ニキビが顔全体に突然大量発生する原因は?急に増えたニキビの治し方や対処法

突然、ニキビが顔全体や背中に大量発生すると、原因が分からず不安になりますよね。

ニキビはさまざまな要因で発症し、繰り返しできる皮膚の炎症なので、大量に突然できてしまうことがあります。

この記事では、ニキビが急に大量発生する原因や効果的な治し方を詳しく解説します。

ニキビが突然大量発生する原因は?

そもそもニキビとは、尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)と呼ばれる皮膚の炎症です。

さまざまな原因で皮脂が過剰分泌し、アクネ菌が増殖することで、毛穴詰まりが起こりニキビができます。

皮脂が過剰分泌して、ニキビが大量発生する原因には、以下のようなことが考えられます。

食生活の乱れ

ニキビが突然できる原因には、偏った食事や暴飲暴食など、食生活の乱れが考えられます。

脂っこい食事や糖分の多いデザート、清涼飲料水などを多く摂ると、栄養バランスが乱れて皮脂が過剰分泌し、ニキビができやすくなります。

特に脂質や糖分の多い食事は血糖値が上昇し、ニキビの発生だけでなく、体重増加や内臓の負担など、体にも悪影響を及ぼします。

ニキビが突然大量にできた場合は、まず食生活を見直すことが大切です。

睡眠不足

睡眠不足が続くと、成長ホルモンが低下し、肌のターンオーバーが乱れてニキビや肌荒れが起こりやすくなります。

成長ホルモンは睡眠中に活性化し、肌のターンオーバーを促すことで古い角質を排出し、新しい皮膚へと生まれ変わります。

しかし、睡眠不足が続くと肌の新陳代謝が正常に行われないので、古い角質が残り、皮脂が詰まりやすくなってニキビができます。

肌の乾燥

肌が乾燥すると、肌にうるおいを補おうと皮脂が過剰に分泌し、ニキビができる原因になります。

エアコンによる空気の乾燥やストレス、偏った食事間違った洗顔やスキンケアなど、さまざまな要因で肌が乾燥します。

肌が乾燥するとバリア機能が低下し、ターンオーバーも乱れるので、毛穴詰まりや肌荒れ、小じわなどの原因にもなります。

そのため、日頃から保湿ケアや適切なスキンケアを行うことが大切です。

ストレス

ストレスを受けると、男性ホルモンの一種であるアンドロゲンが多く発生し、皮脂が多く分泌されるので、ニキビが大量にできてしまう原因になります。

また、強いストレスを受けたり、慢性的なストレスによって、ホルモンバランスが乱れるので、繰り返しニキビができやすく、ニキビ跡が残る可能性もあります。

特に20代以降にできる大人ニキビは、ストレスも原因の一つなので、自分なりのストレス発散法を見つけて、ストレスを発散するとよいでしょう。

突然大量のニキビができた時の対策・対処法

突然大量のニキビができてしまった時は焦らず、早めに治療や対策をとることが大切です。

ニキビができてしまった時は、主に3つの対処法があります。

生活習慣を見直す

ニキビが大量にできてしまった時は、まず生活習慣の見直しが大切です。

偏った食事や睡眠不足、運動不足は、皮膚のターンオーバーが乱れる原因にもなります。

バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動を行うことで、ターンオーバーも正常化し、古い角質が排出され、健やかな皮膚へと生まれ変わることができます。

まずは、生活習慣を見直し、規則正しい生活を心掛けてみましょう。

ニキビ肌に合ったスキンケア製品を使う

ニキビが突然できた時は、普段使っているスキンケアではなく、ニキビ肌に合ったスキンケア製品に変えてみるのも一つの方法です。

ニキビ肌のスキンケア製品は、アクネ菌を抑制する成分が配合されていたり、油分が抑えらているので、ニキビの悪化を防ぐことができます。

ニキビ肌向けのスキンケア製品を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

    • ・低刺激
    • ・ノンコメドジェニックテスト済み
    • ・オイルフリー処方
    • ・抗菌成分や殺菌成分が配合されている

 

油分が多いオイルクレンジングやクリームを使っていると、肌に余った油分が酸化し、ニキビができたり、悪化する原因にもなります。

また、ニキビができた肌はバリア機能が低下しているので、低刺激タイプのものやノンコメドジェニックテスト済みの化粧水や乳液がよいでしょう。

ノンコメドジェニックとは、油分を抑えて作られた基礎化粧品のことで、コメド(面ぽう)と呼ばれる皮脂の芯を防ぐ効果があります。

ニキビができている時は、オイルフリー処方のクレンジングやアクネ菌の増殖を抑制する抗菌成分、殺菌成分が配合されているスキンケア製品がおすすめです。

皮膚科で治療を行う

ニキビが突然大量発生した場合は、早めに皮膚科を受診し治療を行いましょう。

皮膚科では、症状に合わせて治療薬を処方してくれるほか、アレルギー対応も行なっているので、一人ひとりの症状に合った治療を受けることができます。

また、早期に治療を行うことでニキビの悪化を防ぎ、ニキビ跡も予防することができます。

特に炎症を起こしている場合は、セルフケアで改善することは難しいので、早めに治療を行うことが大切です。

皮膚科でのニキビ治療

繰り返しできるニキビを早期に改善したい人は、皮膚科でのニキビ治療がおすすめです。

皮膚科では、保険診療で行える治療と自費診療で行えるニキビ治療があり、ニキビの改善や美肌ケアを行うことができます。

皮膚科でのニキビ治療には、主に6つの方法があります。

塗り薬による治療

皮膚科では、ニキビの症状に合わせて、ニキビの炎症を抑える作用やアクネ菌の殺菌作用、毛穴詰まりを取り除く効果がある外用薬を処方します。

【主な外用薬】

    • ・アダパレン …皮膚のターンオーバーを促進し、毛穴詰まりを改善、赤ニキビを予防する
    • ・べピオゲル(過酸化ベンゾイル) …ニキビの原因であるアクネ菌や黄色ブドウ球菌の抑制、殺菌作用、古い角質を取り除き毛穴詰まりを改善
    • ・デュアック …抗菌作用や抗炎症作用があり、赤みや炎症のニキビを改善
    • ・エピデュオゲル …アダパレンとべピオゲルの成分を配合した薬、殺菌作用やピーリング作用で毛穴詰まりを改善

 

ニキビの初期段階である白ニキビや黒ニキビは、炎症や痛みがなく、セルフケアでも改善することが可能ですが、赤く炎症が起きたニキビや化膿したニキビは、抗生物質の塗り薬での治療が効果的です。

飲み薬による治療

ニキビの治療には、体の内側から改善する内服薬もあり、必要に応じて塗り薬と併用して治療を行います。

【主な飲み薬】

    • ・内服抗菌薬 …抗炎症作用があり、炎症を起こした赤ニキビや化膿した黄ニキビを改善
    • ・漢方薬 …体質改善や免疫を上げる効果があり、初期段階のニキビや炎症の軽いニキビを改善
    • ・ビタミン剤 …ビタミンB群、ビタミンCなど、肌荒れやニキビ予防に効果的

 

炎症が起きているニキビの治療には、アクネ菌の殺菌や炎症を抑える作用がある内服抗菌薬が処方されます。

また、漢方薬は内服抗菌薬よりは効果が緩やかですが、体質改善の目的や色々な治療法を行なっても症状が改善しない場合、副作用で服用できない場合に処方する場合があります。

他にもニキビ予防や体質改善を目的として、ビタミン剤の処方も可能です。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、グリコール酸、サリチル酸などの薬剤を肌に塗布し、古い角質や皮脂を取り除く施術です。

ケミカルピーリングを行うと、肌のターンオーバーが正常化し、ニキビの改善はもちろん、黒ずみ、ニキビ跡、くすみの改善など、美肌ケアや肌質改善にも効果的な治療です。

ケミカルピーリングは複数回行うことで、ニキビの改善が期待できます。

目安としては、炎症の起きたニキビは約5〜6回、化膿した重度のニキビは10回程度の施術を行うとよいでしょう。

イオン導入

イオン導入とは、ニキビに有効な薬剤を顔に塗布し、微弱な電流が流れる専用機器で、肌の奥深くに美容成分を浸透させ、ニキビを治療する施術です。

特に抗酸化作用のあるビタミンAやビタミンCは、普段のセルフケアでは吸収しにくい成分なので、イオン導入の微弱電流によって、肌の奥に成分をしっかり浸透させることができます。

イオン導入を行うと、ターンオーバーが正常化し、ニキビの改善やハリ・ツヤのある美肌効果が期待できます。

面ぽう圧出

面ぽう圧出とは、ニキビができる初期段階のコメドと呼ばれる皮脂の塊に専用の器具で小さく穴をあけ、毛穴に詰まった皮脂や膿を押し出す方法です。

肌へのダメージニキビ跡になるリスクも少ない施術です。

さまざまなニキビの症状で行えますが、特に炎症前の白ニキビの改善に効果的な治療法です。

レーザー治療

炎症の起きた赤ニキビや化膿したニキビ、ニキビ跡を早期に改善する方法として、光治療や炭酸ガスレーザー治療などの施術があります。

    • ・光治療 …IPLや BBLというカメラのフラッシュのような光を照射し、肌細胞の活性化、炎症を和らげる
    • ・炭酸ガスレーザー …ニキビの腫れを抑えて、ニキビの再発や色素沈着を予防する

 

肌にレーザーを照射し、創傷治癒作用で真皮層のコラーゲンを再生させるので、ニキビ跡の改善にも効果的です。

また、レーザーにはアクネ菌を殺菌する効果があるので、炎症の鎮静やニキビの再発防止も期待できます。

突然の大量ニキビを予防する方法

突然大量にニキビができると、すぐに改善することは難しいので、ニキビを発生させないためには、日頃からのケアが重要です。

ニキビ予防に効果的な方法は以下のとおりです。

適切なスキンケアを行う

ニキビを予防するためには、清潔な肌を保ち、毛穴詰まりを防ぐことが大切です。

間違ったスキンケアを行なっていると、ニキビができる原因にもなるので、適切なスキンケアを行ましょう。

【洗顔する時はゴシゴシと洗わない】

まず、洗顔ではゴシゴシと擦って洗ってしまうと、肌に負担がかかりニキビができる原因になります。

洗顔する時は、洗顔料をたっぷり泡立ててからクルクルとやさしく洗いましょう

【ぬるま湯で洗い残しがないように洗い流す】

洗い流す時に40度以上の熱いお湯で洗い流すと、肌に必要な皮脂まで失ってしまい、皮脂が過剰に分泌してニキビができやすくなります。

そのため、洗顔するときは35〜38度程のぬるま湯で洗い流しましょう。

また、メイクなどの洗い残しがあると、残った油分をエサにアクネ菌が増殖する原因にもなります。

特にフェイスラインや生え際など、洗い残しがないようにしっかり流しましょう

【洗顔後は保湿ケアを忘れずに】

洗顔後は肌の水分が減少し、乾燥しやすい状態になっているので、5分以内を目安に保湿ケアを行いましょう。

保湿性に優れているセラミドやヒアルロン酸、ヘパリン類似物質などの成分が配合された製品がおすすめです。

栄養バランスの良い食事を心掛ける

ニキビを予防するためには、日頃から栄養バランスの良い食事を心掛け、腸内環境を整えることが大切です。

肌のターンオーバーを正常化する栄養素として、以下の食べ物がおすすめです。

    • ・ビタミンB群 …鶏肉、豚肉、レバー、サバ、玄米、バナナなど
    • ・ビタミンC …キウイ、オレンジ、グレープフルーツ、ブロッコリーなど
    • ・ビタミンE …アーモンド、ごま、オリーブオイル、うなぎなど
    • ・タンパク質 ...卵、大豆、鶏ささみ、鮭、マグロの赤身など
    • ・食物繊維 …さつまいも、ごぼう、納豆、わかめ、きのこ類など

 

なるべくジャンクフードは避け、栄養のある食べ物を摂るようにしましょう。

食べ物だけで難しい場合は、サプリメントで不足しがちな栄養素を摂るのもおすすめです。

しっかり睡眠をとる

疲労回復やストレス緩和など、就寝中にはさまざまな身体の機能が整えられるので、睡眠はとても重要です。

肌においては、肌のダメージを修復したり、古い角質を排出し、肌の環境を整えて健やかな肌へと生まれ変わる時間です。

特に夜10時〜2時の時間帯は「お肌のゴールデンタイム」と呼ばれており、成長ホルモンが活性化し、ターンオーバーが促進されるので、その時間帯に熟睡しているとニキビや肌荒れの改善や予防に効果的です。

良い眠りにつくためにも、就寝前にスマホやテレビは避けて、寝る環境を整えましょう。

定期的にストレスを発散する

強いストレスを受けるとニキビが大量発生する原因になります。

また、慢性的なストレスは繰り返しニキビができたり、悪化する原因にもなるので、定期的にストレスを発散することがニキビ予防だけでなく、身体の健康維持のために大切です。

適度に運動を行なったり、ゆっくり湯船に浸かると、自律神経が整えられ、ストレスが緩和されます。

また、自分の好きな音楽を聴いたり、アロマやヨガなどもおすすめです。

時間に余裕がある時は、心身ともにリフレッシュする機会を作るとよいでしょう。

紫外線対策をする

紫外線を浴びると、肌のバリア機能が低下し、ニキビが悪化したり、大量にニキビができる原因になります。

また、ニキビができている部分やニキビ跡は、紫外線によってメラニン色素が増加し、シミになってしまう可能性もあります。

そのため、夏場だけでなく、1年中紫外線対策を行うことが大切です。

曇りの日でも紫外線が多い時があるので、日焼け止めクリームを塗ったり、日傘や帽子などで日頃から紫外線対策をしっかり行いましょう。

まとめ

今回は、突然ニキビが大量発生する原因や対処法、日頃の予防ケアについて解説しました。

    • ・偏った食事や睡眠不足、ストレスなど、さまざまな原因でニキビができる
    • ・ニキビが大量に発生した場合は生活習慣を見直す
    • ・早期にニキビを改善するためには皮膚科での治療がおすすめ
    • ・適切なスキンケア方法でニキビを予防する

 

ニキビはさまざまな要因で突然大量に発生することがあります。

ニキビが突然できた場合は、まず生活習慣の見直しや適切なスキンケアを行いましょう。

しかし、ニキビが繰り返しできてしまう人や早くニキビを改善したい人は皮膚科での治療がおすすめです。

治療薬の処方や日頃のアドバイスなど、効率よく治療を行うことができるので、ニキビで悩んでいる場合は気軽に相談しましょう。

ニキビ治療なら
MBC皮膚科へご相談ください

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。