トラネキサム酸のシミへの効果は?肝斑への効果や副作用について解説!

美容目的でトラネキサム酸を服用しているという方も少なくありません。

トラネキサム酸は、人工的につくられたアミノ酸のひとつで、多くの人が頭を悩ませているシミや肝斑にも効果があるといわれています。

ここでは、トラネキサム酸の概要とシミや肝斑への効果、副作用などに関して詳しく解説いたします。

「トラネキサム酸は本当にシミに効果があるの?」「そもそもトラネキサム酸ってなに?」「トラネキサム酸をやめたらどうなるの?」と疑問や不安がある方はぜひ参考にしてください。

トラネキサム酸とは

トラネキサム酸とは、人工的につくられた“アミノ酸”のひとつで、抗炎症薬や止血剤として医療現場で多く用いられてきました

1995年には肌荒れ有効成分、2002年には追加効能として美白有効成分が厚生労働省に認められています。

トラネキサム酸の主な作用は、以下の通りです。

トラネキサム酸の主な作用
  • 止血作用
  • 抗アレルギー・抗炎症作用
  • 肝斑改善成分
  • メラニン生成抑制(シミ改善)作用

トラネキサム酸には、止血薬や抗炎症薬などの医薬品、スキンケア用品や洗顔料などの医薬部外品としての用途があります。

トラネキサム酸のシミへの効果

「トラネキサム酸はシミに効果があるの?」と気になる方も多いでしょう。

結論からいえば、トラネキサム酸はシミの改善効果が期待できます

シミは、メラノサイトから生成されたメラニン色素が肌に沈着したことによって発生します。

通常は、肌のターンオーバーによって、古い角質や垢などとともにメラニン色素を含んだ細胞が排出されるため、シミになることはありません。

しかし、紫外線によるメラニンの過剰生成やターンオーバーの乱れによるメラニンの排出不全などが原因で、メラニンが肌に蓄積し、色素沈着を起こしてしまいます。

トラネキサム酸は、メラノサイトを活性化させる「プラスミン」や「プロスタグランジン」の働きを抑え、メラノサイトの活性化を抑制し、メラニンの生成を阻害することができます

メラニンの生成よりも肌のターンオーバーが上回ることで、シミを改善・予防することができるのです。

また、メラニン色素による肌のくすみやトーンダウンなども改善し、肌のトーンアップや美白効果も期待できるのが、トラネキサム酸の魅力だと言えるでしょう。

トラネキサム酸の副作用

トラネキサム酸は、基本的に副作用が出にくい成分ではありますが、リスクはゼロではありません

トラネキサム酸の副作用として、まれに以下の症状が現れることがあります。

トラネキサム酸の副作用
  • 痒み
  • 発疹
  • 食欲不振
  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢など

人工透析を受けている場合は、痙攣などの副作用が起こる恐れがあるため、注意が必要です。

また、以下の項目に当てはまる方は、トラネキサム酸を使用できない可能性があります。

トラネキサム酸を使用できない可能性がある人
  • 合併症・既往歴等のある方
  • 血栓のある方および血栓症があらわれるおそれのある方
  • 消費性凝固障害のある方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • ピルを服用中の方など

※消費性凝固障害…体内で血液を固める仕組み(凝固)が過剰に活性化することで、正常な血液の流れや止血機能に問題が生じる病態のこと。

これらに当てはまる場合は、トラネキサム酸の使用前にクリニック・ドクターに相談してください。

トラネキサム酸の肝斑への効果

トラネキサム酸は、肝斑の改善効果が期待できます

肝斑とは、シミの一種ですが、一般的なシミ(老人性色素斑)とは異なり、主に紫外線、物理的な刺激、女性ホルモンの乱れが原因で発生します。

一般的なシミと勘違いされやすいですが、基本的に原因や治療法が異なることを覚えておきましょう。

一般的なシミ(老人性色素斑)と肝斑の違いは、以下の表を参考にしてください。

一般的なシミ(老人性色素斑)肝斑
原因紫外線、加齢など女性ホルモンの乱れ
ストレスなど
発生部位顔のあらゆる部位頬骨のあたりや額・口の周辺
濃い茶色~黒色薄い褐色~暗褐色
特徴左右非対称
輪郭がはっきりしている
左右対称
輪郭がぼやけている

一般的なシミ(老人性色素斑)と肝斑の見分けは難しいとされていますが、シミの輪郭や位置などをチェックして判断するのがよいでしょう。

基本的にシミを改善するためには、医療用のレーザーを用いるのが有効とされていますが、肝斑は強い刺激に弱くレーザーを使用してしまうと悪化してしまう恐れもあるので、注意が必要です。

トラネキサム酸であれば、通常のシミだけでなく、肝斑の改善効果も期待できるので、シミと肝斑が混在している場合の治療にも適しています

トラネキサム酸は市販で販売している?

トラネキサム酸は、市販(ドラッグストアなど)で販売されています

トラネキサム酸が配合されている商品には、シミ・肝斑の治療薬や美白ケア商品、のどの痛みや総合感冒薬などが挙げられます。

ただし、トラネキサム酸が配合されていても、目的や使用方法などによって適した商品は異なりますので、不安がある場合は、薬剤師や登録販売者に相談するのがおすすめです。

クリニックで処方される医薬品とドラッグストアなどで購入できるトラネキサム酸には、トラネキサム酸の含有量に違いがあります

トラネキサム酸の含有量
  • 医薬品:〜2,000mg
  • 市販薬:〜750mg

クリニックで処方される医薬品の方が含有量が多いため、より高い効果を期待することができますよ。

「手軽に手に入れたい」「試しにトラネキサム酸を使ってみたい」という場合には市販品、「迅速で効果的な治療を行いたい」という場合にはクリニックで処方を受けるのがよいでしょう。

トラネキサム酸はやめたらシミが戻る?

トラネキサム酸をやめてしまった場合、シミが再発してしまう恐れがあります

トラネキサム酸をやめてしまうと、抑制されていたメラノサイトを活性化させる「プラスミン」や「プロスタグランジン」の働きも通常に戻ります。

「プラスミン」や「プロスタグランジン」の働きが再開すると、メラニンの生成が増加するため、シミが再発してしまう可能性があるのです。

ただ、シミの再発には個人差がありますので、トラネキサム酸をやめてシミが再発してしまった場合は、クリニックで相談することをおすすめします。

まとめ

今回の記事のポイントは、以下の通りです。

  • トラネキサム酸とは「人工的につくられたアミノ酸の一種」
  • トラネキサム酸は、シミ・肝斑の改善効果が期待できる
  • メラノサイトを活性化させる「プラスミン」や「プロスタグランジン」の働きを抑える
  • トラネキサム酸を使っても基本的に副作用が出にくい
  • トラネキサム酸は市販でも購入できるが、クリニックで処方される医薬品とは含有量が異なる
  • トラネキサム酸をやめるとシミが再発する恐れあり

トラネキサム酸は、肌荒れや美白の有効成分として厚生労働省に認められています。

止血作用、抗アレルギー・抗炎症作用、肝斑改善成分、メラニン生成抑制作用などさまざまな作用があり、止血薬・抗炎症薬などの医薬品やスキンケア用品・洗顔料などの医薬部外品といった用途があります。

トラネキサム酸には、メラノサイトを活性化させる「プラスミン」や「プロスタグランジン」の働きを抑える効果があるので、シミや肝斑を改善・予防することができます。

ただ、トラネキサム酸は、基本的に副作用が出にくい成分ではありますが、リスクはゼロではないことを覚えておきましょう。

そして、シミが改善したらトラネキサム酸をやめたいと考えている方も多いと思いますが、トラネキサム酸をやめた場合は、シミが再発する恐れがあるため注意が必要です。

シミの再発には個人差がありますので、トラネキサム酸をやめてシミが再発してしまった場合には、クリニックに相談してみてくださいね。

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MBCのシミ治療とは?

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シミの状態によって
効果的な治療方法があります

老人性色素斑肝斑
老人性色素斑肝斑
日焼け跡に色素が沈着してしまったものホルモンバランスの乱れが原因
【効果的な治療法】
・レーザー治療
・外用内服治療
【効果的な治療法】
・ピコトーニング
そばかす炎症後色素沈着
そばかす炎症後色素沈着
雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれる小さなシミの集まりニキビや虫刺されに伴う炎症
【効果的な治療法】
・ピコスポット
【効果的な治療法】
・外用内服治療

美容皮膚科でシミ治療

美容皮膚科でできるシミ治療の種類

  • ケミカルピーリング
    皮膚表面の角質を除去してターンオーバーを整える
  • イオン導入
    皮膚に微弱な電流を流して美容成分を肌の奥に浸透させる
  • ピコレーザー
    レーザーを照射し、メラニン色素を破壊
  • ダーマペン
    細い針で皮膚表面に穴を作り、自然治癒力やターンオーバーを整える
  • ポテンツァ
    ダーマペンの進化版。針先から出す熱エネルギーで肌細胞を活性化させる
  • フォトフェイシャル(ステラM22)
    6種類の波長フィルターを症状別に選んでアプローチ

更にこれらのシミは
保険適用で治療できる可能性があります

太田母斑扁平母斑
太田母斑
アザのようなシミで顔の片側にみられることが多い茶色いシミのようなもので身体のどこにでも生じる
異所性蒙古斑外傷性色素沈着
外傷性色素沈着
お尻の周辺ではない部位にあり、大人になっても消えないようなシミケガなどの外傷が原因で生じた、シミやアザ

皮膚科でシミ治療

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監修医師

立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会産業医
日本体育協会スポーツドクター
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねた経験をもつ。また、銀座にて美容皮膚科医として、都内皮膚科クリニックにて、皮膚科医としての勤務経験をもつ。

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