ハイドロキノンでシミは消える?効果や使い方・市販品の注意点まで徹底解説!

シミを改善したいと思って調べているうちに「ハイドロキノン」という成分を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

ハイドロキノンは、高い美白成分から「肌の漂白剤」とも呼ばれており、その強力な美白効果で多くのシミにアプローチできる成分として知られています。

本記事では、ハイドロキノンの効果や特徴について詳しく解説します。

ハイドロキノンで消せるシミと消せないシミやハイドロキノンの正しい使い方、ハイドロキノン配合の市販品の注意点なども紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

ハイドロキノンとは?効果や特徴を解説!

ハイドロキノンとは、イチゴやブルーベリーなどのイチゴ類、麦芽、コーヒー、紅茶など自然界にも存在する成分です。

高い美白効果から「肌の漂白剤」とも呼ばれており、還元作用があるために写真の現像の際に使われていましたが、その際に作業者の手が白くなったことで美白作用が発見されたといわれています。

ハイドロキノンの美白成分は世界でも注目を集めており、欧米では1940年代以降から美白ケアとして使用されています。

日本では2001年の薬事法改正により化粧品への配合が許可されました。

ハイドロキノンの主な効果・特徴は、以下の通りです。

ハイドロキノンの効果・特徴

  • メラニンの生成抑制
    シミのもととなるメラニン色素は、表皮の基底層にあるメラノサイトでつくられますが、その生成においてチロシナーゼという酵素がもっとも重要な働きを行っています。
    ハイドロキノンがチロシナーゼの活性を阻害することで、メラニン色素の生成を抑制することが可能です。
  • メラノサイトへの細胞毒性
    ハイドロキノンには、メラニンの生成を行うメラノサイトに対して選択的な細胞毒性があると考えられています。
    これにより、色素生成を担う細胞そのものの活性が下がり、結果的に美白効果が生じます。
  • メラニンの還元作用
    ハイドロキノンは還元剤として働き、メラニンを還元型に変化させることで、すでに皮膚に沈着したメラニン色素の色味を一時的に薄くすることができます。

つまり、ハイドロキノンはメラニンの生成を抑制し、メラニンを作る細胞を減少させ、すでに存在するメラニンを薄くするという多角的なアプローチをすることができるのです。

ただ、ハイドロキノンは強力な成分であるため、副作用がでてしまうリスクもあります。

  • 刺激や赤み、かぶれ
  • 白斑(部分的な色素脱失)

白斑は長期間の使用や高濃度での使用によって、メラノサイトが過度に破壊され、皮膚の一部が白く色抜けしてしまう状態です。

適切な使用方法と医師の管理下であれば白斑のリスクは非常に低いとされていますが、自己判断で高濃度のハイドロキノンを長期間使用することは避けるのがよいでしょう。

医療用と市販品の濃度の違い

ハイドロキノンには、医療用と市販品があり、その最大の違いは配合されているハイドロキノンの濃度です。

医療用のハイドロキノンの濃度は4~10%程度、市販品の濃度は1~4%程度(2%以下のものが多い)とされています。

項目医療用市販品
濃度4~10%程度1~4%程度
(2%以下のものが多い)
入手方法医師の診察・処方が必要ドラッグストア、通販、化粧品
効果効果が強い比較的マイルド
副作用のリスク刺激や白斑などのリスクあり少ないが長期使用には注意
使用の自由度医師の指導の下で使用自己判断で使える

ハイドロキノンの濃度が高いと、それに比例して効果は強くなりますが、一方で肌への刺激や副作用のリスクは高くなります。

ただ、医療用のハイドロキノンは、医師の診察のもと処方され、医師の指導の下で使用するため、万が一副作用が出た場合には医師が適切に対応してくれるので安心です。

市販品のハイドロキノンは濃度が低いため、医療用と比較して効果は緩やかですが、副作用のリスクも低く、入手もしやすいのが特徴です。

より高い美白効果やシミの改善を求める場合は医療用のハイドロキノン、初めてハイドロキノンを試す場合や薄いシミなどのケアを目的とする場合は市販品を選ぶのがよいでしょう

ハイドロキノンで消せるシミと消せないシミ

ハイドロキノンは、強力な美白効果からシミの治療に用いられていますが、すべてのシミに効果があるわけではありません。

ハイドロキノンで消せる(改善が期待できる)シミは、皮膚の浅い部分にメラニン色素が沈着しているタイプのシミです。

ハイドロキノンで消せる(改善が期待できる)シミ

  • 老人性色素斑
  • 炎症後色素沈着
  • 肝斑
  • 雀卵斑

これらのシミは、ハイドロキノン単体での治療でも効果が期待できますが、トレチノインと併用するとより効果的です。

一方で、メラニンが皮膚の深い部分(真皮層)にあるタイプのシミや遺伝・生まれつきのシミにはほとんど効果がありません

ハイドロキノンで消せない(改善が期待できない)シミは、以下の通りです。

  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
  • 太田母斑
  • 扁平母斑

これらのシミに関しては、レーザー治療などが必要となります。

ご自身のシミがどのタイプのシミであるか、ハイドロキノンが有効であるかなどは自己判断せず、クリニックを受診するのがおすすめです。

シミの種類によってはハイドロキノン使用は医師の判断が必要なケースもあることを覚えておきましょう。

ハイドロキノンの正しい使い方

ハイドロキノンをより効果的に使用するためには、ハイドロキノンを正しく使うことが重要です。

ハイドロキノンの正しい使い方のポイントは、以下の通りです。

ハイドロキノンの正しい使い方のポイント

  • 1日1回夜の洗顔後に使用
  • 紫外線対策が必須
  • 副作用が出たら使用を控える

ハイドロキノンは、1日1回夜の洗顔後に使用することが推奨されています。

洗顔後にしっかりと保湿をしたあとに、シミが気になる部分にハイドロキノンを薄く塗りましょう。

ハイドロキノンの使用中の肌は、非常にデリケートな状態となるため、日中の紫外線対策が必須となります。

ハイドロキノンを塗布した肌に紫外線を浴びてしまうとメラノサイトが刺激を受けて、過剰にメラニンを生成し、かえってシミが濃くなってしまう恐れがあるので、注意が必要です。

また、ハイドロキノンは強力な成分ゆえに、赤みやかぶれなどの副作用がでてしまうこともあります。

万が一副作用がでてしまったら、ハイドロキノンの使用を中止し、クリニックで相談しましょう。

使用頻度と期間の目安

先述しましたが、ハイドロキノンは基本的に1日1回、洗顔後に使用します。

効果が実感できるまでの期間には個人差がありますが、一般的には2~3ヶ月程度で効果を実感できるケースが多いです。

ただ、ハイドロキノンは効果が強力であるため、長期の連続使用は推奨されていません

連続で6ヶ月程度使用した場合には、肌を休ませるために、一度休薬期間を設けるのがよいでしょう。

ハイドロキノン配合の市販品の注意点

日本では、2001年の薬事法改正によりハイドロキノンの化粧品への配合が許可されました。

そのため、現在ではさまざまなメーカーからハイドロキノン配合の化粧品が販売されています。

市販のハイドロキノンは手軽に手に入れることが可能で、医療機関で処方されるハイドロキノンと比べて濃度が低いため、肌への刺激も抑えられています。

ただ、濃度が低い場合でも副作用がでてしまう可能性はあるので、注意が必要です。

万が一肌トラブルなどの副作用がでてしまったら医療機関を受診しましょう。

また、市販品であってもハイドロキノン配合のものを使用する場合は、紫外線対策を徹底してください。

日中は必ず日焼け止め(SPF20以上推奨)を使用し、帽子や日傘などを活用するのもおすすめです。

さらに注意したいのが、ハイドロキノンの保管方法です。

ハイドロキノンは、光や空気、熱に弱く、酸化しやすい性質を持っています。

そのため、開封後は冷暗所に保管し、使用頻度や使用量は厳守しつつもできるだけ早く使い切るようにしましょう。

万が一、製品の色やにおいが変化した場合は、使用を中止してください。

市販のハイドロキノンは自宅で手軽にシミケアができる選択肢ですが、その特性を理解し、慎重に使用することが大切です。

通販からの購入は要注意

ハイドロキノンを通販で購入する際には、健康被害につながるリスクがあるため、十分な情報収集と慎重な判断が必要です。

海外で製造された製品は、日本の医薬品・医療機器等法(薬機法)に基づく承認を受けていないため、品質や有効性、安全性が保証されていません

成分表示が正確でなかったり、不純物が混入していたり、危険な成分が配合されている可能性もあります。

また、日本で市販されている製品よりもはるかに高濃度のハイドロキノン製品が販売されているケースもあり、高濃度であればその分肌への刺激が強く、副作用を引き起こすリスクも高くなるため、注意が必要です。

さらに、個人輸入した製品の使用によって健康被害が生じても、日本の救済制度の対象外となってしまうため、十分な補償が受けられない恐れもあります。

通販で購入する際には、信頼できるサイトを選ぶこと、成分表示や注意事項の確認を怠らないことが重要です。

あなたの肌の健康を守るためにも、通販でのハイドロキノンの購入は慎重に行いましょう。

医療機関で処方されるハイドロキノンとは?

医療機関で処方されるハイドロキノンは、市販品よりも高濃度で効果も比較的高いのが特徴です。

医療機関で医師の診察と処方がなければ入手することができませんが、医師があなたの肌の状態やシミの種類などを見極めてあなたに合った処方を行います。

医師の管理下で使用するので、万が一副作用が出た場合でも、医師が迅速に適切な処置や指導を受けることが可能です。

副作用のリスクを抑えるためにも、医療機関でハイドロキノンの処方を受けたら、医師が指示した塗布量と範囲、塗布のタイミング、使用期間などを必ず守りましょう。

「ハイドロキノンは医療機関で処方を受けたら保険が適用される」と思っている方もいますが、医療機関で処方を受ける場合でも保険適用外の自由診療となるのが一般的です。

日本の医療制度では、保険が適用されるのは「病気や怪我の治療」に対してであり、「美容目的」は保険適用の対象外となります。

そのため、ハイドロキノンの処方を受ける場合、全額自己負担となります。

ハイドロキノンの処方にかかる費用の目安は、以下の通りです。

ハイドロキノンの処方にかかる費用の目安

  • 初診料/再診料
    ・初診料 3,000〜5,000円程度
    ・再診料 1,000〜3,000円程度
  • 薬剤費
    濃度や内容量、クリニックによって異なる
    (4〜5%濃度のハイドロキノンクリーム(5g〜10g程度)2,000円〜5,000円程度)
  • その他
    必要に応じて他の薬剤や施術を併用する場合は、別途その費用がかかる

ハイドロキノンのよくある質問

ハイドロキノンのよくある質問にお答えします。

ハイドロキノンは使用をやめるとどうなる?

ハイドロキノンの使用をやめると、徐々にシミが元の状態に戻ってしまう可能性があります

ハイドロキノンにはメラニンの生成を抑制する効果がありますが、シミの原因そのものをなくすわけではありません。

そのため、ハイドロキノンの使用をやめるとメラニン生成の抑制効果がなくなり、メラニンの生成が再開されます。

紫外線や摩擦・炎症などの肌の刺激によって、再びシミができてしまう恐れがあることを覚えておきましょう。

妊娠中・授乳中は使える?

ハイドロキノンの妊娠中・授乳中の使用については、基本的に推奨されていません

妊娠中・授乳中は、ホルモンバランスが大きく変化するため、肌が非常に敏感になったり、不安定になったりすることがあります。

普段よりも肌トラブルのリスクが高いため、ハイドロキノンの使用は控えるべきです。

シミが気になる場合には、自己判断せず、皮膚科医や産婦人科医に相談することをおすすめします。

他の美白成分との併用はできる?

ハイドロキノンは、他の美白成分と併用可能ですが、組み合わせや使い方に注意が必要です

適切に使えば相乗効果が期待できますが、組み合わせによっては刺激や乾燥が強く出ることもあります。

ハイドロキノンとの併用がよく行われる美白成分は、以下の通りです。

  • トレチノイン
  • ビタミンC誘導体
  • トラネキサム酸
  • ナイアシンアミド
  • アルブチンなど

医療機関でハイドロキノンを処方されている場合は、他のスキンケア製品や美白成分を併用する前に、必ず担当医に相談してください。

まとめ

今回の記事のポイントは、以下の通りです。

  • ハイドロキノンには、メラニンの生成抑制・メラノサイトへの細胞毒性・メラニンの還元作用が期待できる
  • ハイドロキノンはシミに高い効果があるが、使い方を誤ると副作用のリスクもある
  • 自分のシミタイプを見極め、医療機関と相談しながらの使用がおすすめ
  • ハイドロキノンは、医療機関以外に市販でも入手できる
  • 市販品・処方薬ともに特徴を理解し、正しくケアを行うことが大切

ハイドロキノンは、メラニンの生成抑制・メラノサイトへの細胞毒性・メラニンの還元作用が特徴で、シミに高い効果が期待できます。

しかし、ハイドロキノンは強力な成分であり、副作用がでてしまうリスクもあるため、使用には注意が必要です。

また、ハイドロキノンは、すべてのシミに効果があるわけではないため、自分のシミタイプを見極め、医療機関と相談しながら使用するのがおすすめです。

医療機関以外にもハイドロキノン配合の市販品もありますが、市販品・処方薬ともに特徴を理解し、あなたに合った適切なケアを行いましょう。

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シミの状態によって
効果的な治療方法があります

老人性色素斑肝斑
老人性色素斑肝斑
日焼け跡に色素が沈着してしまったものホルモンバランスの乱れが原因
【効果的な治療法】
・レーザー治療
・内服・外用内服治療
【効果的な治療法】
・ピコトーニング
そばかす炎症後色素沈着
そばかす炎症後色素沈着
雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれる小さなシミの集まりニキビや虫刺されに伴う炎症
【効果的な治療法】
・ピコスポット
【効果的な治療法】
・内服・外用内服治療

美容皮膚科でシミ治療

美容皮膚科でできるシミ治療の種類

  • ケミカルピーリング
    皮膚表面の角質を除去してターンオーバーを整える
  • イオン導入
    皮膚に微弱な電流を流して美容成分を肌の奥に浸透させる
  • ピコレーザー
    レーザーを照射し、メラニン色素を破壊
  • ダーマペン
    細い針で皮膚表面に穴を作り、自然治癒力やターンオーバーを整える
  • ポテンツァ
    ダーマペンの進化版。針先から出す熱エネルギーで肌細胞を活性化させる
  • フォトフェイシャル(ステラM22)
    6種類の波長フィルターを症状別に選んでアプローチ

更にこれらのシミは
保険適用で治療できる可能性があります

太田母斑扁平母斑
太田母斑
アザのようなシミで顔の片側にみられることが多い茶色いシミのようなもので身体のどこにでも生じる
異所性蒙古斑外傷性色素沈着
外傷性色素沈着
お尻の周辺ではない部位にあり、大人になっても消えないようなシミケガなどの外傷が原因で生じた、シミやアザ

皮膚科でシミ治療

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。

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