整えることも重要です。

ニキビはほっとくのが一番ですか?

むやみに触れない・つぶさないことは大切ですが、炎症の起きているニキビは適切な治療をしないと長引くことや悪化することが考えれます。

ニキビをむやみに刺激しないという意味での「放っておく」のは間違いではないかもしれませんが、全く何も対策をせず放置するのがよいわけではありません。

特に炎症の起きている赤ニキビや黄ニキビは、放置することで炎症が続き悪化することや、その結果ひどいニキビ跡になってしまう可能性もあります。

洗顔で清潔に保つほか、ひどいニキビはすみやかに医師に相談し適切な治療を受けるのが早く治すためのコツです。

まとめ

スキンケアする女性

ニキビの正しい治し方は、その種類や原因、症状の程度によって異なることを解説しました。

軽度のニキビであればセルフケアや市販薬で対応できることもありますが、重症のニキビや長期間改善しないニキビは皮膚科での相談がおすすめです。

ニキビの治し方まとめ

  • ・ニキビの状態やニキビができる年齢によっても対策は異なる
  • ・セルフケアで大切なのは洗顔や生活習慣
  • ・市販薬選びは自分では難しいこともある
  • ・適切なケアをするなら皮膚科診療がおすすめ

 

ニキビを治すには適切な洗顔やスキンケア、生活習慣の改善も重要です。生活習慣を見直しつつ、セルフケアでよくならないニキビは早めに皮膚科で相談するようにしましょう。

皮膚科であれば適切に原因を見極めて治療ができるので、後々ニキビ跡が残るなどのトラブルも防ぐことができます。

ニキビは皮膚科で一緒に治そう

どこに行ってもニキビが治らない

ニキビが治ってもまた再発してしまう

治療を始めてから悪化しているような気がする

今のニキビ治療をこのまま続けても大丈夫?

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ニキビの状態別
おすすめのニキビ治療

白や黒のポツポツしているニキビ赤く腫れているニキビ黄色く膿んでいるニキビニキビ跡
白ニキビ・黒ニキビ赤ニキビ黄ニキビニキビ跡
殺菌作用のある洗顔料やローションがおすすめ炎症を抑えるローションやクリームがおすすめ抗生物質配合の塗り薬がおすすめニキビ跡の種類に合わせた治療がおすすめ
・洗顔
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・ピーリング
・抗菌剤
・炎症を抑える薬
・冷やす
・抗菌剤
・炎症を抑える薬
・面ぽう圧出
・ピーリング
・イオン導入
・フォトフェイシャル
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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。

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