中学生の思春期ニキビの薬|市販の塗り薬・飲み薬の選び方と皮膚科の治療【医師監修】

中学生の思春期ニキビは、市販薬を「成分」で選んで正しく使えば、軽いニキビなら様子を見られることもあります。

ただし、赤く腫れて痛いニキビや膿をもったニキビ、1ヶ月ほど市販薬を使っても良くならないニキビは、皮膚科の受診がおすすめです。

皮膚科では、ニキビの種類に合わせて保険診療で治療を受けられます。

この記事では、中学生の思春期ニキビの原因、市販の塗り薬・飲み薬の選び方、皮膚科で使われる治療薬、受診の目安を、皮膚科の視点でまとめます。

市販薬で様子を見る?皮膚科を受診する?判断の目安

まずは、今のニキビの状態で判断の目安を確認しましょう。

市販薬を試してもよい目安
  • 白ニキビ・黒ニキビが少しある(赤みや痛みはない):洗顔などのスキンケアを見直し、市販薬を試してもよい
  • 赤ニキビが数個ある:市販薬を試し、1ヶ月ほどで良くならなければ受診
皮膚科を受診したい目安
  • 赤く腫れて痛い・膿をもっている(黄ニキビ):早めに皮膚科を受診
  • 顔全体や背中に広がっている・くり返しできる:皮膚科を受診
  • ニキビ跡(へこみ・赤み・茶色いしみ)が残り始めた:早めに皮膚科を受診

ニキビ跡のへこみ(クレーター)は、一度できると治りにくいため、炎症が強いニキビほど早めの治療が大切です。

中学生の思春期ニキビの原因とは?

鏡を見つめる女性

ニキビは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる皮膚の病気です。

中学生の思春期ニキビができる仕組み

思春期になると、男性ホルモンなどのホルモンの影響で皮脂の分泌が増えます。

同時に毛穴の出口の角質が厚くなって毛穴が詰まり、詰まった皮脂の中でニキビの原因菌(アクネ菌)が増えることで、炎症が起きます。

男女とも、思春期にはこのホルモンの変化が起きるため、中学生の時期はニキビができやすくなります。

思春期ニキビは、皮脂の多いおでこや鼻などのTゾーンにできやすい傾向があります。

ニキビの種類

ニキビは、進み具合によって次のように分けられます。種類によって合う薬が変わります。

ニキビの種類
ニキビの種類状態
白ニキビ毛穴に皮脂が詰まった初期の状態。赤みや痛みはない
黒ニキビ詰まった皮脂の表面が空気に触れて黒く見える状態。赤みや痛みはない
赤ニキビアクネ菌が増えて炎症が起きた状態。赤く盛り上がり、痛むことがある
黄ニキビ炎症が強くなり、膿がたまった状態。ニキビ跡が残りやすい

思春期ニキビと大人ニキビの違い

10代にできるニキビを思春期ニキビ、20代以降にできるニキビを大人ニキビと呼ぶのが一般的です。

思春期ニキビは皮脂の多いTゾーンに、大人ニキビはあご・口まわり・フェイスラインなどのUゾーンにできやすい傾向があります。

中学生のニキビ薬(市販薬)の選び方

ニキビ治療薬

市販薬は、商品名やランキングではなく、「ニキビの種類に合った成分か」「中学生が使える年齢か」の2点で選ぶのが基本です。

ニキビの種類に合った成分で選ぶ

市販のニキビ薬には、主に次のような成分が配合されています。

はたらき主な成分向いているニキビ
炎症をしずめるイブプロフェンピコノール、グリチルリチン酸二カリウム赤ニキビ
アクネ菌などを殺菌するイソプロピルメチルフェノール、レゾルシン赤ニキビ
角質をやわらかくし、毛穴の詰まりを防ぐイオウ、サリチル酸白ニキビ・黒ニキビ

イオウなどの成分は肌が乾燥しやすいことがあります。

肌がつっぱる、赤くなるなどの刺激を感じたら使用をやめ、医師や薬剤師に相談しましょう。

使える年齢と使い方を確認する

市販薬には、使える年齢や、子どもが使うときの注意が決められています。

購入するときは、パッケージや説明書の「用法・用量」と「使用上の注意」を確認しましょう。

わからないときは、薬局の薬剤師や登録販売者に相談すると安心です。

中学生のニキビに使われる塗り薬

市販の塗り薬の例

ドラッグストアで買える塗り薬の例です。成分の組み合わせが異なるので、ニキビの種類に合わせて選びましょう。

市販の塗り薬の例
  • ペアアクネクリームW(ライオン)
    有効成分:イブプロフェンピコノール、イソプロピルメチルフェノール
    特徴:炎症をしずめる成分と殺菌成分の組み合わせ。子どもが使う場合は保護者の指導のもとで使用する
  • クレアラシル ニキビ治療薬クリーム(レキットベンキーザー・ジャパン)
    有効成分:イオウ、レゾルシン、グリチルリチン酸二カリウム、トコフェロール酢酸エステル
    特徴:角質をやわらかくする成分・殺菌成分・抗炎症成分の組み合わせ。肌色タイプと白色タイプがある

※成分は2026年10月時点のメーカー公表情報にもとづきます。購入時は製品の説明書で最新の内容をご確認ください。

市販薬の説明書には、しばらく使っても良くならない場合は使用をやめて医師などに相談するよう書かれているものがあります(ペアアクネクリームWでは「1ヵ月位使用しても症状がよくならない場合」)。

長く使い続けるより、早めに切り替えることが大切です。

皮膚科で処方される塗り薬

皮膚科では、日本皮膚科学会のガイドラインにもとづき、ニキビの種類や重さに合わせて薬を選びます。

中学生の年齢(12歳以上)であれば、医師の判断のもとで使える薬がほとんどです。

アダパレン(毛穴の詰まりを改善する薬)

毛穴の出口の角質が厚くなるのをおさえ、ニキビのはじまりである毛穴の詰まりを改善する塗り薬です。

白ニキビ・黒ニキビの治療や、ニキビができにくい状態を保つ治療に使われます。

使い始めの2週間ほどは、乾燥・赤み・ヒリヒリ感が出やすいのが特徴です。

多くは使い続けるうちに落ち着きますが、つらいときは自己判断でやめずに医師に相談しましょう。

なお、12歳未満の子どもを対象とした臨床試験は行われていません。

過酸化ベンゾイル(殺菌と毛穴の詰まりの改善を兼ねる薬)

アクネ菌を殺菌し、角質をはがれやすくして毛穴の詰まりも改善する塗り薬です。

白ニキビ・黒ニキビから赤ニキビまで幅広く使われます。

抗菌薬ではないため、薬が効きにくくなる「耐性菌」の心配が少ないのも特徴です。

使い始めに乾燥や刺激感が出ることがあるほか、まれにかぶれることがあります。

また、髪や衣類、枕カバーなどにつくと色が抜けることがあるので注意しましょう。

12歳未満の子どもを対象とした臨床試験は行われていません。

配合薬・抗菌薬の塗り薬(炎症のあるニキビに)

赤ニキビや黄ニキビなど炎症があるニキビには、アダパレンと過酸化ベンゾイルを合わせた配合薬や、抗菌薬(クリンダマイシンなど)と過酸化ベンゾイルを合わせた配合薬、抗菌薬の塗り薬が使われます。

抗菌薬は、長く使い続けると薬が効きにくい菌(耐性菌)が増えるおそれがあります。

そのため皮膚科では、炎症が落ち着いたら抗菌薬を減らし、アダパレンや過酸化ベンゾイルで再発を防ぐ治療に切り替えるのが一般的です。

MBC麻布十番(皮膚科)では、思春期ニキビの診察・治療を保険診療で行っています。

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中学生のニキビに使われる飲み薬

皮膚科で処方される飲み薬

炎症のある赤ニキビ・黄ニキビが多い場合は、塗り薬に加えて抗菌薬の飲み薬を使うことがあります。

耐性菌を防ぐため、飲み薬の抗菌薬は期間を区切って使い(原則3ヶ月程度まで)、その後は塗り薬での治療を続けます。

このほか、体質や症状に合わせて漢方薬やビタミン剤が補助的に使われることもあります。

市販の飲み薬の例

市販の飲み薬は、主にビタミン剤です。

ニキビを直接治す薬ではなく、肌の調子を整える補助として使うものと考えましょう。

チョコラBBジュニア(エーザイ)
  • 主な成分:ビタミンB2(リボフラビンリン酸エステルナトリウム)、ビタミンB6、ビタミンB1、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム
  • 飲める年齢:5歳以上15歳未満(保護者の指導監督のもとで服用)

※成分は2026年10月時点のメーカー公表情報にもとづきます。15歳以上は大人向けの製品になるなど、年齢で選ぶ製品が変わるので、購入時に説明書を確認しましょう。

思春期ニキビを早く治したいときにできること

残念ながら、ニキビを一晩ですぐに治す方法はありません。

早く治したいときほど、悪化させないことと、早めに治療を始めることが近道です。

悪化させないためにできること
  • つぶさない・触らない:指でつぶすと炎症が広がり、ニキビ跡が残る原因になります
  • 刺激を避ける:ゴシゴシ洗い、前髪やマスク、頬づえなどでこすれないようにします
  • 炎症のあるニキビは早めに受診する:皮膚科では、毛穴に詰まった中身を専用の器具で押し出す処置(面皰圧出)を行うことがあります。当院でも行っています

ニキビ対策に大切なスキンケアと生活習慣

スキンケアする女性

やさしく洗顔して、保湿する

洗顔は朝と夜の1日2回、洗顔料をよく泡立てて、こすらずにやさしく洗います。

熱いお湯は避けてぬるま湯で流し、洗顔後は化粧水や乳液などで保湿しましょう。

ニキビ肌でも保湿は大切です。

特に塗り薬の治療中は肌が乾燥しやすくなります。

「ノンコメドジェニック」の表示を目安にする

「ノンコメドジェニックテスト済み」は、ニキビのもと(コメド=毛穴の詰まり)ができにくいかを確認する試験を行った製品という意味です。

スキンケア用品や日焼け止めを選ぶときの目安になります。

ただし、すべての人にニキビができないわけではありません。

睡眠と食事のリズムを整える

睡眠不足や不規則な生活は、肌の調子を崩す原因になります。

毎日しっかり眠り、バランスのよい食事をとりましょう。

特定の食べ物を一律に我慢する必要はありませんが、食べるとニキビが増えると感じるものがあれば、医師に相談してください。

こんなときは早めに皮膚科を受診しましょう

受診の目安
  • 赤く腫れて痛いニキビや、膿をもったニキビがある
  • 市販薬を1ヶ月ほど使っても良くならない、または悪化した
  • ニキビが顔全体や背中に広がっている、くり返しできる
  • ニキビ跡(へこみ・赤み・茶色いしみ)が残り始めた
  • ニキビのことが気になって、学校生活がつらい

ニキビの診察と治療の多くは保険診療です。

さらに、中学生は多くの自治体で医療費の助成の対象になっています。

たとえば港区では、18歳になった後の最初の3月31日までの子どもについて、保険診療の自己負担分を区が助成しています(都内の医療機関では、子ども医療証の提示で窓口での支払いが不要)。

助成の内容は自治体ごとに異なるので、お住まいの自治体の制度をご確認ください。

MBC麻布十番(皮膚科)では、思春期ニキビの診察・治療を保険診療で行っています。気になるニキビがあれば、お気軽にご相談ください。

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よくある質問

Q. 市販薬と皮膚科の薬は何が違いますか?

A. 皮膚科では、ニキビの診療ガイドラインで推奨されている、毛穴の詰まりを改善する薬(アダパレン)や過酸化ベンゾイルなどを、ニキビの種類や重さに合わせて処方できます。

これらは市販薬にはない成分です。

市販薬で良くならない場合は、皮膚科の治療を検討しましょう。

Q. 中学生でも皮膚科でニキビを治療できますか?

A. はい、できます。皮膚科で使われる主なニキビの塗り薬は、12歳以上であれば医師の判断のもとで使えるものがほとんどです。

治療の多くは保険診療で、中学生は医療費の助成を受けられる自治体も多くあります。

Q. ニキビはつぶしてもいいですか?

A. つぶさないでください。

指でつぶすと炎症が広がったり、ニキビ跡が残ったりする原因になります。

詰まりを取りたい場合は、皮膚科で専用の器具を使った処置(面皰圧出)を受けましょう。当院でも行っています。

Q. ビタミン剤だけでニキビは治りますか?

A. ビタミン剤は肌の調子を整える補助的なもので、ビタミン剤だけでニキビを治すのは難しいと考えましょう。

毛穴の詰まりや炎症に対しては、塗り薬での治療が基本です。

まとめ

この記事のまとめ
  • 中学生の思春期ニキビは、ホルモンの影響で皮脂が増え、毛穴が詰まることで起こる
  • 市販薬は、ニキビの種類に合った成分と、使える年齢で選ぶ
  • 赤く腫れて痛いニキビ、膿をもったニキビ、1ヶ月ほどで良くならないニキビは皮膚科へ
  • 皮膚科では、ガイドラインにもとづき、中学生でも使える塗り薬を中心に治療する
  • ニキビ跡を残さないためには、つぶさないことと早めの治療が大切

ニキビは、正しい治療を続ければ良くなることが多い病気です。

一人で悩まず、気になるときは皮膚科に相談してください。

MBC麻布十番(皮膚科)では、思春期ニキビの診察・治療を保険診療で行っています。

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監修医師

院長 立花 義浩

資格
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医・指導医
麻酔科標榜医
日本医師会認定産業医
経歴
北海道大学精神医学教室、北海道大学救急医学教室、東京慈恵医大救急医学教室にて修練を重ねる。その後、銀座での美容皮膚科、都内皮膚科クリニックでの勤務を経て、皮膚科・美容皮膚科の診療に10年携わる。

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