小学生のニキビの治し方は?子供のニキビ対策は皮膚科に行くべき?

思春期に多くの人が悩まされるニキビですが、小学生ででき始める人も少なくありません。

ニキビは「尋常性ざ瘡」という皮膚の疾患です。

「子供のニキビはよくあることだから」「成長過程で自然に治るだろう」と軽く考えず、必要に応じて皮膚科を受診しましょう。

思春期のニキビは、ホルモンの分泌が関わっているものも多いですが原因はそれだけではありません。

放置すると悪化したり、精神的な影響が出ることもある子供のニキビ。

小学生のニキビ対策や予防法、親として気をつけたい声の掛け方などについて解説します。

小学生のニキビの原因とは?

鏡を見つめる小学生

心も体も著しく変化する思春期。

小学生のニキビの原因について、正しく理解することで適切な対処ができます。

なぜ思春期にニキビができやすいのか、主な原因について見ていきましょう。

ニキビができる原因は男性ホルモンの分泌

小学生のニキビができる原因には男性ホルモンの分泌が大きく関係しています。

子供のニキビは12〜18歳頃がピーク

その年齢は性ホルモンが活性化し、男の子だけに限らず女の子も男性ホルモンの分泌量が増えます

この男性ホルモンの影響で皮脂分泌が過剰になることがニキビができる原因のひとつです。

また、男性ホルモンの分泌に加え皮脂腺も大きくなり、Tゾーンを中心に顔のさまざまな場所にニキビができやすくなります。

常在菌のアクネ菌の増殖がニキビの原因に

健康な肌にもともと存在するアクネ菌もニキビの原因になります。

アクネ菌は皮脂を餌として増える菌です。

嫌気性菌といって酸素のない場所を好む傾向があり、つまった毛穴内部はアクネ菌にとって好条件の環境になります。

その結果、アクネ菌が増殖して皮膚内部で炎症が起き、ニキビになってしまうのです。

アクネ菌は本来、肌を弱酸性に保つ重要な働きをする常在菌ですが、条件が揃うと必要以上に増殖してニキビの原因になってしまいます。

4タイプあるニキビの種類

ニキビには、白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビと、症状によって4つのタイプがあります。

ニキビのタイプ 症状
白ニキビ(閉鎖面皰) ・コメドといわれるニキビ初期の状態
・毛穴がふさがり中に皮脂がたまっている
・数日で自然に治ることもあるが悪化すると数ヶ月治らないことも
黒ニキビ(解放面皰) ・つまった毛穴が開いて酸化している状態
・皮脂や古い角質が黒っぽく変色している
赤ニキビ(炎症性皮疹) ・毛穴がつまりアクネ菌が増殖し炎症を起こしている
・神経を刺激し痛みが出ることもある
黄ニキビ(嚢胞) ・膿がたまり嚢胞ができている
・放置するとニキビ跡が消えないほど悪化することも

ニキビのタイプに合わせて適切な治療をする必要があります。

小学生のニキビ対策は皮膚科に行くべき?

塗り薬

ニキビくらいで皮膚科を受診してもいいのかな、と躊躇する方もいるかもしれません。

でも、安易に自分で対処しようとすると皮膚を刺激してしまい、悪化してニキビ跡が残る可能性もあります。

皮膚科では、症状に合わせた適切な治療が可能です。

小学生のニキビで皮膚科を受診することのメリットについて解説します。

メリット①ニキビ跡が残りづらい治療を受けられる

皮膚科を受診することで、ニキビの種類や肌質に合った適切な治療を受けられます。

自分でニキビを触ってしまったり間違った処置をしてしまうと、かえって悪化しニキビ跡が残ってしまう可能性も。

皮膚科でニキビの種類や肌質に合わせて治療することで、ニキビを悪化させず肌への負担も最小限に治療ができます。

塗り薬や飲み薬、その他の治療法も含め、医師に相談しましょう。

メリット②ニキビ予防のためのスキンケアを学べる

皮膚科では、できてしまったニキビの治療以外にもスキンケアについて聞くことができます。

知らず知らずのうちに、ニキビができやすい環境を作っていたり、できてしまったニキビを悪化させる行動をとっていることもあるでしょう。

ニキビを予防するためのスキンケアや生活習慣についても医師に相談できるので、ニキビで悩む場合は皮膚科の受診をおすすめします。

小学生のニキビの治し方

皮膚科

ニキビには白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビとさまざまな状態があり、ニキビの状態に合わせて塗り薬や内服薬、専用の器具などを使って治療を行います。

小学生のニキビ治療も大人と同様に保険適用が可能です。

肌のタイプによっては炎症を起こしやすかったり敏感肌の人もいるので、肌の状態に合わせて皮膚科医が適切な処置を行います。

ここからは小学生のニキビの治療法について見ていきましょう。

塗り薬

小学生のニキビは多くの場合が塗り薬で治療が可能です。

毛穴のつまりを改善する・余分なアクネ菌を殺菌する・古い角質を除去するなど、目的に合わせて適切な塗り薬を使用します。

飲み薬

炎症を起こしているニキビには、抗生剤の飲み薬を使用して治療する場合もあります。

ニキビの状態に合わせて、場合によっては漢方薬を使用することも。

症状によっては塗り薬と飲み薬を併用して治療を行います。

面ぽう圧出術

面ぽう圧出とは、ニキビの表面に専用の器具で小さな穴をあけ、面ぽう圧出器で毛穴内部にたまった余分な皮脂や細菌を押し出します。

皮脂や細菌を取り除くことによって炎症を抑え、ニキビの症状を改善させます。

面ぽう圧出術も皮膚科で受けられる保険適用の治療です。

小学生のニキビの予防方法

洗顔する小学生

ニキビは早めに皮膚科を受診して治療することが大切ですが、そもそもニキビができづらい環境を作ることも大事です。

毎日のスキンケアや生活習慣に気をつけて、ニキビを予防しましょう。

小学生でもできる、ニキビ予防について紹介します。

スキンケアを正しく行う

ニキビを予防するためには、朝と夜1日2回の洗顔を行いましょう。

洗顔の回数が多すぎると、必要な油分まで取り除いてしまい逆効果のため、1日2回程度が適切です。

ぬるま湯で顔を濡らし洗顔フォームで優しく洗います。

肌の皮脂は30℃以上で溶けやすくなるため、ぬるま湯の温度は32℃くらいが理想的です。

洗顔後は優しく拭いて、しっかりと保湿しましょう。

乾燥もニキビの原因になるので、保湿することもニキビ予防として重要です。

また、紫外線もニキビなど肌荒れの原因になるので、外に出るときは日焼け止めを塗りましょう。

バランスのいい食事と睡眠時間に気を付ける

生活習慣を整えることも、ニキビ予防には重要です。

バランスのとれた食事に気をつけて、質の良い睡眠を十分とりましょう。

午後10時〜午前2時はゴールデンタイムと言われ、成長ホルモンがたくさん分泌されます。

成長ホルモンは肌を健康に保ち、ニキビを予防するのに重要な役割を担っているため、十分な睡眠時間を確保しましょう。

また、便秘はニキビの原因になります。

バランスの取れた食事によって、便秘を予防すると同時にニキビができにくい肌環境を作りましょう。

肌に刺激を与えない

ニキビを予防するには、髪型にも配慮する必要があります。

前髪が長すぎておでこや頬を刺激することもニキビの原因の1つです。

皮膚を刺激しないよう髪の毛を適切な長さにし、清潔にしましょう。

また、ニキビが気になり自分の手でニキビを触ってしまうことも症状を悪化させる原因になります。

ニキビが気になる子供への対応は?

鏡を見つめる小学生

思春期の子供にニキビができてしまっても「そのうち治るよ」「気にしすぎだよ」という声掛けは厳禁です。

ニキビについて、親に言わずに悩む子も多いと言われています。

ニキビに悩む子供の調査データ
参照元:https://www.shionogi.com/content/dam/shionogi/jp/news/pdf/2011/111026.pdf

インターネットの調査では、ニキビに悩む子供と親の認識の違いに2倍近くの差があるというデータもあります。

子供からは悩みを打ち明けづらい可能性もあるので、親は皮膚科への受診も含めて相談しやすい雰囲気を作ることを心がけましょう。

まとめ

家族の団欒

小学生のニキビは保険適用で皮膚科での治療が可能です。

自分で治そうとせず、できるだけ早い段階での受診をおすすめします。

思春期のニキビは心への影響も大きく、親に相談せずに子供が一人で悩んでしまうことも。

ストレスもニキビの原因になってしまうので、子供が一人で悩まない相談しやすい雰囲気作りを心掛けたいですね。

皮膚科では、ニキビの治療以外に予防についても相談できます。

ニキビだからと軽く考えず、早めに皮膚科へ受診しましょう。

ニキビは皮膚科で一緒に治そう

どこに行ってもニキビが治らない

ニキビが治ってもまた再発してしまう

治療を始めてから悪化しているような気がする

今のニキビ治療をこのまま続けても大丈夫?

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。

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